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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第四章 人類守護奮闘編
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色欲のアリシア!

今回短めです!

 僕は今強烈な覇気を放つ女性悪魔と対峙している。これは……凄まじいな。まず間違いなく今まで出会った中で最強だ、この悪魔。


「君は相当高位の悪魔のようだ」

「相当高位っていうか、ほとんど最上級ね。私の上にいや、私たち魔将帝の上に立てるのはあの方しかいないもの」

「あの方?」

「あなたは知りたがり屋さんね。でもそういう前向きで物事に取り組む子は素敵よ?」

「褒めてもらえたようで嬉しいけど、できれば質問に答えてほしいな」

「うーん、つまらないわね。ここまで私の”誘い”にあらがってくる男の人は初めてだわ~。まあ、いいでしょう。教えてあげるわ。……魔神デゼルゲート様よ。あのお方は私たち七つの大罪が束になっても敵わないわ」


 さっきから彼女がペラペラと情報を話してくれるのでそれに合わせて情報を聞き出していたがものすごい情報を仕入れてしまったかもしれない。

 一つは魔将帝という彼女の階級。そして私たちと表現したことから複数名いるであろうこと。そして七つの大罪という彼女たちの呼び名らしきものも出てきた。つまり彼女クラスの敵が7人いるかもしれないっていうことか。

 それにしても七つの大罪って……地球の宗教かよ! って本気で突っ込みそうになった。

 でもまあ、似たような文化が生まれる可能性もないことはない、のか?

 だってこの世界には地球に似ている者が多いし。女神セオーティタ様もやっぱりあえて文化というか世界観というかそういうものが近い世界の僕を選んだのかもね。


 そしてさらにやばそうな情報が目の前にいる最強クラスの悪魔が全員でかかっても敵わないと彼女が言ったその魔神デゼルゲートという者、マジでやばそうだな。

 正直僕で勝てるのか? 多分目の前にいるこの女性と互角程度だぞ? 僕


 まあ、いいや。どのみち陛下から脅威はじゃんじゃん排除してくれって言われてるんだ。

 戦うしかないだろう。


「それで? 質問に答えてくれたのはありがとうだけど、人間や竜が一般的に生態系を支配するこの世界でこんなふざけたことをして人間や竜から恨みを買うとか考えたことはないの?」

「人間や竜から恨み?……プッ、あはははは! 本気で言ってるの? 確かにこの世界の生存競争で圧倒的に有利なのは人間や竜なのかもしれないけど、それで恨みを買うから何? 竜はともかく人間から恨まれるって、冗談やめてよ。逆にあたしたちをどうにかできるとか思ってるわけ?」


 そういった瞬間僕の周りに三人の影が。悪魔か……しかも五年前に戦った天使長と同等の威圧を感じる。僕がかつてとある街で戦ったことのある上位悪魔が言ってた準魔将という奴かな?


「まあね。確かに竜や悪魔、天使たちに比べて僕ら人間は脆弱かもしれない。でもね強い人間も中には入るんだよ?」

「知ってるわよ。竜魔導師でしょ? でもそんなに人数いないじゃない。でもまあ、あなたはそうなんでしょうね。最初に私が放ってた覇気を食らっても平然としていたのを見て確信したわ。でもあなたと同じように竜と契約を結べるものなんてほとんどいないじゃない。人間は数だけはうっとおしいくらいいるのに」

「それもそうだね。でも実際にその竜や君たちと互角に戦える存在がいるんだ。いつまでも余裕は持てないと思うけど?」

「へえ、あたしらとやる気なんだ~。いいよ。でもまずはその子たちを倒せてからね」

「そうかい、分かったよ」



 そういって僕はルシファーたちに魔力供給を開始してもらって一気に覇気を放つ。それだけで準魔将三人は吹き飛ばされた。

 流石にこの女悪魔も表情を変えた。


「まさか準魔将の彼らを軽々と吹き飛ばすなんてね……」

「こんなのあいさつ代わりだよ。だから言ったでしょう? 油断しない方がいいって」

「そうね。あなたが余裕だった理由がわかったわ。でもまあ、彼らを覇気で飛ばせたからと言ってそちらこそ油断するのは早いと思うけど」

「十分承知しているよ」


 そういった瞬間、準魔将たちが飛び出してきた。だけど一つ彼らは忘れていることがある。


「俺たちを忘れてもらっては困るな!」


 そう言ってボニファティウスが雷の超位竜を召喚し、剣に強烈な雷の強化魔法をまといながら突っ込んできた。

 ほかにも炎と風の上位竜を召喚し、炎と風の混合魔法を放って攻撃している冒険者、アルベルト。

 氷の超位竜と大地の下位竜を召喚して土槍の魔法に氷をまとって攻撃しているシャルロッテ。

 水、雷、風、光の下位竜すべてを召喚し、シャルロッテの前衛を務める形で突っ込むエトムント。


 実に四名の金剛級冒険者が竜魔導師として戦いに参戦した。そして歴戦の猛者らしく、彼らは互角の者も居るだろうが、格下の者でも場数と経験に物を言わせた創意工夫で、強大な悪魔に立ち向かっている。

 そしてその他の金剛級冒険者も自信を魔法具で強化したりして戦闘に参加している。


「へえ、私の優秀な配下と互角に渡り合える人間がこれほどいるとはね。正直びっくりだわ」

「だから言ったでしょ? 油断は良くないよ?」

「そうね。ゼヴィルとアメリア、カルサスがいきなり拮抗状態に持っていかれるとは思わなかったわ。それぞれ、”姦欲”、”誘欲”、”交欲”この三つの二つ名を与えられるくらい個性的で強い子たちなんだけど」

「なんか聞いてるだけで性にだらしがなさそうな二つ名ばっかだね」

「当たり前じゃない。あたしたちは色恋や性の欲に忠実な存在よ?」


 いや、そんなに威張って言うことかな?


「まあ、いいや。取り敢えず戦闘開始ってことでいいのかな?」

「そのようね。覚悟なさい? もしあなたが負けたら……そうね、あたしが満足するまでおもちゃにしてあげる。そう、例えばあたしにたてついたお仕置きとしてあなたが壊れるまであんなことやこんなこと、恥ずかしい事をたくさんしてあげちゃおうかな?」

「丁重にお断りさせていただきます」

「いいわよ。あなたが断ったところであたしが勝ってるんだから強制的にやればいいのよ」

「なら尚更負けられないね」


 怖! 何する気だこの淫乱女! 絶対に負けられんぞ。さっきの色欲に濁り切った眼を見た瞬間鳥肌立って寒気したわ……絶対勝たないと!



「それじゃあ、行くよ!」

「どこからでもかかってきなさい! このあたし、魔将帝・色欲のアリシアがあんたを叩きのめしてあげるんだから!」

「出でよラー! 焼き尽くせ!」

「へえ、神位竜ね。久しぶりに見たかも! これは楽しめそうね!」

「アレンや皆にひどいことする奴は許さない! 燃え尽きろ!」


 そういってラーは10メートルほどの距離まで近づくだけで消し炭になりそうなほどの火力の炎のブレスを吐いた。


「『(やみ)粛清(しゅくせい)』!」


 そういってアリシアは闇の波動のような遠距離攻撃の魔法でラーのブレスを打ち消した。

 流石だな。魔将帝というだけあってめちゃくちゃ強い。


「これは……結構厳しい戦いになそうだね」




 僕は心の中で、(いつもいつも運が悪すぎだろ!)と毒づいた。


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