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決意

登場人物




ヌーザッカ 魔族の指揮官?敗戦の責任を問われる




スグゥーエン ヌーザッカの上官。閣下と呼ばれるだけあってかなりの権力者と思われる




ユージーン 綿あめのような形をしたモンスター?魔族?

「面をあげろ、ヌーザッカ」


 綿あめ風の魔族ユージーンが命令口調でいう。

 不服そうな顔でユージーンを見るヌーザッカ。


「ワタクシの魔力カウンターがかつてない波動を記録していた」


 ユージーンには目鼻口、顔の部品がいっさいない。

 ただの白いムクムクした塊だ。どうやって発声してるのか?いくら魔族とはいえ不気味な野郎だ、ヌーザッカは常々そう感じている。


「それで?」


 ヌーザッカは口を尖らせている。

 どうにもユージーンが気にいらない。


「この波動を記録したのはおそらく三百年ほど過去のこと。それ以来だ」


「つまり・・どういう意味で」


 ヌーザッカは投げやりな感じでユージーンに訊く。


「かなり強大な戦力、有史以来の強敵が、人間どもに加わった。そういうことだ」


 ユージーンの代りにスグゥーエンが、直じかにヌーザッカの質問に答えをだした。


「い、いや──」


 異議アリ、ヌーザッカはそう言いたげだった。


「──そ、そんな兆候は今までま、まるでなく・・お、おそらくユージーンの魔力カウンターが狂っていたのでしょう。現に、ずっとヤツらのテリトリーをし、侵略し連戦連勝。このたびたまたま負けたのみ、そんな猛者の登場など、まずあ、ありえ」


「ヌーザッカ!」


 スグゥーエンの声は不思議だ。

 決して怒鳴ってるワケでもない、それなのに得体の知れない威厳があって聞く者を畏怖させる。


「現状を見ようとしない。貴様の悪いクセ」


 力強く言い放つスグゥーエン。


「か、かたじけな、ない」


 再び頭を下げるヌーザッカ。


「ヌーザッカよ。久々に最前線にでる、そんな考え貴様にはないのか?」


「最前線ですか・・」


 ヌーザッカの声が小さい。


「下級魔族に丸投げで、怠けすぎ」


 ユージーンのバカにしたような口調。

 ヌーザッカが上目遣いで睨みつける。


「早速、我みずから前線に」


 ヌーザッカは神妙な顔で答えた。


「良い報告を期待しておるぞ」


 その言葉を最後にスグゥーエンの気配が消えた。


「期待しとるぞ、期待しとるぞ」


 ユージーンが囃したてる、ヌーザッカの頭上を小馬鹿にしたように旋回している。


「黙れ綿あめ野郎!」


 ヌーザッカは腕をビュンっと下から振りあげた。

 紫色のレーザー光が彼の手から弾けだし、ユージーンめがけて突きすすみユージーンに命中した。ユージーンは白い粉をぶちまけたように跡形もなく飛び散った。


「ははは」


 再びユージーンの笑い声が響く。

 ヌーザッカの背後でプカプカ空中に浮いていた。


「スグゥーエン閣下を亡き者にせぬ限り、ワタクシを消滅させるなど不可能」


 ユージーンの声、いかにもウキウキしている。


「閣下とワタクシは一心同体。トカゲが尻尾を切られても再生するように、閣下という本体を潰さぬ限りワタクシをこの世から駆逐することは敵わんのだよ」


「知ってるよ、そんなこと」


 ヌーザッカは吐きすてた。


 その後もしばらく、ユージーンはヌーザッカのまわりを浮遊して彼のことをからかい続けた。

 それどころではなかった。


 憑依魔法を施したシールド──そう容易く敗れまい。

 タカをくくっていた。

 最近、人間どもを舐めていた。かなりのランクの冒険者が向こうにはいる、そう考えざるをまい。ヌーザッカは立ちあがった。

 暗澹たる気分だった。

「面白い!」「続きが気になる!」「更新がんばって!」



と、思ってくださったら、





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