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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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夢シリーズ

繰り返される死の空間

作者: レスト
掲載日:2022/05/10

 閉鎖空間である。

 まるで脳をくりぬいて、ひっくり返したような部屋の形だった。

 全体は丸みを帯びて、いくつかの「神経」の壁で仕切られ。脳幹に当たる部分だけは突き上がっている。

 私は、彼女が死にたいと願うまさにそのことによって。

 その願いに呼応する形で、きっと閉じ込められてしまった。

 これは何なのか。罪か。罰か。

 並行世界の彼女が一つ死にたいと願い、実行するたび。

 一人の彼女が死ねば、私も一緒に殺されてしまう。

 だが次の瞬間には蘇っている。

 並行世界も無数にあり、私もまた無数にいるからだろう。

 私の記憶は連続している。痛みは残り、吐き気がし、胃は煮えくり返るが。

 しかし、狂うことは許されない。

 もう幾度になるかの死を与えられた後、私はついに復活直後に吐血した。

 胃液をすべて血に変えたような、嘘みたいな凄まじい量だ。

 でもそれだけが私を再び殺すことはなかった。

 胃が沸き立っている。喉がからからだ。思考の整理など付かない。

 とにかく苦しい。苦しい!

 殺人鬼がナイフを持って、部屋を歩き回っている。私を見つけると、のっぺらぼうが歪んだ。

 ふらふらとする足取りで、私は必死に逃げた。

 追い付こうともせず、しかし決して逃がさない速度で。殺人鬼は私を追い詰めていく。

 脳幹に追い立てられていく。その先端、最上部へと。

 いつしか殺人鬼はいなくなっていた。

 代わりに、沸騰した血の激流が脳室の底からいっぱいに吹き上がってくる。

 既に端まで追い詰められた私に、逃げ場などなかった。

 ついに猛る血の濁流が下半身を呑み込んだ。

 私はせめて脳幹の壁に捕まって、溺れないように耐えることしかできない。

 熱い。熱い。熱い。

 茹で上げられる肉体と焼かれる精神。

 今度は容易には死ねなかった。

 ああ、助けてくれ。

 この苦しみはいつまで続くのか。この咎に果たして終わりは来るのか。

 誰にもわからない。

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