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謎の儀式

 

 村から森に向かい少し飛ぶと、壁の様なものにぶち当たった。


「痛っ、なんだこれ?」


 そこには透明な膜の様なものがあった。


「うーん、解析。」


 ______

 結界・閉


 大規模な結界。

 大量の魔力が必要だが、大気のマナを吸い維持している。

 内側から閉じられている。

 傷などがついた場合は自動修復を行う。


 ______


 うーん、怪しいな。


 どうやって入ろう?壊せるかな?


「速くしないと夜になるな。」


 気づけば夕方、太陽が沈んで行く。

 すぐに夜になる。


「…壊すか。」


 と言い、アイテムボックスから刀、狼刻を取り出す。


「初陣だから、全力で行こうか。」


 そう言い、まっすぐに持ち上げ、振りかざす。


「とりあえず、極光…にしようと思ったけど、もしバレたらやだから【次元喰い】。」


 狼刻を振り下ろすと、その軌跡には何も無くなった。


「うしっ、これで入れる。」


 目の前にあった結界には切れ目が出来ている。狼刻をアイテムボックスにしまい。

 そこを、結界魔法を発動させてこじ開けて中に入る。

 魔法はもう風魔法でやり方とかは慣れた。


「…うーん、もう日が沈むな…あれ?なんかあっちに光が灯ってる。行ってみよう。」


 光が灯ってる場所に向かい加速した。


 光が灯ってる場所に近づくにつれて、泣き声など、悲痛な声が聞こえてきた。


 光が灯ってる場所の上空に着くとそこには、遺跡の様な建物があった。

 所々、崩れてたりしている。


「さっきから、聞こえてくる声もここからだな、変な匂いもここからだ。」


 そう呟き、したを見下ろして、声と匂いの元を探すと、一箇所だけもともと天井の無い部屋があった。

 そこの部屋には牢屋の様なものがあり、その中に腕や足の無い人、ボロ雑巾の様な服を着た集団などが入れられている。


 その部屋の真ん中には、祭壇の様なものがあり、その祭壇の台座には白い髪の少女が縛り付けられていた。


「…これは、なんか儀式をやるのか?」


 すぐに囚われている人達を助けたかったが、どれくらいの戦力なのかを知りたかった。


 ちょうど月は雲に隠れた時に部屋の中に、薄汚い黒いローブを着た奴が6人入ってきて、その後ろから、兵士が20人くらい入ってきた。

 その後ろには貴族の様な者がいた。


 じっと見ていると、黒いローブを着た奴らが、祭壇の周りを一定間隔に離れて立った。


 よく見ると部屋の床に複雑な紋様が刻まれていて、それは部屋のほとんどを埋め尽くしていた。


 黒いローブの立っている所にはそれぞれ円があり、そこから伸びる紋様は祭壇の台座を囲っている。

 牢屋の下にも、紋様がびっしりと刻まれていた。

 しかし、よく見ると紋様は溝の様になっていた。


「…今気づいたけど、もう周り真っ暗なのによく見えるな、あと視力もやばいな、僕。」


 と、どうでもいい事を呟くと、黒いローブの一人が何かを唱えた。

 すると、部屋の壁にあった松明に明かりが灯った。

 部屋が明るくなると、黒いローブの奴らは何かを唱え出した。

 その呪文の様な物を聞いてるとすごく腹が立つ、というか聞いていて気分が悪い。


 今すぐにローブの連中を黙らせたくなるほどに、気にいらない。


 だが、今降りると兵士との戦いは避けられない。

 一人や二人ならいいのだが、20人は少し多い。

 自分の実力がどんなものか分からない現状ではあまり戦いたくはなかった。


 そんな事を悶々と思っていると、急に部屋の床が揺れだし、牢屋が沈んでいく。


「なっ!」


 牢屋の様に見えていたのは、遺跡の一部だったらしく、それは徐々に床に沈んでいった。

 中にいる人ごと…


 中の人達は悲鳴をあげ、命乞いをしてるが、それは、当然の如く無視された。

 黒いローブの連中は無視して呪文を唱え続け、貴族と兵士達は面白そうに見ていた。


 やがて、ベキベキッという音と共に牢屋の様な物は床に消えていった。

 牢屋のあったところには大量の血が溢れている。


「………」


余りにも急な事だったせいか、全く動けなかった。

 目の前が真っ白になる、頭が沸騰しているのではと思うぐらいに熱い。

 途方も無く怒りが湧いてくる。

 それは、これを行った者たちに対しても、ただ見ているだけだった自分に対しても。

 生まれて初めて殺意が湧いた。


 今すぐに降りたかった、降りて、あそこにいるローブと兵士と貴族を殺したかった。

 だが、それをしたらさっきまで傍観していた理由が無くなる。

 それはダメだ。

 もしそれで俺が死んだらあの白い少女はどうなる。

 だから今は耐える。

 その時が来るまで、耐える。


 そして、怒りを抑え、少し冷静になると、あんなにあった血が無くなり、代わりに床の紋様が赤くなっていた。

 床の紋様の溝はこのためにあったようだ。


 すると、ずっと唱え続けていた呪文が終わり。

 ローブの6人が全員台座に縛られた少女を囲んだ。

 その様子を貴族と兵士はどこか、ショーを楽しむ子供の様な目をしている。


 すると、ローブの一人が懐から美術品の様な装飾の拘った短剣を取り出した。


「っ!させるか‼︎」


 俺はそれを見ると台座に向かって垂直に降下した。




次は戦いです。

祭壇の台座はイメージとしては、石でできたベッドの様な感じですね。


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