表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/20

青鬼

登場人物


ヌーザッカ 魔族の元帥


三青鬼トリオ・ザ・ブルー・オーガ


ドゥームサップ 身長4m越えの青い肌の大男。スキンヘッド。シールド破壊が得意


ジズラル 生きものすべてに憑依、寄生する魔法トリックが使える女魔族。下品な言葉使い。青い眼帯で片目を覆っている。


ポルーショ 自称2047歳の意地の悪い老人魔族?相手の思考を読みとることができる。青い唇の持ち主。

「いったいコレはどういうことです?」


 スキンヘッドの頭をなでながらブツブツ言うドゥームサップ。

 この男はシールド破壊の達人だ。あの小僧のシールドもコイツなら打ち破れるかもしれない。


「こんな辺鄙なところにわざわざ呼びつけていただきやして」


 ポルーショは口元を緩ませ、ニヤニヤしている。

 この男はできれば呼びたくなかった。一種の思考盗聴のような魔法を使う。いや、はたして魔法といえるか?

 自称2047歳。

 あながち嘘とも思えない、顔の皮膚がたるんで目や鼻に覆いかぶさろうとしている。体力、運動能力は10歳並み、それでも乱世を生き抜いてこれたのはテレパシーのお陰だ。


「今ごろにはもう村を占領し酒盛りをしてるとか・・誰かサン言ってたねぇ」


 口を開けば憎たらしいコトばかり──目の前のアフロ女をヌーザッカは睨んだ。

 ジズラル──森羅万象ありとあらゆる生命体に憑依し、その能力を増幅させることにかけては一流の魔族だ。


「ビギィンドゥ村の攻略にかかってたんですけどねぇ」


 いかにも面倒くさそうな態度をとるドゥームサップ。


「三日で陥落してましたよ。なんせ、あの村は金銀財宝ザクザク」

 ポルーショはまだニヤニヤしていた。


「人間の可愛いスケ、ワンサカいるそうじゃない」


 ジズラルは舌なめずりしている。

(お前、いちおう女じゃないか・・)背中に寒気がしてきた。


 真っ青な肌をしたドゥームサップ、青い唇をもつポルーショ、そして青いアイパッチで片目を覆ってるジズラル・・。

 三青鬼トリオ・ザ・ブルー・オーガと呼ばれ、冒険者どもだけでなく魔族にも恐れられていた。三人そろって性格が奇天烈でなにしでかすかわからない、そしてなにより魔力が尋常じゃないという理由で。


「ビギィンドゥ村は後まわしになった」


 ヌーザッカはハッキリ言った。


「ほうほう」


 ポルーショは笑っていない。

 恐らくいま、彼はヌーザッカの考えを読めていないはずだ。この男がどうやって他人の思考を盗むか定かでない。ヌーザッカは自分の周囲に軽く結界シールドを張っている。ただ、それが功を奏しているのか否か・・まったく分からない。


「閣下直々の命令?」


 ドゥームサップが訊いてきた。

 身長4メートル89の外道だが、この三人の中でいちばんまともに会話ができる。


「否」


 ヌーザッカは即答した。


「すると──」


 ジズラルが意味ありげにこっちを見る。


「──元帥どのの独断?」


 ヌーザッカは答えなかった。


「いいんですかねぇ、そんなことで」


 ヘラヘラ笑うポルーショ。


「閣下の逆鱗に触れたらおしまいですよ」


 嬉しそうなポルーショを睨みつけながらヌーザッカは言い放つ、「このひと月、魔族として初心に帰り、レーゲン渓谷で修行も重ねた・・。そのことを閣下もご存知。身体もキレ、魔術トリックも冴えわたっておる。私の判断、能力を信頼なさっておる」


「ま、元帥どのが言うならそうなんっしょ」


 ジズラルにとってこんな話題はどうでもいいようだった。早く村を攻め滅ぼし、酒を喰らって大騒ぎしたいのだ。


「でもね、そういう決意表明とかワリとどうでもいいんだ」


 ホントに無礼な女だ、ぶちのめしたくなる。


「ひひひ」


 ポルーショの不気味な忍び笑い。

 コイツ、オレの思考読みやがったか?──ヌーザッカは焦った。

 まあいい、今度の戦いであの小僧を討ち果たせたらコイツらも用済みだ・・おっと、このバケモノにはこっちの考えが丸わかりかもしれんのだ、ヌーザッカは結界のバリアを強く意識した。


「とにかくっ!」


 三人の青い異形どもに怒鳴った。


「明朝、進撃を開始する。わかったか?」


「ふぁあぁあぁぁい」


 三人そろって間の抜けた返事をしてきた。

 ヘンなとこだけ妙にチームワークが良いなコイツら──ヌーザッカは腹が立ってしょうがない。

「面白い!」「続きが気になる!」「更新がんばって!」

と、思ってくださったら、


ブックマークと広告下↓の【☆☆☆☆☆】から

ポイントを入れ応援して下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