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10/13

ボク達は最高にロックだよね

このままいけば、PV数5000を超えられそうです。

底辺作家の私にとっては大成功なのです。

だから以前から言っている通り、頑張った自分に対するご褒美と読んでくださった読者様への感謝をこめて、プロ・アマ問わず声優さんを募集して自費制作によるボイスドラマを作りたいと企画しています。

詳しくはTwitterアカウント@kokushintanにて。

まぁ、所詮個人の出費なのであまりお金は出せませんが、よろしくお願いします。

とてもとても悲しい時間が過ぎました。

涙でボロボロになりながら家に帰りついたボクをお母さんは、何も言わずに抱きしめてくれた。

お母さんは、詳しい事情は知らない。何も知らない。

でも、わかるんだね。お母さんも女だから。

ボクになにがあったかわからなくても、ボクが何について泣いているのかわかってくれている。

だから、お母さんは何も言わずにボクを抱きしめて、お風呂に入るように言ってくれた。

脱衣場の鏡に映る僕は真っ赤に目をはらした濡れウサギのようにとても惨めったらしい。

帰り道が薄がりでよかった。

こんな顔を他人に見られたくないもの。

体を洗って汚れを水で流すように、この悲しみも洗い流せたらボクはどんなによかっただろう。

でも、こんな思いをさせた誠一を好きになった気持ちは洗い流したくないの。だから、悲しみを洗い流せなくても構わない。誠一をこれからもずっと好きでいるためなら、こんな痛みは何でもないのよ。

誠一。大好き。

ボクは君をいつの間にか愛してしまった。

ただ、喧嘩っ早い頼りになるだけの男友達だったくせに、ボクのこんなに深いところへ住み着いた君。君への思いからボクは逃げたくないわ。

ボクは自分に言い聞かせるようにして、今ボクたちが置かれた状況から逃げ出したくなる気持ちを抑え込む。

もう逃げないわ。誠一。ボクは君への愛があれば、乗り越えられもの。

でも、どうして側にいてくれないの?

どうして京口さんについたの?

・・・・・知ってるわ。あの場はそうするのが正しいってことくらい。でもね、でもね。

ボクだって女の子なんだよっ!

ボクだってか弱い女の子なんだよっ!お願い。誠一、ボクのそばにいて。ボクだけを見ていてほしいの・・・・・。


その日、ボクはずっとお風呂場で泣いていた。お母さんは、「目が腫れてるから」って、お風呂上がりのボクに目を冷やすための氷袋を渡してくれた。それ以外は何も言わずに・・・・・。

・・・・ありがとう。お母さん・・・・。



昨晩、ボクの涙で腫らした目は、翌朝は真っ赤ではあったけど、さほど腫れていなかった。

「は・・・・ははは・・・・。」

ボクは、自分の顔を見て力なく笑う。

いやだ。こんな顔を誠一に見られたくないよ。

誠一には綺麗なボクだけを見てほしいの・・・・・。

ボクは鏡に映った自分を見てそう思っていたのに、今朝も誠一はボクを迎えに来てくれた。

「誠一っ・・・・・!!」

ボクは、腫らした目の事なんか忘れて、玄関を駆けだして誠一に抱きついた。

誠一はボクがずっと抱きついたままなのに、文句も言わずにただ立ち尽くしていた。

「・・・・・誠一・・・?」

ボクが不審に思って誠一を見上げると、誠一はとても悲壮感に溢れた顔をしていた。

どうして?

どうしてそんな顔をしてるの?

ボク、何か悪い事した?どうして何にも言ってくれないの?

「行こうか・・・・?」

誠一は心配そうな僕の顔を覗きながら、そういった。

どうして・・・・・何も言ってくれないの?

