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ハツコイノキオク  作者: 桜木芯太
1/2

第1話

これは、私の昔話。

いや、とてもくだらない昔話だ。




 キーンコーンカーンコーン

「やば!」

今日は朝から何もかもツイていない。

なぜかというと、昨日イライラして寝てしまったから、目覚まし時計の電源を入れ忘れた。当然寝坊。しかもリビングに入ると誰もいない。わたしがいつも食事をしている場所に置手紙が置いてある。「やっと起きたのね。朝ご飯は冷蔵庫に入ってるから、自分でチンしなさい。母」との事だ。ここで状況を確認してみる。


――時刻7:36 状況 頭ボサボサ パジャマ

 絶望的な状況である。私はとりあえず頭を直すことにした。

「…あれぇ?ドライヤーどこだろ…?」

いつもの場所にない。コードがあるのに本体がない。これは一体どういうこと!?考えている時間はないし、探しているひまもない。仕方なくクシでとかすことにした。昨日、長かった髪をバッサリ切っておいてよかった、と思った。


――時刻7:49 状況 パジャマ 疲れている

 次は着替えることにした。ご飯は抜いても…大丈夫だろう、という安易な推測だ。またしても事件が起きた。今度はブラウスが行方不明だ。

「アイロンかけてどこにあるのー?」

そろそろ怒りが爆発してしまいそうだ…。

でも、人生は面白いものだと思った。ギリギリになって探すのを止めようとすると見つかるんだもん。頭きちゃうよね。


――時刻 8:02 状況 支度完了 お腹ペコペコ

 お待ちかねの朝食だー❤でも、時間がないからおかずは食べていられない。炊飯器からご飯をよそう。そこで、まさかの悲劇が起きた。あろうことか茶碗が手から滑り、床へダイブ!「しまった!」と言う前に茶碗は砕け散っていた。幸いご飯をよそう寸前だったため陶器の破片が飛んだだけだった。

「もう、最っっ悪!」

文句を言いながら片づける。自業自得だと判っていても…なんだかね(_ _;

――時刻 8:13 状況 学校に向けてダッシュ

 やばい。とにかくやばい。登校時間は8:30だが、先生が教室に来るのは8:25すぎくらい。この時間より遅く来るのは一部の生徒と不良くらいだ。先生が来るとみんな席に着き、読書か、勉強か、前後の人と話しているか、の三通りなのだ。そんな中息を切らして入っていったりしたら、笑われてしまう!

急いで上履きに履き替え、階段をも走って登る。生活指導のS先生にバレないようにこっそりと学年の階に入る。思っていた通り、廊下には誰も居ない。静かに、そして忍び足で教室に近づく。おかしい。話し声どころか、物音ひとつしない。警戒しつつ教室をのぞきこむ。やはり、誰も居ない。(あれぇー?おかしいなあ)黒板の文字を読んだとき、驚いた。

『8:20までに廊下に並んで体育館に移動してね』へ?いったいなぜこんなことが書いてあるのか? 私はふと、昨日の帰りの会のことを思い出した。そういえば先生が

「明日は、何か知らないけど朝体育館でなんかやるっていうから早く来てネ^^」

と言っていた。もうだめだ。8:20までに体育館で今8:28である。今体育館に入って行ったほうが笑われることは分かっている。仕方なく席に着く。誰も居ない教室はなんだか怖い。全ての机にカバンが掛かっている。あの不良でさえ、しっかり登校していた。そんな中、廊下を誰かが走ってきた。


お読みいただきありがとうございます。

次回は8月中旬~下旬を予定しております。

お楽しみに!

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