雨宮と水城
放課後。
図書室前。
窓、開いてる。
風。
雨宮、本棚にもたれてる。
水城、返却棚の前。
静か。
水城
「賑やかだったね」
雨宮
「いたから」
水城
「早瀬?」
雨宮
「うん」
少し間。
遠くで笑い声。
青木と早瀬の声、混ざる。
水城
「疲れない?」
雨宮
「何が」
水城
「人といるの」
雨宮、少し考える。
雨宮
「一人の方が楽ではある」
水城
「だよね」
雨宮
「でも」
雨宮
「楽なのと、いたいのは別」
静か。
水城、少しだけ止まる。
水城
「……それ」
水城
「青木にも言った?」
雨宮
「言ってない」
水城
「言わないんだ」
雨宮
「内緒」
少し笑う。
静か。
ページめくれる音。
雨宮
「水城も」
水城
「ん」
雨宮
「最近ちょっと急ぐよね」
水城
「何を」
雨宮
「早瀬が気づくの」
静か。
風。
水城、少し笑う。
でも否定しない。
水城
「……そんな分かりやすい?」
雨宮
「結構」
水城
「……最悪」
雨宮、少し笑う。
雨宮
「待つふり下手だよね」
水城、吹き出しそうになる。
水城
「そう言うのはお前だけ」
風。
カーテン揺れる。
雨宮
「水城」
水城
「何」
雨宮
「多分」
雨宮
「早瀬、うっすら気づいてるよ」
一瞬。
水城
「……なんでだろ」
雨宮
「視線って」
雨宮
「結構残るから」
静か。
水城、少し窓の外を見る。
遠く。
早瀬と青木。
笑ってる。
水城
「……それは困る」
少し間。
水城
「……あいつが」
少し言葉を探す。
水城
「選べなくなるのは」
そこで止まる。
雨宮
「うん」
少し間。
雨宮
「選ばせたいって思うのも、本当」
雨宮
「でも」
少し間。
雨宮
「気づいてほしいのも、本当でしょ」
水城
「……」
雨宮
「どっちもあるよね」
水城
「……」
静か。
水城
「……最悪。何も言えない」
雨宮
「そういう顔」
雨宮
「するんだね」
少し沈黙。
水城
「雨宮」
雨宮
「ん」
水城
「そういうとこ」
水城
「結構性格悪い」
雨宮、少し笑う。
雨宮
「知ってる」
『視線の重なりで出来た日常』より
雨宮 友情出演
頭の良い(自分の中で)二人の会話はめちゃめちゃ難しいですね(汗)




