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第21話:カギシッポのお姉さん

その日以来、アズは真夜中にいなくなるようになった。

出かける姿を見かける事は無く、気が付くといない感じ。


アズの召喚獣ベノワに念話を送っても、応えてくれない。

エテルの街でデルフィナに水神様の元へ連れて行かれた時は、映像まで送ってきたベノワ。

なのに、今回は全く何も伝えてきてくれない。

その事をエカに言ったらちょっと考えて、何も聞かない方がいいのかもという結論になった。


朝になる前には帰って来て睡眠はとってるし、食欲は今までより旺盛なくらいだし、健康に問題無いなら気にしなくていいのかもね。



飛び級する準備期間が過ぎて、エカは高等部に移った。


「うちの家族が迷惑かけて、ごめんね」 


高等部初日の休憩時間、エカは初対面の猫人に謝られた。


何の事かはすぐ分ったよ。

謝ってきたのは短毛黒猫人、そのシッポの先は直角に折れ曲がってたから。


「もう気にしてないから大丈夫だよ」


言葉通り、エカはもう気にしてない。


もともと細かいことは気にしない性格なのもあるけど、上位水魔法に驚愕した三人組が、以後1ヶ月は大人しくなっていたからね。


「私はクロエ。中等部にいたのは妹のクロミとその幼馴染よ」

「え?! アイツ…じゃなかったあの子、女の子だったの?!」


妹という単語に、エカもボクもビックリだ。

口調が男子っぽいし、猫人はパッと見ただけじゃ性別不明だ。


「あれでも一応3人とも女の子なのよ。ごめんね、お転婆たちで」

「う、うん」


男子だと思い込んでたから、エカは苦笑するしか無かった。



妹と違って、姉のクロエは穏やかで親切な猫人だった。


「エカは初ダンジョンね。一緒に組みましょう」


ダンジョン実技初日、他の生徒たちは既にパーティを組む相手がいる中、来たばかりのエカが戸惑っていたら誘ってくれた。


「エカは杖無しで上位魔法が使えるの?」

「うん」


一緒にダンジョン実習の装備を借りに行ったクロエは、杖を持たないエカに聞く。

エカが杖無しで上位水魔法を使って的を粉砕した事は、妹クロミから聞いていたらしい。


「みんな、準備はいいかな?」

「はーい!」


校庭に集まる一同を見渡して、先生が聞く。

武道科、攻撃魔法科、聖魔法科の先生が来ていて、声をかけてるのは声が大きいのが自慢の武道科の先生だ。

声を揃えて答えた生徒たちの中に、エカやクロエもいる。


高等部のダンジョン実習は、講師として冒険者になった卒業生が付き添い、体育学部武道科の生徒が前衛、魔法学部攻撃魔法科の生徒が後方火力、医学部聖魔法科の生徒が回復を担当するパーティ編成になっていた。

人数については、メンバーの能力やダンジョン難易度で変わるみたいだよ。


「では、出発!」


先生の号令で、生徒たちは春の森に入ってゆく。

目指すのは、初級ダンジョンだ。

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