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その頃の妹は…

思ったより長くなった。

字下げするの忘れました。すいません。

私には義理の兄と弟いる、弟とは血が少し繋がってるが、兄とは血が繋がっていない。


でも、私は優しくて強くてかっこいいけど時々怖いお兄ちゃん…龍にぃが大好きだった。


__________


今日もいつもと同じ時間に教室に着いた。何人かクラスメイトがいた、その中には小学校以来の親友の美優がいた。


「美優、おはよう。」


とあいさつするが美優から反応が無かった。


「?美優、どうしたの?」


と言いながら美優に触ると、美優はやっとこっちを向いた。


「んー、おはよう、凛ちゃん。いつの間に来たの?」


と目をこすりながらあいさつしてきた。


どうやらさっきまで寝てたらしい。


相変わらずほんわかした雰囲気だな。


その後、二人で話ていると授業が始まった。


授業中は退屈だった、正直授業受けなくともテスト余裕だし、正直寝てた方が有意義だったりするけど、でも龍にぃと美優が一回中学の時、満面の笑みで(目は笑ってなかった)の説教をされ、それ以来は授業ではできるだけ寝ないようにしている。


が、今日は眠たくなってきた。


ウトウトしてたらいつの間にか寝てしまった。


__________


気がつくとそこは夢の中だった。


何故、夢の中と断言出来るかと言うと目の前に中学の時の自分がいたから。


これは、両親が死んだ時の夢か…


夢の中の私は泣いていた。泣きながら龍にぃに当たり散らしていた。


『龍にぃが…龍にぃがぁぁ…温泉旅行なんて行かせるからぁぁ…うぁぁーーー!』


それを聞いてる龍にぃはすごく辛そうだったのに、私はそんな事お構いなしに当たり散らし続けた…


いつしか泣き疲れ寝た私を龍にぃは優しく愛おしそうに撫でながら言った。


『ごめんな、僕のせいだよね…僕が殺した様な物だよね…でももう母さん達は戻ってこない。だからこそ僕が母さん達の代わりに凛音と伸也を守らないとね…』


実はあの時私は寝ぼけながら聞いていた。そう言った時の龍にぃの顔は決然としていたけど、その顔に一筋の涙が落ちたのを覚えてる。


あの後、龍にぃは私と伸也に、僕はいなくならないから、僕がお前達を守るよ。と話てくれてた。


それから、龍にぃは家から近いこの学校に入って色んなバイトをして頑張ってるんだっけ。


私はいつか龍にぃに恩返しをしなくちゃ、龍にぃだってずっとそばにいるわけではないのだから。


そう思うと私は誰かに体を揺らされてる事に気づいた。


__________


「起きて、もう5限目終わったよ?凛ちゃん!」


そう言いながら美優が私を揺らしてくる。


ん?5限目?


「えっ!もしかしてもうお昼すぎた!?」


私は驚きながら立ち上がった。


「きゃっ、もぅ、とっくに過ぎてるよ〜、凛ちゃんずっと寝てたんだよ?」


その言葉で私は完璧に目が覚めた。あぁー龍にぃの弁当食べ損なった。


「あぁ、まぁいっか。」


そう思い気を取り直して美優を見ると、美優が窓の外を見ていた。


私もつられて見てみると、真っ暗になっていた、というより窓が黒く染まっていた。


「なに…これ…」


私は呆然と外を見てると急に周りが光だし、その光が眩しく目を閉じた。



___________



気がつくと不思議な空間にいた。


そこには色がなかった。


体は動かない。


ふと前を見ると龍にぃが目の前にいた。


「凛音…ごめんな、兄ちゃんしばらくお前達の側にいられないかもしれない。だけど兄ちゃんは必ずお前達に会いに行くからね、それまで体に気をつけるんだぞ?」


そんな事を話だした。なんか不安になり喋ろとしたが、声が出なかった。


「後、下野には気をつけろよ、それじゃ行ってきます。」


どこかメッセージの様な感じがした。


そうして背中を向けた龍にぃに向かって私は。


行ってらっしゃい、と言った。


声が出なかったが伝わったと思う。


そして気がつくと、私は倒れていた。


目を開けるとそこは、豪華な部屋の中だった。


「へっ?」


素っ頓狂な声が思わずでた、周りには同じクラスメイトだけでなく、別のクラス、それどころか全校生徒居た。


同い年の弟も居たし、龍にぃの友達も見つけた。


だけど、龍にぃだけは見つからなかった。


みんなこの状況に驚いてるようだ。だけど私は驚いている余裕は無かった、龍にぃが居ない事に気づき少しパニックになっていた。


その時、私の肩に美優が手を乗せてきた。


「落ち着いて、凛ちゃん。」


と言われ少し落ち着いた。


その時、部屋に甲冑を着た人と、その人達に守られるように豪華な服を着た人が入ってきた。


それをみて、皆は驚いていたり、パニックになったり、少数だが臨戦態勢に入ったりと、皆混乱していた。


その時


「異世界の者たちよ、どうか落ち着いて欲しい。」


渋い声が部屋に響き渡る。


どうやら真ん中にいた豪華な服の人の中の王冠をかぶってる人が言ったみたい。


て、異世界の者たち?


