大事になってた、そりゃそうだ
私はエリオ君からシェーラちゃんの住所を聞き出し早速手紙を書いた。
『シェーラ・セイラージュ様へ、突然のお手紙で申し訳ありません、私は現在貴方の婚約者であるエリオ・ロンバートを保護している者です。これは別に誘拐とか身代金とかの怪しい手紙ではありませんし貴女と敵対するつもりは一切ございません。エリオの今後の為にも貴方の協力が必要なのです。なので追放の森に来ていただけないでしょうか?森の入口に来ていただければご案内いたします、フローラ』
「こんな感じでいいかしら?」
一応怪しまれないように書いたけど大丈夫かどうかちょっと不安だ。
「現在の彼女の様子がわかれば良いんだけど……」
ダメ元で画面を出してみた。
するとニュースが現れた。
『ロンバート家、セイラージュ家の怒りを買う』
……物騒な見出しだが非常に気になる。
記事を読んでいくと、内容はわかった。
ロンバート家はエリオ君を追放後、シェーラ嬢に婚約者変更の打診をしたそうだ。
その時にエリオ君を追放した事を自慢気に話したのだ。
……自分の子供を追い出した事を自慢気に話す事に常識を疑うがシェーラ嬢はどうやら常識をちゃんと持っていたらしい。
勿論、そんなふざけた提案を一蹴したどころか『エリオを見つけないと家ごと潰す』と笑顔で宣言したらしい。
……エリオ君、愛されてるね。
セイラージュ家の当主も『貴族としてでもそうだが親としての人格も疑う、国王にお伺いを立てる』とも言われた。
お伺い、即ちお家取り潰しの可能性があるのだ。
で、絶賛捜索中だが勿論見つかっておらず、という事だ。
う〜ん、かなり大事になってるけど自業自得だろう。
「手紙を出そうかと思ったけど直接会った方が早いかもしれないわね」
面倒くさいけど私はセイラージュ家へ行く事を決めた。




