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第24話:ダンジョン初級検定

「そろそろ検定試験をしてもいい頃だな」


エカがダンジョン実習を初めて1ヶ月経つ頃、付き添いのOBが告げる。

アサケ学園では能力に応じて、初級・中級・上級・最上級の4つのダンジョン検定があるそうだよ。

春の森は初級エリアで、そこのダンジョンボスを倒す事で初級をクリア出来る。

初級をクリアすれば、中級エリア・夏の森に行けるようになるんだ。


「今のメンバーなら、百花洞窟のボスを倒せる筈だ」


と言うOBに連れられて、進んだ道の途中にいたのは通常のフェザントの10倍サイズの鳥型魔物。

一同は魔物が反応しない距離で一旦止まった。


「中ボスだね」

「うん正解」


座学で予習してきたエカが言う。

OBが満足そうに肯定した。


「基本的な攻撃パターンは通常のフェザントと同じだが、奴は特殊攻撃を持ってるぞ」

「連携はそれの対応も考える必要があるわね」


同じく予習してきたチャデとクロエが話す。


「私がチャデに攻撃反射(リフレクト)をかけるわ」

「じゃあ奴が翼を広げたらかけてくれ」

「分った」


回復・支援担当のマリンと前衛のチャデが話す。

マリンは白黒ブチの毛並みを持つ猫人で、小柄なので年下のエカと身長が変わらない。


「反射が発動した瞬間に横へ飛ぶから、エカとクロエ2人がかりで追い打ちかけてくれ」

「「OK」」


チャデの指示に、エカとクロエが応えた。


「じゃ、行くぜ!」


打ち合わせが終わり、チャデがダッシュからの斬撃を浴びせて、ボス攻略が始まった。


ボスの通常攻撃を、チャデはその怪力で難なくはじき返す。

やがてボスが怒り出し、甲高い声を上げて両翼をバッ!と広げた。

それを待っていたマリンが、チャデに反射魔法をかける。


攻撃反射(リフレクト)!」

「グエッ!」


両翼を2つの刃に変化させてチャデに突き出したボスは、そのまんまの勢いで反射を食らう。

折れた刃物が自分の胸に突き刺さり、苦痛の声を上げた。

その瞬間にチャデは横へ飛び、エカとクロエの魔法が発動する。


氷の乙女(セルシウス)!」

氷の槍(アイシクルランス)!」


氷属性の上位と中位、2つの攻撃魔法が同時に直撃した。


「………」


凍結が始まり、ボスは嘴を開けて白い息を吐いた後、白目をむいて動かなくなる。

やがて完全に凍り付き、ボスは大きな音を立てて倒れた。


「よっしゃあ!」


チャデが拳を突き上げて勝利を告げる。


「おめでとう! 合格だ!」


試験官を務めたOBが倒れたボスの生死を確認して、合格を宣言した。


この合格で、パーティメンバー全員が初級クリア。

ダンジョン最奥には終点ボスと呼ばれる巨大魔物がいるそうだけど、それは初級じゃなくて中級になるらしい。

エカたちは、明日から中級ダンジョンがある夏の森へ行けるようになったよ。

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