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はじまり
もしも、それが迷信でも構わない。
もう一度、彼女と話すことが出来るのなら、この世の理を破ることになっても構わない。
「ギル」
自分を呼ぶ愛しい声。彼女のことが大切だったのに、上手く伝えることが出来なかった。そのせいで口喧嘩することもあったが、最後はいつも、”ギルは不器用なんだから”と、困った様に笑う彼女。
彼女の優しさに甘えていた。マジシャンとして成功すれば、今までの穴埋めなんていくらでもできる思っていた。でも、それは馬鹿な考えだった。
だから、もう一度、彼女に会いたい。たとえそれが、誰かを犠牲にしても。




