その頃の弟は…
俺には、同い年の姉と一つ上の兄がいる。
姉は凛音と言い、兄は龍と言う、二人とも俺にとって大切な家族だ。
二人にどれだけ助けられた事か…
だからいつの日か俺がほんの少しでいいから二人の助けになれたらいいなと、俺は思って生きてきた。
父と母が死んだ時に龍兄ちゃんは俺と凛姉ちゃんを守ると言ってくれたけど、俺は守られるだけじゃなく一緒に頑張りたかった。
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いつもと同じ時間に教室に入る。
うげっ、なんであいつがいんの…
「あっ、おっはよー!今日もいい天気だね!」
この朝っぱらから元気な奴は、御上 楓、龍兄ちゃんの友達の剣弥さんの妹、いつも元気で、誰にでも優しい。
いい奴なんだが、俺の事を便利屋かなんかみたいに扱う。例えば買い物行くから荷物持ちに来て!とか、購買で買いすぎたから一緒に食べてとか、しまいには夏に家に来て家のエアコン壊れたから涼ませて、とか言ってくるし…
この事を凛姉ちゃんや龍兄ちゃんに言うとなんか生暖かい目で見られるし…
なんなんだろう?まぁいいや。
「おう、おはよう。朝っぱらから元気だな〜お前。」
そう言うとあいつは近づいてきて、
「それじゃはい、これ借りてた漫画、返すね。」
そう言うとあいつは自分のクラスに戻って行った。
あれ?そういえばあいつ違うクラスなのに、なんで俺のクラスに居たんだ?まぁいっか。
楓がいなくなると、俺の中学からの悪友、水宮 実が近寄ってきた。
「おっすー、相変わらずラブラブだね。」
と茶化してくる。
「どこがだ、お前の目は節穴か?」
と返すと呆れた顔で
「それはお前だろうがよ…」
と小さく呟いた。小さすぎて聞こえなかった。
「しっかし、お前の近くは美形多いな本当に、お前自身もきつい感じだけどイケメンだし、お前の兄ちゃんは、反対に優しい感じでイケメンだし、髪は漆黒って位に黒い髪は綺麗だし、お前の姉ちゃんは髪は金髪混じりの茶髪で、周りに気配りできて、美人じゃん?さっきの御上も兄妹揃って美形じゃん?兄ちゃんの方は茶髪っぽい髪だからチャラそうだけど、実の所真面目だし、かっこいいし、剣道強いし、妹の方は、巨乳で可愛いし、髪は茶髪混じりの黒で肩まで伸ばしている。あーもう美形ばっか、やんなるは。」
そう長々話した阿呆は、そのままグターっとしてる。
んー、そうなんだろうか?あんま分からんな。てか、お前もイケメンって言えるからな、チャラチャラしてるけど。
「おーい、席つけ、ホームルーム始めるぞー。」
担任が入ってきて授業が始まった。
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俺は龍兄ちゃん凛姉ちゃんほど頭が良くないので、授業は真面目に受けて分からな所は二人に聞く。
お陰で成績は中々いい方だ。
そんなこんなで授業が終わり昼になった。
「…相変わらず美味そうな弁当だな、少しくれよ。」
と実が言ってくる。確かに龍兄ちゃんの弁当は美味しい。だが…
「やらん、米の一粒だろうとやらん。」
こいつは一回食べると止まらなくなる奴だから少しでもやるとかなり持っていかれる。
「ちぇー、けちー。」
何とでも言えばいい。やらんから。
そんなこんなで5限目が始まった、がついつい眠ってしまった。
ふと違和感を感じて起きるとそこは意味の分からん空間だった。
なんだ?ここはてか、体は動かないし。
ん、誰か前に…
「伸也…ごめんな、兄ちゃん、しばらくお前達の側にいられなくった。」
なんだ龍兄ちゃんか、って側にいられなくなるってどういうこと?
「これは凛音には言ってない事だけど、兄ちゃんは神様に頼まれ事されてね、それでしばらく側にいられなくなったんだ。それとこれも言ってない事だけど、兄ちゃんこの頼み事で人じゃなくなるらしいんだ、正確には化物。」
そう気軽に言ってくる。俺はもう呆然としていた。
「剣弥にも頼む事だが、凛音を姉ちゃんを守ってやれ、あと、楓ちゃんの事も守ってやれよ!お前は僕の自慢の弟だ、頑張り屋で人一倍頑張るお前ならきっと強くなれる。だから、凛音と楓ちゃんを守るんだぞ、困ったら剣弥を頼るといいぞ。出来る限り早く向かうようにするよ。それまで頼んだ。」
その言葉に俺は嬉しくなるよりも先に不安になった。
もう、二度と会えないような。そんな感じがした。
だか、俺は喋れなかった。喋ろうにも喋れない。
「それじゃ、そろそろ行くよ、行ってきます。」
そういい背を向けた、俺はその背に向かって。
行ってらっしゃい。
と言った。
龍兄ちゃんはニヤッとしたような気がした。
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あれ?ここは…
「どこだ……」
そこは、豪華な部屋だった。皆倒れてるが、ちらほら立っている人がいる。
多分、ここは地球じゃないんだろうな、何と無くそう感じた。
そして龍兄ちゃんはここにはいない。
きっと何処かで頼まれた事をやってるんだろうな。
でも、きっと会える。
だからそれまで俺は頑張る。
次会った時に自慢の弟は頑張ったと言うために。
だから、龍兄ちゃんも頑張れ!
次は剣弥の話し