予言
登場人物
河島真司 この物語の狂言回し、主人公。陰キャ。【聖魔の紋章】というRPGにハマってる
母ちゃん氏 真司の母親。口うるさい
ミラ 赤いショートヘアーの西洋風の美少女。勝気な性格
お師さん 名前からするとミラの師匠か?仙人のような風貌
ヴァイス ヒゲ面の男。強面に限らず気が弱い。
RPG【聖魔の紋章】をやり倒していたボク。
アグライドという言葉、聞き逃さなかった。
いわるゆ雑魚モンスター、茄子が水ぶくれになったようなナリをしていた。
そのアグライド、このごろ妙に手ごわくなり、魔剣を使っても倒せなくなっていた。
かなりの異変、一大事だった。
今、日本ともいえない場所で、赤ん坊の姿でミラとかいう見ず知らずの外国人?の女に抱かれている。それも異変のうちのひとつに違いない。
それならそれでいいや、そんな気分になっていた。
大好きなゲームの中で生きられる、リア充とは程遠い高校生活をしていたボクはどこか冷めていた。唯一、気がかりなのは母ちゃん氏だ。こっちに転生?する前、明らかに病気になっていた。
「そんなことはどうでもよろしい!」
ずっと黙っていた老人が毅然とした口調で言い放った。
「見てみろ、この子を」
老人は目を細めてボクを見下ろした。
「いい面構え、いかにも救世主だ」
ひげ面の男が寄ってきた。「そうですかねぇ・・」ひげを弄りながら言う。
「なんとなくひ弱に見えるけど」
ギョッとした。
確かに・・高校では陰キャなもんで・・思わず恐縮してしまう。
「でも、立派な紋章がある」
ミラはひげ面の言葉に不満そうだ。
「【聖魔章典】かぁ。アレ、話半分くらいに受けとったほうがいい。【ドラゴンの章】の予言、アレも当たらなかった」
「ヴァイスっ!」
老人が一喝した。
ミラもひげ面も直立不動、二人とも顔が引きつっていた。
「お前のその負け犬根性なんとかせいっ。パーティのサブがそんな辛気くさい顔さらしてたら勝てる戦さも勝てんわっ!」
「はい・・パーティーのサブ・・だいぶ人数減っちまったけど
」
ひげ面の男ヴァイスは消えいりそうな声で返事した。
「このボウズがただの痣のある捨て子か、それともこの山里、いや人間全体を魔族から助けたもう救世主か──一か月も経てばおのずと判明するわ」
「そうですよね、お師さん」
ミラが老人をまっすぐ見つめた。
「赤ん坊のお手並み拝見か・・」
ヴァイスはあまり納得してないようだ。
「我ら、ついに救世主を得たり。魔族どもの進撃もここまでぞ!」
老人は力強く宣言した。
そして、ボクの首筋の痣をそっと撫でた。
人間界を救う?
ずいぶんシリアスな話になってきたなぁ・・ホントにボクが救世主でいいんですかねぇ?
気が重いような、それでいて新しい世界が開けてくるような、複雑な気分になっていた。
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