おすすめのミルクティー
「じゃあ、手伝って!」キラキラした笑顔でこちらを見る。彼女の目に吸い込まれそうだ。「え?」なんのことか分からず戸惑ってしまった。
「私、医者にはなろうと思ってるんだけど、てんで勉強がダメで。この夏休みを機に集中して勉強しようと思ってるの!」勉強はできないけど医学部に在籍している。というのは、受験までは頑張ったけど。っていうタイプか。
「それで、その勉強のお手伝いをして欲しいです!」文学部の僕が医学部の子に勉強を教える。側から見ればすごい光景だな。しかし、これ以上親密になるわけにはいかない。
「ダメかな?」彼女の困った表情はなぜか心を痛くする。まあ、勉強を見るくらいなら大丈夫だろう。
「僕でいいなら」軽く返事を返す。
「やったー!!!」と彼女が僕の両手を掴んで上下にブンブンと振る。
「危ない!ミルクティー溢れちゃうよ!」注意散漫な彼女を鎮める。
「あ、ごめん。つい嬉しくて。」僕の両手をパッと離し落ち着く。彼女は残っていたミルクティーを一気に飲み干し、なにやらメモを取り出した。そこに数字を何個か書き並べて僕の目の前に差し出した。
「これ、私の携帯番号!連絡はメールじゃなくて、電話でね!」伝票の上に会計ぴったりのお金を出し、
「じゃあ、またね!」と言って店を出て行った。取り残された僕は呆然と立ち尽くす。僕の分のミルクティー代まで出した彼女に今度お金を返さないと。