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幕間
フローラとエリオがセイラージュ家から帰った後。
「シェーラ、エリオ君が無事で良かったな」
「えぇ、エリオを追放したと聞いた時は腸が煮えくり返りそうでしたわ」
「まぁ、上手く抑えてくれてよかったよ、おかげでロンバート家との縁を上手く切れた。あの家はこれからゆっくりと落ちぶれていくだろうね」
そう言ってロイラはニヤリと笑った。
「お兄様、黒い笑みが出てますわ」
「そうかい? そういえばあのフローラと言う女性、シェーラはどう思った?」
「あの方は信頼出来る方だと思います。佇まいや仕草、言葉遣いからかなり洗練していましたから。それに……」
「それに?」
「あの方が放つオーラ……、尋常ではない神々しさを感じました。もしかしたら神の加護を持っている方かもしれません」
神の加護、神に選ばれた者しか身につける事しかできない特別な能力。
「神の加護を持っているとしたら彼女の行動が我が国、我々に大きな影響を与えるかもしれないね、やはり彼女とは友好関係を作っておいた方がいいかもね」