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第18話:カギシッポはマナを集める

翌日、エカは初等部から中等部に飛び級して授業を受けていた。

アサケ学園の魔法学部では、初等部で魔法の発動と操作の基礎を学び、中等部はその応用を学ぶらしい。


「入学間もないのに飛び級したのは、お前か」


初等部の担任に絶賛され、中等部へ送り込まれたエカは、休憩時間に一部の同級生たちに絡まれてしまった。

最初に話しかけてきた短毛黒の仔猫人が、リーダー格だろうか。

一緒に、クリーム色と黒白の仔猫人たちもいる。


「うん。先生に言われたからこっちに来たよ」


ケロッとしてエカは答える。

絡まれてる事は勿論分かってるけど、ここでビビッたりしたら舐められる事も分かってた。


「初めての実技で火球を出して操ったって?」

「うん。出来たよ」


フサフサした長毛の黒白仔猫人が聞いてくる。

エカは無邪気な様子で答えた。


「お前その赤い毛色、火属性の召喚獣持ちだな?」

「うん」


クリーム色で耳とシッポだけ焦げ茶の、短毛仔猫人が聞いてくる。

この毛色は、異世界人から【シャム柄】と言われて毛色名として定着しているものだ。


「どうせ召喚獣にやらせたんだろ」

「え?」


黒仔猫人が睨んでくる。


言いがかりだ。


「召喚獣に力を使わせて、自分が魔法を使ったフリしたんだろ」


フサフサ黒白仔猫人も言う。


何言ってるんだか。

ボクは何も手伝ってないし、外に出てすらいなかったよ?


「召喚獣は出してなかったけど?」


エカが首を傾げる。


召喚獣は、主の手の中に入ってる間は能力を使えない。

赤ん坊の頃からみんな召喚獣持ちの世界樹の民なら誰でも知ってる。


もしかして、一部の者しか持たない猫人の中では、召喚獣に関する知識は広まってないのかな?


「召喚獣を隠してコッソリやらせたんだろ」

「なんでそんな事する必要ある?」


いちゃもんが止まらない。

さすがのエカも、少しウンザリしてるのが感じられた。


「そんなに言うなら実際に見れば? この後、実技だろ?」


教室の壁にかかった時計をチラッと見て、エカは言った。

彼にしては珍しく、イラッとした口調だ。


「言ったな?」 

「お前のインチキなんかすぐ見抜いてやるからな」


絡んだ仔猫人たちが怒ったらしく、首の後ろやシッポの毛を逆立てて言う。


「大体、カギシッポも無いくせにマナを簡単に集められるわけないだろ」


リーダーらしき黒仔猫人も、毛を逆立てて言った。


「カギシッポ?」


謎の単語にエカが首を傾げる。


よく見れば、黒仔猫人のシッポの先が、直角に折れ曲がってる。

あれがカギシッポかな?


「そんな事も知らないのか。カギシッポはマナを集めるから、優秀な魔法使いの証なんだぞ」


フフンッと小馬鹿にしつつ、自慢する黒仔猫人。


知らないけど。


エカはそんなもん無くても優秀だからね。

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