0.世界設定(ストーリーの理解のためにも、一度目を通すことを勧めます)
世界観の設定です
一読してください
人類がまだ地球にいた頃、地球文明の最盛期は西暦2500年代前半。
その頃には金星が居住可能となり、人類の文化活動は地球、火星、金星へと拡大していった。
また、人体細胞を量子化、超音速移動の後再構築するプロセスが安価かつ安全に日常的に行われていたため、地球内の移動だけでなく惑星間の移動も日常的に行われていた。
この平和はそう長くは続かなかった。
27世紀になると第六次世界大戦が勃発しアメリカが世界統一を果たす。
すると各地で内戦が勃発し第七次世界大戦へと拡大、ロシアが世界統一というように世界大戦、統一、内戦を繰り返すうちに300年が経ち30世紀、大朝鮮帝国は日本に史上最恐の核爆弾を投下、爆破した。
この爆破で粉々になったコンクリートやガラス、さらには地下の土壌などは大気中に舞って太陽光を遮断、地球は人類史上最後の氷河期を迎えた。
これに伴い世界大戦は停戦、各国は意地とプライドの張り合いをやめ地球脱出の方法を模索した。
西暦2972年アメリカ南北大陸国が12万人搭乗および活動可能で永続的にエンジンを稼働できる宇宙船を開発し、それと同時に地球にかなり類似した惑星(それがディアース)が居住可能であることが証明された。
全世界で宇宙船に搭乗する50万人(うち38万人は生還可能な仮死状態にする)が平等に抽選され選ばれた人のみが宇宙船へ搭乗した。
西暦4000年8月22日人類はディアースへ到着した。しかし、船内は1000年の間に文明が衰退し、西暦4000年代は地球から持ち込んだ種や家畜で農業と牧畜を営んだ。
(中略)
一度衰退した文明は西暦5000年現在、驚異的な速さで地球時代の21世紀前半レベルにまで回復している。50世紀前半には非合理的とされていた魔法や魔術が合理化され世界規模で革命を起こした。
ここでの魔法は超能力のことを指し、魔術は神術、呪術、精霊術などのことを指す。(この2つは物体などに与える影響はほぼ同じだがプロセスや作用が全く異なる。また英訳すると2つは同じになるため魔法はmagic、魔術はギリシャ語のmageiaと表すことが多い。)
近年では魔法と魔術それぞれの勢力が対立し大きな社会問題となっている。ここ日本共和国(地理的には地球時代の日本国とほぼ一致するらしい)も例外ではなく、東側トアンキエンを中心とする魔法勢力と西側サタンポリスを中心とする魔術勢力とでテロや暴動がたびたび起きている。
俺が住んでいる田舎の近くサタンポリス市は国際魔術研究都市のひとつで、魔術の研究が盛んである。魔術師はサタンポリスの人口の10%程で全てが全てサタンポリス市民だからと言ってなれるわけでは無い。
御伽噺では魔術使いというと浮世離れした格好で善民に悪戯を仕掛ける悪的存在とされていたが、現代の魔術師は人類文明のさらなる発展に寄与する重要な役目を担っている。また、浮世離れした服装などはせず、一般市民と同じような服装をするため魔術師と一発で見分ける事は困難を極める。
また住民は魔術教育により左利きが大多数を占める。
俺が通っている学校は市内にある西日本呪術学校という高校と大学を組み合わせた魔術の中でも呪術に特化した学校である。制服は存在せず私服登校となっているが、かつての女子の制服のデザインが人気だったので女子の制服のみが制服として存在している。
俺が言う駅とは佐ヶ丘駅のことでサタンポリス市内にある3つの鉄道駅のこと。
サタンポリスは10年程前にとある事件がきっかけで人口が急増したため、インフラ整備が追いついていない状況だ。現在の人口は300万人であるが、自動車や自転車が無いとかなり不便である。