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第23話:黒猫美女とマッチョな茶トラ

その後もエカはクロエとチャデたちのパーティに加えてもらい、ダンジョン実習で前衛との連携を学んでいった。


一緒に行動するようになって分かったのは、クロエとチャデが凄く仲良しだって事。

エカがその事をフィラさんに話したら、いつか父さんと母さんみたいに一緒に暮らし始めるかもねって微笑んでたよ。

エカもアズもまだ子供だから、その意味を分ってないみたいだけど。


…というかアズは、美味しい魚の煮付けを夢中で食べてて、話は聞いてなさそう。

学食でもそうだけど、アズの食欲が凄い。

エカの倍以上食べてて太らないのは、それだけ武道科の運動量が多いのかもしれない。


アズは相変わらず夜中にコッソリ出かけて、夜明け前に帰ってる。

エカはその事は誰にも話さなかった。



春の森・百花の洞窟。

様々な花々が咲き乱れる、風景が綺麗なダンジョンでの実習。

今日は、チャデとエカの連携トレーニングだ。


チャデが魔物の方を向いたまま、後ろ手でハンドサインを送ってくる。

エカはそれに小さく頷き、連携が始まる。


石の矢(ストーンアロー)!」


チャデが屈んだタイミングで、エカは下位土魔法で攻撃。

石で出来た矢がチャデの頭上を通過して、その先にいる鳥型魔物を直撃した。


「ケーン!」


甲高い叫び声を上げて、鳥型魔物が落下する。

この洞窟は地面を覆うように花が咲いてるから、落下の衝撃で花弁が舞った。


茶色い斑模様で尾が長いその鳥型魔物は、フェザントと呼ばれるもの。

飛び上がって顔面めがけて蹴りを入れる攻撃が特徴だ。

チャデはその飛び蹴りを避けて屈み、エカが空中に浮いて無防備になったフェザントを石の矢で貫いて倒した。


「お見事。チャデとエカの連携も仕上がってきたね」


付き添いのOB冒険者が褒めてくれた。


「この魔物はヒラヒラ揺れる布を見ると、下から忍び寄って垂直にジャンプしてくるの。以前、異世界人の女の子がスカートをめくられて『変態鳥!』って叫んでたわ」

「異世界人は毛皮着てないからな~。猫人なら服なんて只の飾りだから、めくられても平気だけど」


クロエとチャデが災難な?異世界人の話をしてる。


「そうね~、私だったら毛皮があるから平気ね」

「クロエの場合は、フェザントの接近なんて俺が阻止するけどな」


…あれ? 周囲に花が見えるよ?

百花洞窟だからかな?

引率のOBと回復役の生徒が、ちょっと苦笑してるのはなんでだろう。


スカートめくりの魔物。

異世界人は世界樹の民と身体の構造が似てるそうだから、ローズやエアが被害に遭わないように召喚獣たちに報せておこう。

まあ、里の外では猫人になってるから大丈夫そうだけどね。


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