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第8話:春の街プラン

エカたちが初めて訪れたのは、プランという名の街だった。

お店も民家も花を飾っていて、そこから良い香りが漂ってる。

道は掃き掃除されていて、清潔な感じがするよ。

プランは春の街とも呼ばれるそうで、この辺りはポカポカと温かく穏やかな気候の地域だ。


プランのもう1つの呼び名は「花の街」

色とりどりの花とその加工品が特産だ。

さっきごちそうになった花の砂糖漬けは、外国からも買いに来る人がいるほどの人気商品だそうだよ。

他にも花のお茶やジャムがよく売れるらしい。



「君たちのパパやママにお土産を買ってあげるニャン。選んでくれるかニャ?」

「「「「はーい!」」」」


中央広場の市場で王様に言われて、みんなワクワクしながらお店を見て回った。

ボクたち召喚獣は邪魔にならないように、それぞれの主の右手の中に隠れて眺める。

世界樹の里では姿を現したままな事が多いけど、ここは混雑してるから隠れる事にしたよ。


「私、これにする! 日替わりで違う味と香りが楽しめるって素敵でしょう?」


ローズが選んだのは、7種のお茶セット。

様々な味と香りが楽しめる花のお茶。

里長夫妻は庭の花を眺めながらティータイムを楽しむ習慣があるから、お茶は喜びそうだね。


「私はこれ! お祈りの時に皆で香りを楽しめると思うの」


エアが選んだのは、花の香りを抽出した香油。

それはキャンドルで熱した水に1滴垂らすだけで、上品な花の香りが漂う物。

巫女は祈祷の際に香油を使うから、必需品だね。


「エカとアズもそれぞれ選んでいいニャン」

「「いいの?!」」


双子のエカとアズは2人で1つかと思って土産選びの話し合いをしてた。

王様が気を利かせて声をかけてくれたので、それぞれ張り切って選び始める。


「じゃあ、俺はこれ!」


エカが選んだのは、花の砂糖漬けセットだ。

最初に試食したの、美味しかったものね!


「俺はこれ」


アズが選んだのは、ローズと同じ花茶セット。

多分エカの土産と一緒に楽しめるから選んだんだろうね。



お土産を選んだ後、エカたちは王様に屋台の食べ物や飲み物を買ってもらった。

もはや王様というより、孫を連れて来たおじいちゃんみたいになってるよ?


やがて夕方になり、王様とエカたちは街を出た。

帰りの転送陣(ゲート)は来た時のものではなく、枝葉に隠れたところにある。

高い位置にあるから、王様はドナベに、エカたちは召喚獣に乗って飛んで通った。


「あ~楽しかったぁ!」

「楽しかったね!」


夕焼け空を飛んでいると、エカとアズが満足そうに声を上げる。


「来週はまた違う街を案内するニャン。街はあと3つ、楽しみにしててニャ」

「「「「本当?!」」」」


国王からの嬉しい告知に、子供たちみんなの声が重なった。

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