そう私が疑問に思ってると、生徒会長の水嶋 奏会長が、質問をした。


「異世界の者たち、と言いましたけどここはどこなんですか?」


あくまで冷静に質問してるが、まだ臨戦態勢のままだ。


すると甲冑の人が、


「貴様!王に対して無礼だぞ!」


と怒鳴るがそれを王様らしい人が止めた。


「良い、そう怒鳴るな、怯えてしまうだろう。」


王様はそう言う。確かに今ので何人か泣きそうになってるから、全体をよく見てるんだな。


「しかし、王に対して質問など…」


まだ言おうとする甲冑の人、多分兵士に王は、


「ふむ、なら異世界の者たちよ、質問があるものは前に…」


王がそう言うと、兵士は渋々引き下がった。


「では、私が皆の代わりに…」


と奏会長が前に出た。


「ふむ、では質問の前に自己紹介をさせてもらう。私はこの国の王で、名をザルナ・マニ・レイヴという。そして我が妃と娘だ。」


王がそう言うと、王の横にいた人達が。


「私は王妃のザルナ・カヤ・ミルムと申します。」


「私は王女のザルナ・マニ・ミレアと申します。異世界の方々、よろしくお願いします。」


と一番横に居た綺麗な人が微笑みながら、言った。


あ、今ので何人か惚れたな。そう思わせる程の美貌だった。女の私もドキドキしそうだった。


「残念ながら、我が息子の王子は今はいないから紹介出来ない。それでは質問を聞こう。」


と王様が言った。


「では、ここはどこで、私達は何故呼ばれたのですか?」


と聞いた。


「ここは、其方達がいた世界ではない、別の世界で名をアルメラスと言う、そしてここは我が国、名をザルナと言う。其方達を呼んだのは魔神を倒してもらいたくて呼んだ。」


そんな…ここは地球じゃないの?じゃあ龍にぃはどこに…


戸惑ってる間にも話は続いた。


「何故、私達なんですか?正直、戦力になるとは思いません、我々は大きな争いも少ない平和な世界から来ました。すぐに戦うこと自体なれてる人は少数しかいませんよ?」


そんな会長の質問も今はどこか遠くの話に聞こえる。龍にぃどこいっちゃたんだろう…


「それは、其方達が勇者たり得る実力を持つ者、またはそれに及ばずとも劣らない力を持つ可能性が大きいものだからだ、正直私もこれは乗り気では無かったが、今のままではまず間違いなく負ける。だから頼らせて欲しい。もちろん魔神を倒したら元の世界に戻す。だからお願いだ、この通り。」


王様が頭を下げて頼んできた。それには皆驚いている。


会長は、王様の話を信じたみたいだった。


「…分かりました、その話信じます。こちらこそよろしくお願いします。」


会長も同じく頭を下げた。


その後もしばらく質問し合い、話が終わる頃を見計らって私は前にでた。


その事に美優も周りも皆驚いていた。


「あの…王様、喚んだ人は必ずここにいるのですか?」


私の問いに王は、


「いや、少ない可能性だが喚ばれて其方達はすぐに喚ばれたが、これは召喚魔法だ、対抗力のあり対抗した人がいたらもしかしたら、別の場所に召喚されたかもしれん。」


そう言った。それを聞き龍にぃは別の場所にいるんだと思った。


「ふむ、誰か知り合いがおらんのか?」


と王が聞いてきたので、私は、


「はい、兄が…いません。」


と答えた。それを聞き王は、


「…分かった出来る範囲で探してみよう。」


と答えた私は嬉しくて涙が出た。


「ありがとう…ございます。」


となんとか言えた。


そのあと私達はそれぞれ部屋を与えられ、夕食を食べ、明日からこの世界の事や魔法の事、力をつけるための訓練などをしていく。


正直不安だけど、私は伸也と一緒に頑張るよ!龍にぃ!


守られるだけじゃなく次会う時は一緒に頑張れる位になれるよう頑張ろう!


そう意気込み私は眠った。






次は弟の話


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