あとがき
この作品はTS物としては、かなり異色の作品でした。
TS物の醍醐味といえば、性別が変化することに伴って精神も変化する過程にあると思います。
どういうことか、わかりやすく仮のセリフでご説明してみますね。
「お前、なんつーか女の子になってから、本当に可愛くなったよな。」
「か、かかか・・・可愛いとか言うなっ!。」(な、何でこんなにドキドキしてるんだよっ!バカバカバカっ、俺のバカ!お前は男に戻れるかもしれないんだぞ。しっかりしろ!)
↑これですわ。わかりますよね?
こういう過程が本来、TS物の醍醐味ですね。大体、TS物っていわゆる「メス落ち」の過程に悶ながら楽しむ物で、メス落ちが終わったあとは、惰性で続く展開になったり、終盤に入った証拠です。
本作品の主人公は初っ端からTSを受け入れていて、更に男性を愛し、愛されたいと思っています。初っ端からクライマックスなのですが、これには理由があります。
それは、狙っている読者様の対象が違うからです。
TS物を愛する読者様は、大きく分けて2タイプです。
1女騎士や男勝りな女の子のメス落ちを愛するのと同じベクトルの感情で読む読者様
2自身もTS娘になって男性から愛されたいと願っている読者様。TS娘に自己投影する。
本作品は特に2のファン層を狙った作品です。だから、最初からメス落ち完了でも問題が無かったのです。
この作品を作るときに気をつけたことは、主人公は、誰からも愛されるようなかわいい女の子として描きました。2のファン層がこんな女の子になりたいっ!って憧れるようなキャラクターに仕上げ、読者様が自己投影して夢を見られるキャラクターでなくてはならなかったのです。主人公に名前のない理由はこれです。貴方だと思ってくださいと言う思いを込めて主人公を作りました。喜んでもらえたのなら私の狙いは成功でとても幸いです。
そして、主人公が可愛すぎたので、結果的に他のファン層からも愛される作品に仕上がったのかな?と、個人的に分析しています。
そして彼氏役の誠一はとてもタフガイです。TS娘を守れる王子様でないといけないからです。
まぁ、バカなのは、許してくださいね。
誠一もTSが無ければ二股状態になりませんでしたけど、実は、一度、京口沙也加とはちゃんと別れているので厳密に言うと二股関係ではありません。作中でも言いましたが二股状態に近い形になったのは、誠一が恋愛に対して誠実だったからです。
そして本来は3、4話で終わるつもりの話が伸びに伸びたのは、その京口沙也加の存在でした。すっごい動くんですよ。彼女。だから、こっちが引っ掻き回されて伸びに伸びました。途中で「これ、まともに書いたら40話くらいになっちゃう!」と思って慌てて最後は畳み掛けました。凄いキャラクターですね。もう二度と彼女のようなキャラクターは生み出せ無いかもしれません。
彼女の存在が主人公を女の子として成長させたと言っても過言ではありません。
最後に誠一がどちらを選ぶかは作中で語りませんでしたが、まぁ、絶対に主人公が選ばれます。
そうでなければTS物を描く理由なんかないですから。
TS娘が幸せにならない物語なんか書いたって面白くもなんともない。
この作品は引き延ばしをしないように、その過程を描くまで書きませんでしたが、主人公が選ばれることを宣言しておきます。
さて、まだまだ話しておきたいこともあるのですが、あまり話が伸びても不細工ですから、この辺で。
それでは、最後までご愛読いただきました読者の皆様。本当にありがとうございました!




