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第22章 金牛課の猛者、アルデバラン課長との対峙

 白羊課を無事に突破した僕は、次の金牛課へと向かっていた。

 役所内にあるはずなのに、金牛課へ続く階段は異常なまでに長い。

 しかも、段差が高く、まるで山登りをしているかのようだ。

「ぜぇ……ぜぇ……なんで役所内でこんなに階段を登らないといけないんだよ……」

 疲労で膝が笑い、息が上がってくる。

(こんなんじゃ楽どころか、むしろ過酷じゃないか!)

 しかし、立ち止まるわけにはいかない。

 楽して生きるための公的扶助を手に入れるためには、ここを突破しなければならないのだ。

「……もう、登るしかない!」

 覚悟を決めて一段一段を踏みしめながら進むこと数十分。

 ついに長い階段を登り切った。

 目の前に現れたのは巨大な扉。

 金色の装飾が施され、中央には「金牛課」と力強く彫られている。

「ここか……」

 僕は扉を押し開け、中へと足を踏み入れた。

 中は広大なホールのような空間で、天井が高く、壁には豪華な絵画が飾られている。

 そして、ホールの奥にそびえる玉座のような椅子に、一人の男が座っていた。

 男は筋肉質で、上半身は裸。

 まるで岩のように隆起した筋肉が輝いて見える。

 そして、頭には長く鋭い闘牛の角が生えている。

 瞳は鋭く、まるで獲物を狙う猛獣のようだ。

 どこかで見たことがあるような気がする。

 キン肉マンのキャラに似ている…

「……お前が、アルデバラン課長か?」

 僕は唾を飲み込みながら問いかけた。

 男はゆっくりと立ち上がった。

 その体躯は僕の倍以上の大きさがあり、圧倒的な威圧感を放っている。

「俺が金牛課のアルデバランだ。貴様が印鑑を求めてここに来たか」

「そ、そうだ! 公的扶助を受けるために、必要なんだ!」

 アルデバランは鼻で笑った。

「公的扶助だと? 楽して生きようなどという考え、俺には理解できん」

「理解してくれなくてもいい! 印鑑さえ押してくれれば、それでいいんだ!」

 アルデバランは腕を組み、鋭い目つきで僕を見下ろした。

「そうか……だが、この金牛課を通過するには、俺に勝たねばならん」

「え……勝つって、どういうことだ?」

 アルデバランはにやりと笑い、腕を広げた。

「この通り、俺は闘牛の角を持つ戦士。力こそが全てだ。力無き者に印鑑を渡すわけにはいかん」

(ちょっと待てよ……こんなゴリゴリの筋肉男と戦うのか!?)

 僕は一歩後ずさった。

「どうした? 怖気づいたか?」

 アルデバランの声がホールに響く。

「いや……でも、僕はそんなに強くないんだけど……」

「ならばここで諦めて、下へ戻るがいい」

「くっ……それは嫌だ! 公的扶助を手に入れるためなら、戦う!」

 僕は決意を固めた。

(怠惰スキルがあるんだ。これをうまく使えば、勝てるはず!)

「ふん、覚悟はできたようだな」

 アルデバランは両腕を広げ、筋肉が隆起する。

 その瞬間、彼の体が金色のオーラを纏い始めた。

「来い! 貴様の力を見せてみろ!」

 僕は怠惰スキル「やる気削ぎ」を発動した。

(これでやる気がなくなれば、戦わずして勝てるはずだ!)

 しかし、アルデバランは微動だにしない。

「無駄だ。俺の闘志は揺るがん」

「な、なんだって!?」

「俺の信念は『強者であること』だ。怠惰の力など、この角には効かん!」

 アルデバランはその長い角を輝かせ、突進してきた。

「う、うわあああああ!」

 僕は必死に避けるが、衝撃波がホールを揺らす。

(くそっ、近づいただけでこの威力かよ……!)

「逃げるな! 力を見せてみろ!」

 アルデバランは圧倒的なスピードで僕に襲いかかる。

 一撃でも食らえば、確実に吹き飛ばされるだろう。

(勝てる気がしない……!)

 僕は必死に回避し続けたが、スタミナが尽きかけていた。

「ふん、やはり貴様には無理な話だったか」

 アルデバランは余裕の表情を見せている。

(どうする……どうやったら勝てるんだ!?)

 僕は頭をフル回転させ、考えた。

(力じゃ勝てない。でも、何か方法があるはずだ……!)

 その時、ある考えが浮かんだ。

(そうだ、怠惰スキルを応用すれば……)

 僕はニヤリと笑った。

「何をニヤついている?」

 アルデバランが不審そうに眉をひそめる。

「さあ、まだ終わってないぜ!」

 僕は新たな作戦を思いついたのだ。

(次回、金牛課のアルデバランを相手に、僕の怠惰スキルが炸裂する……かも!?)

 果たして、僕はこの筋肉課長に勝利し、印鑑を手に入れることができるのか!?



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