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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第三章 貴族社会奮闘編
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結婚式に向けて!

 衝撃の子爵が王家から縁談を持ち込まれた! 事件(冗談)から数日、あれから今回の件に関して関係があるから話を通しておくべきだと感じた人々へ一気に連絡をした。

 そして子爵で王家からお嫁さんをもらうなどとんでもないことだ! おめでとう! という風に喜ばれた。父上に関しては僕の屋敷に飛び込んできたほどだ。

 だがその後僕がエレオノーレ第一優先だと啖呵を切った話をしたら呆れられた。

 父上曰く、


『普通、王家から縁談を持ち込まれただけでも名誉あることなのにそれに対して物申すなどと前代未聞』

 

 らしい。

 だが僕はエレオノーレを好きになってしまったんだもん。仕方ないよね。でもだからと言ってビアンカ王女をないがしろにするってわけじゃない。

 婚約すると決まった以上はしっかり相手のことを知っていって、良好な関係を気付く努力は当然必須だ。

 僕も引き受けたときからそのつもりだし。まあ、全く問題はないだろう。だってビアンカ王女は優しくてお淑やかでエレオノーレと似ているタイプだ。

 はっきり言って僕の好みだ。なので何も問題はないだろう。お互いを知って仲良くなって、エレオノーレとも仲良くなってもらえれば一番いい。

 

 完全に貴族当主の都合で婚約の話を決めてしまって本当に申し訳なく思う。エレオノーレもビアンカ王女も身分あるものとして生まれた時点でこういうことは覚悟していたのだろう。

 だがだからと言ってその覚悟にすんなり甘えられるかと言えば答えはノーだ。こういう時どうしても

一夫一妻制だった現代日本人の頃の感覚が拒否反応を示してしまう。

 だから、だからこそだ。妻に迎えると決めた以上は彼女たちを一生懸命幸せにする努力をしよう!

 それが今僕が彼女たちに見せるべき姿勢だと思うから。




 そう覚悟をして今日も朝の支度を終え、食堂に向かう。するとそこには、


「おはようございます! アレン様!」

「おはようございます。アレン様!」

「うん。おはよう」


 二人の婚約者がいる。そして王女にもこんな砕けた口調なのはビアンカ王女が、『貴族家当主が妻にへりくだるなどあり得ないことです! それに私自身がそうして欲しいんです! お願いします!』

 と言われてしまった。僕としては本当にいいのかって思ったけど、実際身分の高い家からお嫁さんを迎え入れた家でもお嫁さんにへりくだってる当主はいなかった。

 なので受け入れたのだ。

 ただ、


『さすがに王家の方に公共の場で正式に結婚していない状況でへりくだるのはまずいです。身分の高い家からの降嫁で妻にへりくだらない当主というのもそれは正式に結婚し、名字が婿の家のものに変わってからです。婚約者の状態でさすがに公共の場で砕けた態度をとるわけにはいきません。どうかそれでご納得いただけませんか?』


 とお願いしたのだ。当主がへりくだらないのはあくまでも式を挙げてお嫁さんの名字が婿の家のものに変わって正式に王家の人間ではなくなったと周囲に認知されてからだ。

 それ以前の婚約者の状態で公衆の面前で砕けた態度は流石にまずい。それを伝えたら、


『承知しました! 確かにその通りですね!』


 と納得してくれた。呼び名も今はアレンと呼ばれているし僕も名前呼びだが、公衆の面前ではもう少しの間ベッケラート卿のままでいてほしいとお願いした。当然僕も王女呼びだ。

 それに関しても了承してくれた。ありがたい。



 とりあえず朝食を食べたいので彼女たちと同じように席に着く。

 すると使用人が、


「こちらが本日の朝食でございます」

「ありがとう」


 いつも通り凄く美味しそうな朝食だ。さっそく新たな我が家の一員も加え冷めないうちにいただこうと思う。


「それではいただこうか」

「そうですわね」

「すごくおいしそうですね!」

「ビアンカにも喜んでもらえて嬉しいよ」

「はい! 楽しみです」


 というわけで彼女も待ちきれなさそうなのでさっそくいただいた。


「いただきます」

「「いただきます」」


 