ボクはあれからずっと泣いていたんだよ・・・・・ずっとずっと、一人で泣いてたんだよ・・・。

誠一が自転車をこぎ出せば、ボクも合わせて自転車をこぎ出す。

ボクが誠一の横に並ぶと、誠一は優しく笑ってくれた。

ボクはそれだけで幸せ。

それだけでボクは嬉しくって満面の笑みをこぼしてしまうのさ。

今のボクには誠一以外、要らないの。

この道が永遠に続けばいい。ボクと誠一は永遠に自転車で並んで走っていればそれで幸せなんだから・・・・・・。

でも、誠一はボクを現実に戻す。


「昨日、沙也加と話し合ったんだ。」

やめて・・・・。今はボクと二人の時間だよ。

京口さんの話なんか聞きたくないよ・・・・・。

「俺はさ。お前と同じ考え方だったんだ。

 お前と()()()()()()()会話をして、お前と笑っていたかった。

 お前を抱きしめて、キスして。お前が俺を受け入れてくれるのを待っていた。

 でも、・・・・・それじゃダメだったんだ。

 ・・・・・・俺は3か月もしたら、防衛隊に入って戦場に出るんだから‥‥。」

・・・・誠一・・・・。

君は夢から覚めてしまったんだね。もう、日常には戻れないんだね。

「沙也加の言う通りだった。俺はもっと早く、・・・・

 お前たちが傷つかないように決断しないといけなかったんだ。」

・・・・うん。

わかったよ。誠一。

そういう事だったんだね。君は決断したんだ。

だから、恋人のボクを迎えに来てくれた時の君は、そんなに悲壮感にまみれていたのか。

バカだね。君は、ボクは・・・・・ボクは・・・・・・

ボクは耐えて見せるよ。君のために。

君がもう、辛い思いしないように・・・・・。

「・・・・・・いいわよ。言って。スパッとやっちゃってよ。京口さんになら、誠一を任せられるわ。」

ボクは精一杯の強がりを言う。

そんなわけないじゃない。ボクはもう、きみを誰にも渡したくなんかないよ。

でも、君のために。君のためなら・・・・ボクは、どんなつらい事だって耐えて見せる。

どんなに悲しくったって君を不安にさせないために微笑みをたたえたまま、君を見つめてあげる。

だから、言って。言っていいんだよ。

京口さんをまだ忘れられないんだって…‥。


覚悟を決めたボクを見て、誠一は、目を細めながら「お前な。最近、時々完全に女言葉になってるって気が付いてるか?」と、いった。

・・・・・・うん。ボクね。君を好きになってから、女の子らしくなっていく速度が上がってるの。

誠一、君のおかげだよ? 君のおかげでボクは女の子らしくなったの…‥。

ボクは誠一をジッと見つめ返しながら、微笑み返す。

でも、誠一はプイッとボクから目を背けると

「・・・・お前の予想は的外れだ。俺にお前と沙也加のどちらかを選ぶなんてできない。」

といった。

・・・・・・・・・・・え?

「どっちが大事なんてハッキリ言いきれたりなんかするもんか。

 俺はその時その時、本当に二人のことが好きだったんだ。

 そりゃ、どっちかと言えばお前の方が好きだ。なんてったって、子供の頃から。

 ・・・・お前が男だって好きになっちまうくらいな。

 でも・・・・そのせいで沙也加を泣かせちまったのは事実だ。説得しようとも思った。

 一度別れた相手だ。わかってくれると思ってた。

 でもそれが無理なほど、あいつが俺のことを好きになってくれたなら、俺は、あいつを裏切れない。裏切れるわけがないんだ‥‥。」

「だから・・・・・な。俺は二人とも選ばない。選べない。」

・・・・・な、何を言ってるの?

もしかして・・・・きみ。君は一人ぼっちになってしまってもいいって言うの?

「ああ。俺はどちらも選ばないよ。お前ら二人とも俺は本気で好きだったんだ。

 俺は選ばない・・・・。だからさ、お前も沙也加も俺の赤ちゃんなんか、産もうとか考えなくていいんだ…。

 元々、俺の気の迷いだったと、忘れてくれよ。」

・・・・・・・なっ・・・・・・

・・・なにを勝手なことを・・・・ふざけないでっ!!ふざけないでよっ!!!

「何言ってんのよっ!!誠一のバカっ!!こんなに好きにさせといて、何を言ってるのよっ!!

 私っ!!・・・・私・・・・私、誠一のことが好きよ。大好き!!私は2番目でもいい。

 だから、お願いっ!!

 ・・・・・・・・・・私を誠一のそばにいさせてっ!!!」

ボクは・・・・・・私は自転車をこぐのも忘れて誠一に抗議した。ずっと側にいさせてと・・・・。

誠一も自転車を止めて「沙也加もそういったよ・・・・お前もやっぱり、そういうのか・・・・・」といった。

当たり前じゃないっ!!そんなの当たり前でしょっ!!

ボクがどれだけ、君のことを好きだと思ってるの?京口さんが君のことを好きだと思ってるの?

ボク達二人が誠一のことをあきらめるなんて何で思ったのよっ!!

「・・・・だよなぁ。そう言うと思ったよ。・・・・これでわかったろ?俺のツラが悲壮感にまみれている理由が・・・・さ。」

誠一は、ほとほと困った顔で天を仰ぐのだった。

当たり前よっ!!バーカっ!!こんなに好きにさせた責任取ってよね!

ボクは君を許さないの。絶対に、君を一人になんかさせてあげないんだからねっ!!

ボクは、涙をボロボロとこぼしながらも誠一に向かって満面の笑顔を見せる。

ボクは、この3か月。君に楽しい思い出を作ってあげるんだからね!!


学校につくと、京口さんはボクに抱きつくと、何度も何度も「ごめん、ごめんなさい。」って謝って泣いた。

もう、仕方ない子だね。

ボクは、京口さんが泣き止むまで、ヨシヨシするのだった。

でも、それで結局、どうするの?ボク達これから。これまで通り、生活するの?

「そんなのダメよ。そんなの逃避じゃない。現実から逃げ出すなんてロックじゃないわっ!」

京口さんは、そう言って反対するけど、じゃあ、どうしようっていうのさ。

ボク達は、答えも出ない課題に頭を抱える。

誠一は、どこか諦めたように空を見ていた。

遠く、白い鳥が飛んでいた。

・・・

・・・・・え?

・・・・・・・・ちょっとまって、京口さん。

待って、京口さん。君、さっきなんて言ったの?

ボク、思いついちゃったよ。どうすればいいか。




「・・・・・・ねぇ・・・・・逃げ出したら、ダメなのかな?3人で・・・・・・・。」


ボク達3人は、今まで考えたこともなかった打開策を見つけてしまった。

京口さんは目を輝かせながら言った。

「それって、ボニー&クラウドよりもステキじゃない?ロックだわっ!!」

「でしょっ!!」

「「ねぇっ!!誠一は、どう思うっ!?」」

ボク達、二人は誠一に答えを求める。いや、脅迫だよ、これは。

ボク達をこんなに好きにさせたんだから、君は責任を取らないといけないの!

君に拒否権なんかないんだからねっ!!




15歳の秋のはじめ。ボクは、恋敵と共に恋人に逃避行を迫るのでした。

「これって、最っ高にロックだわっ!!」って、ボクも叫んじゃうんだからっ!!























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