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姫君

登場人物


河島真司 この物語の狂言回し、主人公。陰キャ。【聖魔の紋章】というRPGにハマってる


ミラ 赤いショートヘアーの西洋風の美少女。勝気な性格


お師さん/オカザキ 名前からするとミラの師匠か?仙人のような風貌。ヌーザッカとは旧敵


ヴァイス ヒゲ面の男。強面に限らず気が弱い。


ラーニャ姫 もふもふ。治療術が使える?

「ラーニャ姫、登場ですぅ♪」


 女の子?はやたら明るい。


「ひ、姫?・・」


 ドギマギしているボク。

 なんせ女の子にあまり免疫がない。


「ビギィンドゥ村からすっ飛んできやしたっ!」


 ラーニャ姫はそう言ってニッコリ微笑んだ。


「ビ・・ギィンドゥ村?聞いたことないな・・」


「ずっと東にある村だ。カネもちがワンサカいる裕福なところだよ」


 ヴァイスがウキウキした口調で会話に割りこんできた。こんな浮かれた彼を初めてみた。


「よぃせっと」


 彼女は帽子?をとった。

 モフモフに見えたのは、毛糸を丹念に編みこんだニット風のかぶりモノだった。ピンク色の長いツインテールが背中まで垂れた。


「遅かったわねラーニャ」


 剣呑な顔してミラが部屋の奥から現れた。


「どうせどこかで油売ってたんでしょ」


 ミラの表情は険しいままだ。


「図星でしゅ」


 ラーニャ姫は後ろに回した手を組んでフラフラ身体を揺らしている。反省してる様子はない。


「ピィーケルがいたから捕まえちゃおうと思って」


「ぴ、ぴぃ・・?」


「ピィーケルは妖精。ウサギと猫のハーフみたいナリよ」


「それは可愛いらしい」


 ボクはひとり感心した。


「ラーニャっ!」


 ミラの目が吊りあがっていた。


「わっ。怖い・・」


 そう言ってラーニャ姫はボクの背中に隠れる。


「アンタ・・お師さんが死にそうだってのに」


 ミラはキレる寸前だ。

 ラーニャ姫みたいな子って同性には嫌われるんだよなぁ、ボンヤリとそんなコト考えていた。


「大丈夫ですわい。そうカッカするなって」


 またしてもしゃしゃり出てくるヴァイス。


「なにが大丈夫なのさっ!」


 ミラはこのパーティーでいちばん怒りの導火線が短い。


「大丈夫ナリよ。ミラ姐さん」


 いつの間にかボクの前に出てきたラーニャ姫がニコニコしながら話しはじめた。


「だって、優秀なヒーラーがここにもおるじゃないですか~」 


 そう言ってミラを指さした。


「えっ?」


 言葉につまるミラ。

 予想外のラーニャ姫の言葉に照れてるのか、頬が赤くなっていた。

 なんたる人たらしですかこの娘・・。


「ヒーリングの基礎を教えてくれたのミラ姐さんなんですよぉ」


 ラーニャ姫は相変わらず手を後ろに組んで、部屋のあちこちをウロウロする。時おりこっちを上目遣いに見あげたりする。 

 参ったなぁ・・女子に免疫ないんだぞこっちは。


「ま、いいか」


 ミラの表情が緩んでいる。褒められうまいコト丸めこまれたようだ。


「それより薬草は?」


ヴァイスが口を挟んでくる。


「薬草?」


ラーニャ姫は目をパチクリさせている。


「そんなモンありましぇーん」


 ラーニャ姫は笑顔でピースサインをキメた。


「ないって・・どういうコトだ、おいコラ」


 ミラの激情がぶり返してきた。


「そんなモンよりね・・」


 フラフラ歩いていたラーニャ姫がピタッと立ちどまった。

 今までとうって変わった真剣な顔つきでみんなの顔を順に見ている。


「ワタシの新しい魔法みてくれる?」


「ま、魔法?」

 とマヌケな声をだしてるのはボク。


 怪訝な顔でヴァイスが訊いた。


「確かにヒーリングが使えれば薬草は要らないが・・」


 薬草は常に品不足で高価だった。

 ありとあらゆる地域で魔族が薬草の生育を妨害する魔法トリックを使用したためだそうだ。


「皆さん異存ないみたいだね」


 ラーニャ姫はそう言うとお師さんの臥せてるほうに向かって歩きだす。とても凄みのある顏をしていた。


「面白い!」「続きが気になる!」「更新がんばって!」


と、思ってくださったら、


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