世の中は世知辛い
この森に住み始めて1週間が経過した。
なんで1週間が経過したかわかるか、というと画面に日付が表示されるからだ。
プラス森の外では何が起きているのかを教えてくれる、元母国の件もだ。
元母国は私がいなくなった直後から大騒動になっているらしい。
まず私が大衆の前からいきなりいなくなった事でザワついた事で処刑は中断したらしい。
その後、何故か国民に『ある事実』が知り渡ったらしい。
それは、あの日処刑されるのは私だけだった、という事。
両親は国と取引をして処刑を免れていたらしい。
取引とは『全ての罪を私に押し付ける』という内容だった。
私が裏で両親を操っていた、という事になっているらしい。
その提案をしてきたのは王太子だそうだ。
王太子は私との婚約が嫌で浮気して私が邪魔になって罪をでっちあげたそうだ。
……考える王太子も王太子だけど乗った両親も両親だ。
この事実を知って親子の縁とか国に対する思いとか全て流された。
「私一人だけ損をする事になっていたなんて……、まぁだからこそ今の暮らしがあるんだけどね」
元母国は国内外から総スカンを喰らっているそうだ。
地図から消える日もそう遠くはないか……。
一方で私がいるこの国では問題が起きているらしい。
つい最近までこの国では魔王軍との戦闘があったらしいが魔王を倒した事で解決したらしい。
じゃあ平和になったのか、と言えばそんな事は無い。
魔王が倒された事で魔物の数は減少、魔物狩りで生計を立てていた冒険者は失業の危機らしい。
更に魔族との関係にも頭を悩ませているそうだ。
「なかなかハッピーエンドとはいかないわね……」
現実の厳しさにため息を吐いたのだった。