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初めて喰らう

グロ注意

 


 夕食の後、しばらく進み平原に出た。


 ここで一回野宿して、目的地の国に入るそうだ。

 目的地の国はルーリアさんの昔からの友人の王女がいるそうだ。

 助けを求めると承諾してくれたそうだ。


 そこにはここから約半日位で、入るそうだ。


 最寄りの街には約一日かかるそうだ。


 とりあえず護衛その街までという事になっている。


 野宿の準備が終わると直ぐに騎士の人達は倒れるように寝てしまった。


 するとガルフさんが近寄ってきて、


「すまんな、ここまでずっと休み無しで来てたからな。盗賊との戦いでの疲労もある。すまんが、夜の見張りと火の番はお前一人になるが、頼めるか?」


「えぇ、問題ないです。で言うかそれを含めての依頼じゃないのですか?」


 と聞くとガルフさんは苦笑いしながら、


「冒険者の中にはそういうことをやらない輩もいるからな、まぁ確認みたいなものだから気にするな。そんじゃ俺も寝るから後は頼んだぜ。」


 と言いガルフさんは他の騎士同様に倒れるように寝た。


 皆が眠り、辺りは静かになる。

 時折焚き火の薪が爆ぜる音が響く。

 そこでふと、自分の飢えが収まってないことに気付いた。

 小腹が空いた程度の感覚だから忘れてたが、全然収まってない。

 もしかしたら餓狼の飢えは、普通の食事じゃ収まらないのか?


 そんな事を考えていると、不意に変な音がした。


 周りは闇に包まれているが、僕の目はもはや人間のそれではないから、どんなに暗くとも余裕で見えた。


 すると、狼の様な生き物が5匹群れで近寄って来ていた。


「まだ遠いな…あんまり近くで戦うとうるさくて騎士の人達が起きるかもしれないし、ここはあれを試してみるか。」


 と言いアイテムボックスから盗賊から奪った剣を5本出した。


「さて、うまくできるといいけど…」


 剣を一本持ち狼モドキに向かって投げる。

 狼モドキは剣を避けようとする、だけど…


「はっ!」


 投げた剣を操り、避けようとした狼モドキに追尾する形で操る。


 剣は狼モドキの喉に刺さる。


 喉に刺さったせいか、断末魔は聞こえなかった。


「うーん、やっぱ難しいな、アームズマスターの武器の遠隔操作…」


 そう、今スキルのアームズマスターの武器操作の能力を使ったけど、これは難しい。


 距離が遠くなるほど操作が難しい。

 まぁ、やってるうちに慣れるか。


 それより今は狼モドキが先か。


「結構早いな…」


 狼モドキは仲間がやられ、殺気立っている。


 だが、その分動きが直線的になった。


「ありがたい、当てやすくなった。」


 そして今度は、残りの四本を纏めて操る。

 難易度はさっきの比ではなく、かなりきつい。


 四本の剣を持ち上げ、空中で停止。

 そして、狼モドキに狙いを定めて、放つ。


 2本は上手く狼モドキの頭を貫けたが、残りの2本は外れた。


 急いで、外れた剣を操ろうとしたが範囲外に出たのか操作出来なく飛んで行ってしまった。


「あぁ〜仕方ないか…」


 そう呟き、地面を音の出ないよう軽く蹴る。

 それだけで出鱈目な身体能力を持つこの体だと、余裕で跳べる。


 狼モドキの後ろに上手く音の出ないよう着地すると、狼モドキの死体に刺さったままの剣を操作し、手元に2本呼び寄せる。


 すると、後ろの僕に気づいた狼モドキは僕を警戒しつつも、飛びかかってきたが、既に遅い。


「ふっ!」


 狼モドキの飛びつきを横にズレて躱し、通り抜ける瞬間に剣を喉に刺す。

 狼モドキは着地することはなく、後ろからドサッと言う音がした。


 そして、もう一匹の方は警戒しているのか、襲ってこようとしない。


 そこでふと、自分の状態を思い出した。


 今は小腹程度の飢えだからいいが、もしまた、餓狼を使い耐えられない位の飢えになったら?


 そう思いある決心をした。


 ある意味本当の意味で人間を辞める決心を…


 狼モドキの足を狙い剣を投げた。


 狙い通り狼モドキの足に剣は刺さる。

 狼モドキは叫び声を上げながらその場に倒れる。


 僕は倒れる狼モドキに近寄り、剣を足から抜く。


 狼モドキは呻きながらも、僕を睨む。


 そんな狼モドキの頭と体を掴み、押さえ付ける。

 狼モドキの首筋を見る。

 毛で覆われ、獣特有の強い匂いがする。

 だが、なぜか見れば見るほど美味しそうに感じる。


 そしてその首筋に喰らい付く。


 狼モドキは暴れるが押さえつけているので動けない。


 そして、首を噛みちぎる。

 肉を咀嚼する。

 特に吐き気などは無く、むしろ美味しいとすら感じる。


 そのままなんどか夢中に狼モドキの首筋を喰らうと、狼モドキは息絶えた。


 すると途端に狼モドキは美味しそうではなくなった。

 むしろグロい。

 少し吐き気がしたが、ここで吐いたら今食べた狼モドキが、可哀想だ。


 喰うと言う行為のせいか、その命を糧に生きてるんだと強く感じた。


 正直、一口で十分だったのに一度食べ始めると止まらなかった。


 まぁ、これから気をつけよう。


 喰人のおかげで飢えは無くなった。


 そして、騎士の人達が眠っているところに戻った。


 そこでふと気付く。


 口元、血だらけだけどどうしよう?


 その後血をなんとか、夜が明けて騎士の人達が起きる前になんとか落とせた。



次回からスキルなどは後書き、つまりここで効果などを細かく書くことにします。

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