プロローグ
これは、無色ヒロインという話と対になっております。
こちらが先となっておりますが、興味がありましたら無色ヒロインも読んで下さると光栄です。
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ヒーローってかっこいいよな。
弱いものを守って、悪い奴を倒すんだ。
かっこいいよな。
憧れる。俺には無理だもん。たぶん、結構大勢の奴が無理なんじゃないかな。
でもさ、やっぱりかっこいいよな。
尊敬する。
俺も弱いものを守って、悪い奴を倒したいね。
そう思ってる。
それは今も変わらないし、だから俺の行動は自然で、とってもつじつまの合ったものなんだけど。
何で俺の親は泣いてるんだろうなぁ。
何で俺の友人は泣いてるんだろうなぁ。
何で俺のあいつは泣いてるんだろうなぁ。
分かんないや。
俺、悪い奴は倒せなかったけど、弱いものは守ったんだぞ。
「偉かったねぇ、俊。偉かったねぇ・・・。」
お婆ちゃんはやっぱりわかってるなぁ。俺、偉かったろ?だってヒーローだもんな。偉いはずだぜ。
「死んでまでお友達守って、偉かったねぇ。」
だろ?
俺、偉いだろ。
だってよ、あいつが死んだら俺生きてる意味ねぇし。
よくいるだろ?いっつも悪い奴に捕まっちまう女の子。
それが、あいつなんだよ。
だから俺が守るのは当たり前だよ。
みんな何考えているのやら。
ヒーローが女の子を守るのは当たり前と同じことで、俺があいつを守るのは当たり前なんだよ。
俺からしたら、あいつが死んだら世界意味ねぇんだから。
俺は、あいつの居ない世界に意味なんて見いだせねぇから。
俺が死んでも、こうして俺はあいつを見ることが出来るから。
俺が死んだってわけ。
分かり易いだろ?
だからもう泣くなよ・・・。
俺、お前の涙が見たくて助けたんじゃないんだぜ?
なぁ、顔を上げろよ。俺はお前の笑顔が守りたくて車の前に飛び出したんだぜ?
だからよ、笑ってくれよ。
いつもみたいに「俊」って呼びながら。
なんで黙ってずっと泣いてんだ?笑えよ、なぁ・・・。
死んだ意味ねーじゃんか。
俺の推定年齢 9歳