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第17話:初等部と中等部

「そっかあ、もう魔法が使えるようになるって凄いね」

「そういえば、長老様が『エカならすぐ魔法を使えるようになる』って言ってたね」


お昼休み、エカたち世界樹の子供たちは学生食堂でランチを食べながら雑談してる。

エカは昼食のカツカレーをモグモグしながら女の子たちの会話を聞いていた。

カツカレーは昔、ニホンという国から来たという異世界人が、アサケ王国に広めた人気料理だ。

エカたちは仔猫人の姿に変身したまま、料理を上手に食べている。

1年かけて練習した甲斐があって、4人とも普通の猫人と変わらないくらい、この姿で食事が出来た。


「先生がビックリしちゃってさ、初日からいきなり飛び級しないかって言われちゃったよ」


完食して食後のお茶を飲みながら、エカは告げる。

実技の授業初日から魔法が発動出来た上に威力もそこそこ調節出来たエカを、先生は天才だと賞賛して中等部への進級をオススメしていた。


「そういえば、アズも既に魔法を使えるよね?」

「うん。でも俺は武道科だから、魔法が出来ても飛び級は無いよ」


バナナの皮をむく手を止めて、ふと思い出したようにエアが言った。

同じくバナナを手にしたアズが、それに答える。

このバナナという果物は、タイワンという国から来たという異世界人が伝えたものらしいよ。


タワバ狩りを夢見るアズは、冒険者を目指す子が入るという体育学部の武道科に入っていた。

武道科では、あらゆる武器を使った武術から素手での戦い方まで、色々な武術を学ぶらしい。


「エアも治癒魔法が使えるよね?」

「使えるけど、薬草科だから飛び級とかは無いみたい」


アズも聞いた。

エアは、医学部の薬草科に入っている。

薬草科では、薬になる植物の知識の他に、ハーブを使った飲料や料理も学べるそうだよ。


「ローズも防壁魔法が使えるけど、音楽科では進級に関係無し?」

「うん。防壁を使って指定範囲だけに音を響かせるのには使えるかもねって言われただけ」


エカとローズはオレンジを食べながら話してる。

オレンジはアメリカという国から来た異世界人が広めたもので、果肉だけでなく皮も砂糖漬けにして食べられるので、無駄の無い果実として人気があった。


ローズは芸術学部の音楽科に入っている。

音楽科では、楽器演奏や歌の他に、歌を使った支援魔法を学ぶらしい。


「じゃあ、飛び級は俺だけ?」

「そうみたいだね」

「エカなら大丈夫!」

「頑張って~」


それぞれ目指すものに向かって進み始めた子供たち。

飛び級は今のところエカだけだった。

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