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外の世界に潰される

作者: 螺旋さかな
掲載日:2017/07/01

ファンタジーとか書いてみたいと思うのですが今回も現実世界です。

「昨日のさ、星田源すごくイケメンだったよね。」

「うんうん。あの最後の所の、『お前は俺の物だ』って言ってたところ、すごくカッコよくてキュン死にしそうだった。」

クラスでは、昨日の恋愛ドラマで話題は持ちきりだ。でも私には関係ない。私の友達はほとんどおらず、要するにぼっち。まあ、寂しいとは思わない。明らかに避けられたりする時はあるけどいじめられてはないから。

終礼が終わって、1人で下足に向かっていると先生が来た。

「大宅さん、また1人なの?三田さんとか同じ方面でしょ?いじめとかはないの?」

「別に私は友達とかそういうのあんまり作らないんで。」

「友達いないと寂しいよ?友達いたら楽しいよ?」

「まあ、考えときます。」

適当に返事する。あんな裏表があって、うわべだけ笑ってる人なんかと一緒にいたら疲れる。それに今の生活で満足できてる。私は幸せ者なのだ。それに、そこそこ仲良しの人は、数人だけどいる。孤立してるわけではない。友達が多いのが正しいんじゃない。大事なのは、信頼できる友達がいるかどうかなのだと思う。

家に帰ってきた。ここからが私なのだ。部屋に入り、テレビをつける。ブルーレイをセットして再生。そうして映し出されたのはアニメ。このアニメに出てくる、このイケメンのことが私は好きだ。これが恋情なのかもしれない。そのイケメンの名前は、奏矢と言うのだ。

「あー!!!奏矢!かっこいい!今日もかっこいいぞ!もう、ほんと、その表情好きだから!」

独り言を叫ぶ。虚しくなんかない。叫ばずにはいられない衝動。

本当の私は誰も知らない。それでいい。私は今、幸せだから。オタクは気持ち悪いとよく言われるが、それでも私はオタクをやめない。他人がどう僻もうとそんなの知らない。

夏休みに、近くのアニメショップで爆買いをした。その帰りのこと。

「大宅さん?ヤッホー。」

「あ、三田さん。」

まずい、オタクがバレる。やはり近くで買うのはやめたほうが良かったのか……。

「ねぇ、何持ってるの?開けていい?」

私が返事をする前に三田さんは開けてしまった。

「あ、ちょっ…。」

「え、何?フィギュア?誰これぇ?」

奏矢を嘲笑うな。やめてくれ。

「何円くらい使ったの?ぇ?こんな物が5000円?高くない?」

奏矢の限定品だ。高いものか。むしろ安いくらいだ。

「もっとさ、服とかに使ったら?」

お前は何様だよ。私が、バイトして稼いだ金の使い道くらい私が決めたっていいはずだ。

「うわ、細かい〜〜。」

箱から出されていた。もういい加減にしてほしい。

「こことか回るの?」

やめろ!回すな!壊れる!

「ごめん、回らないから。これから用事あるんだけど、もう帰らないといけないから返してもらっていい?」

「え〜?なんの用事?」

どうして言わなければならない?だから、さっきからお前は何なの?人のフィギュアをいじくりまわして、人の趣味侮辱して。本当は用事なんてないけど、早く逃げたい。

「庭とかの掃除しろってお母さんから言われててさ、早く帰らないと怒られるから、帰らないと。」

とっさに思いついたことを言った。これで帰れるはずなのに…。

「塾とかじゃないんだ。じゃあ、大丈夫。」

お前の都合じゃない。私の都合だ。何が大丈夫なんだよ。おい。だからさっさとフィギュアを放せよ。限定品ですぐ売り切れて、入手困難品なのに。

そうして数時間後に帰宅した。私はだいたい予想している。オタクだから、学校で痛い目に遭わされるということを。二次元オタクだけに何故か冷たい。星田源のオタクと言うべき人には何もない。不公平だ。おかしい。

二学期の初日から見事に私の予感は的中した。もう嫌だ。

お読みいただきありがとうございます。オタクや友達に関して、とある視点から見たものです。どの視点が正義などとはわからないものです。

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