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第2話:爆裂系魔法と不死鳥の守護力

 ───爆裂系魔法は、無属性の強力な攻撃魔法。

 その威力は、四大属性の地水風火を大きく上回る。

 範囲を絞れば、最上位の魔物すら一撃で倒す。

 強過ぎる魔法故に、習得出来る者は限られる。


 爆裂系魔法の素質を持つのは、世界樹の勇者のみ。

 その魔法は、魔王を倒す為に使われる。

 爆裂系最終奥義となる魔法は、自爆攻撃魔法。

 それは、自らの命と引き換えに、魔王を消滅させる魔法…───


 アサケ国立学園図書館禁書【爆裂系魔法について】より




「双子なので、もしやとは思ったが…」


 ボクが孵化する以前、御主人様は世界樹の民が生まれてすぐ受けるという、素質の鑑定をしてもらっていた。


「エカルラートには、爆裂系魔法の素質がある」


 そう告げたのは、鑑定スキルを持つ長老様。


 長老様は光の精霊(リュミエル)主人(マスター)で、黄金の長い髪と金色の瞳がその証だ。


「…エカ…」


 爆裂系魔法と聞いて、御主人様の御両親は悲痛な顔になった。

 何故なら、その魔法を持つ者は、短命と言い伝えられているから。


 世界樹の民は邪悪なものからこの世界を護る使命を背負う民。

 そこに双子が生まれる事は、いずれ戦うべき邪悪が出現する事を暗示していた。


「エカに不死鳥の守護を付けよう」


 御主人様のお父上は、不死鳥(フェニックス)主人(マスター)で、真紅の髪と瞳がその証。

 召喚獣としての不死鳥(フェニックス)は、老衰以外なら主が死んでも完全復活させる守護力を持つ。


 既に不死鳥(フェニックス)との繋がりがあるお父上は、不死鳥の里へ赴いてタマゴを譲ってもらった。

 そのタマゴから生まれたのが、不死鳥(フェニックス)のフラム、つまりボク。


「フラム、頼む。もしもエカが自爆魔法を使ったら、復活させてくれ」


 お父上はボクにそう言った。


 いずれエカは邪悪と戦う事になる。

 その際に、爆裂系魔法の最終奥義を使う可能性が高い。

 自爆魔法を使えば、使用者の命は失われる。

 でも不死鳥(フェニックス)守護力(スキル)があれば、生き返らせる事が出来る。


 孵化して最初にエカを見た時から、ボクの心は彼と共に在る。

 ボクにとって一番大切なものは、御主人様だ。

 エカを見ていると、心がとっても温かくて、満たされる。

 ボクたち召喚獣は、御主人様が幸せなら、同じく幸せを感じるんだ。


「分かりました。エカの命は、ボクが助けます」


 ボクはそう答えた。


 すやすや眠るエカの赤い髪を嘴で毛づくろいしてあげながら、ボクは考える。

 復活スキル以外にも、御主人様の為に何か出来る事はないかな?


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