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離れていく

作者: 結衣

「行かないで」


 少女は震える声で呼び止めるが、彼は聞く耳さえ持ってくれなかった。


「ねえ、お願い」


 少女は力の入らない手で相手の腕を掴むが、ためらいもなく彼に振り払われた。


 少女の視界がぼやけていく。彼の姿が見えなくなる。追いかけたくても動くだけの気力が、もうない。俯いた彼女の目から、涙がポロポロと溢れる。


 聞こえてくる彼の足音が小さくなる。それは自分の泣く声にかき消されたのか、それともそれだけ彼が離れていったことを意味するのか。


 しばらく泣き続け、ようやく涙がとまった。まぶたをこすりつつ顔をあげる。


 視界には何の問題もないはずなのに、彼の姿はどこにもみえなかった。


 そしてまた、視界が滲む。

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― 新着の感想 ―
[一言] 初めまして。 少女が、かわいそうです。 二人の間に何があったのかは、分からないですけど…かわいそうです。 悲しいけど、こちらの作品好きです…。 他の作品も、是非読ませて頂きますね(^^…
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