 その後は和やかにみんなで食事を楽しみながらも僕はとある話題を出した。


「最近学園の忙しさも落ち着き始めて、仕事も順調に行ってる。ようやく一息付ける感じになってきたと思ってるんだ」


 僕がそういうとエレオノーレは真剣に頷いた。ビアンカ王女はまだ学園には入学したばかりだけど、仕事に関しては理解できるようで、そのようですねと頷いてくれた。


「そこで考えてることがあるんだ。近々結婚式を挙げようと思う」


 僕がそういうと、


 ガチャンッ


「あ、すみません。少し驚いてしまって」


 エレオノーレがナイフとフォークを落とした。どうでもいいことだがこの世界の食事をするための食器もかなり似ている。

 それにしても見事な驚きっぷりだな。やっぱり事前に連絡せずにいきなり言ってよかった。

 サプライズ成功だ。というわけで、


「どう? 驚いた?」

「はい、驚きましたし……その、嬉しいです」


 か~~! 赤面しながらそんなこと言われたら僕倒れるよ? それに加えて、


「ビアンカもそれでいいかな?」

「もちろんです! とっても嬉しいです!」

「よかった。じゃあ、式場とかもろもろを陛下や父上、ブラームス卿とも相談しなくちゃならないからさっそく今日から動き始めるね」

「はい! お願いします! それと、何かわたくしにもお手伝いできることがありましたらその際は遠慮なく仰ってくださいね?」

「私もお手伝いします!」

「二人ともありがとう。本当に二人と婚約できてよかったよ。この後執務をして午後から陛下と陛下や父上たちと式に関して相談しようと思ってるからまた出かけるね」


 そういってからさっそく朝食を終え、準備を始めた。


「それじゃあ、さっそく執務をしに行ってくるよ」

「はい、執務の間はお飲み物や軽食を運ぶ使用人以外近づけさせないようにしておきますわ」

「ははは、本当さすがだよ。それじゃあ、それで頼むよ」

「はい!」

「アレン様、頑張ってくださいね」

「うん。それじゃあ、二人ともまた後でね」


 



 それからしばらく執務に時間を費やした。時間的にはおそらく3時間ほど、大したことのない書類ばかりだったので即行で終わった。

 以前に言われたのだが、僕の執務スピードは尋常じゃないらしい。普通の貴族ならこの世界量も午後まで持ち越して夕方に入る前に終るかといったところらしい。

 でも僕からしたら大したことはないんだよね。

 そもそも僕が前世で通ってた大学は語学系の大学で、事前に習った文法などを使って本文を

訳してくるように言われたりしてたんだ。

 しかも一ページが丸々埋まったり、凄いときは見開き使ったりするような分量の文章を訳したりしてた。勿論習った文法や単語だけでは訳せない箇所とかもあったりしたから辞書や携帯を使って調べたりする。

 そんなことをしてると平気で2、3時間予習に費やしたりする。それで初めて授業に参加できるスタートラインだ。

 そこから授業を進めて終わったら当然復習。それに加えてまた次の範囲の予習、正直前世の学生の方がよっぽど大変な生活してるんじゃないかと思うよ。

 

 僕はたまたま文系の大学だったけど、理系の大学の人、専門学校の人、総合的にいろんな科目を勉強する大学の人、いろんな学生がいる。

 小中学生も大変だろうけどまだなんというか、高校・大学といった大変な勉強をする時期に耐えられるようにするための訓練だったんだくらいに今は思ってる。


 実際、小中学生までは義務教育なのでおさぼりしてても勝手に進級、卒業できてしまう。

 人生という意味ではどの時期も大変だろうけど、学生という意味ではやっぱり大変なのは高校生からだろう。


 とまあ、少し回想に浸っていたけど結論からして何が言いたいかって言うと、要は前世の厳しい競争社会をたった20年とはいえ生きていた僕から言わせると、この世界は全体的に楽なのだ。

 なので執務もそこまで苦に感じない。そういうわけだからいつも周りの人に仕事が終わったと言ったら早すぎない!? って驚かれるんだ。


 当然今日も早く終わったので、これからさっそく王城に向かう。父上も交えての相談になるだろう。申し訳ないけど、ブラームス卿は領地にいるので文通で今回の計画の承認を貰う形になる。




 さあて、今日もやることは山積みだ。頑張るぞ!


 



お待たせしました。本日もありがとうございます。

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