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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第三章 貴族社会奮闘編
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祝いの夜 その2!

 祝いの食事の席に着き、シュナイダー卿としばらく話していた僕たち。あの後、お互いにエレオノーレの挨拶をしていなかったことに気づいた。

 僕はすぐに申し訳ありませんと謝罪した。エレオノーレにも謝って、そのあとに彼女をシュナイダー卿に紹介した。

 シュナイダー卿も僕との話に夢中になって彼女にあいさつが遅れたと謝罪してきた。

 でもとんでもない! そもそも僕が彼女をしっかり自分の挨拶と同時に紹介していればこんなことにはならなかった。

 こういうところでまだまだ経験不足なのが目立つな。もっとしっかりしないと!


「それにしても可愛らしい婚約者さんですね」

「ありがとうございます。そういっていただけると彼女も喜ぶでしょう」

「シュナイダー卿、お褒めいただきありがとうございます」

「いえいえ、本当のことを言ったまでですから」


 それからは主役である王族が入場するまでに続々と貴族が入場してきた。

 あっという間に場内は貴族でいっぱいになり、皆各々の席を探し動き始める。

 そんな中で僕たちの方向に歩いてくる人たちが数名。シュナイダー卿の言っていた僕に話しかけてくるかもしれない貴族ってことかな?

 あ、いやでもただの自意識過剰かもしれないし、取り敢えず様子を見よう。

 そう思っていたけどやっぱり僕たちが目的地だったようです。


「こんばんわ。シュナイダー伯爵お久しぶりでございます」

「やあ、一年ぶりくらいだね。ミュラー男爵、シュミット子爵」

「ええ、そのくらいたちますね。このアダルベルト、再びシュナイダー卿とお会いできて感涙の極みにございます」

「ははは。ミュラー卿は相変わらず大げさだなぁ」


 うん、とりあえずこの人達がシュナイダー伯爵が懇意にしている貴族で間違いない。魔大樹の森の反対方向、海が広がるエリアの付近に領地を構える有力貴族だ。

 名前も実績も調べ上げている。爵位は低いけど実際の力は間違いなくシュナイダー卿と並びたてるほどだ。

 つまり、貴族としては伯爵級ってことだ。そんな大物がこの場に一気に集まった。シュナイダー卿は基本派閥を持たないので、懇意にしている人は少ないがそれでも十分すぎる勢力を有している。

 はっきり言って王国の上層部も彼らをぞんざいに扱えない。そんなことをしてへそを曲げられてしまえば王国の中でも広大な土地が食料関係でギクシャクすることになる。

 なんせシュナイダー卿、ミュラー卿、シュミット卿の領地の食料生産はアンドレアス王国の4割を占める。大国であるこの国の4割だ。

 ね? 二人の爵位が実力と釣り合ってないって言った理由がわかってもらえると思う。シュナイダー卿に至っては侯爵の地位を与えられてもいいくらいだ。なので閣下と呼びたいくらいだ。


「えっと皆さん、こんばんわ。初めまして、私はアレン・ベッケラートと申します。爵位は子爵位を授かっております」

「ええ、存じてますともベッケラート卿。お初にお目にかかります、私はアダルベルト・ミュラーです。爵位は男爵でございます。以後お見知りおきを」

「初めまして、私はバルタザール・シュミットです。爵位は子爵です。どうぞよろしくお願いします」

「はい、こちらこそよろしくお願いいたします。あなた方とお会いできて本当に光栄です」


 ふむ。まあ、何も問題なく自己紹介は済んだな。なら次は……


「そして、こちらがエレオノーレ・ブラームス準男爵令嬢です。私の婚約者となってくれた女性です」

「初めまして、アレン様からご紹介を与りました、エレオノーレ・ブラームスです。以後お見知りおきを」

「これはこれは、ご丁寧にありがとうございます。アダルベルト・ミュラーです。よろしくお願いしますね」

「私はバルタザール・シュミットです。よろしく」


 これでとりあえずひと段落着いたな。


「それじゃあ諸君、自己紹介も終わったことだし、席について陛下と王族の方々をお待ちしよう」

「はい、シュナイダー卿」

「そうですわね」

「では私もご一緒させていただきますね」

「私も失礼します」




 そして十数分後、王族の方々が入ってきた。そして、


「諸君、よくぞ集まってくれた! 久々の我が一族主催の宴、存分に楽しんでくれたらと思う。そういうことなので長ったらしい演説はよしておこう。それでは、宴の始まりだ!」


 そう言って、陛下が宣言して宴が始まった。

 この場には何人かの大物貴族、そして王族が来ている。父上はあの時王城に呼ばれた後、仕事を任されたそうでそっちが忙しいらしい。そういった連絡の手紙が届いた。陛下からは招待状が来たようだけど、仕事に集中したいらしくお断りしたようだ。そんなわけで父上はこの場にはいない。

 王族側は陛下・王妃・第一王子殿下・第一王女殿下そして第二王女殿下だ。

 なぜ顔を知っているのかというと以前、学園で見かけたことがある。王女殿下および王子殿下は僕と同じで学園に所属してらっしゃる。

 なので年は近い。そして話によれば第一王子殿下と第一王女殿下は僕の一つ上だ。

 そして第二王女殿下が確か僕の一つ下だ。

 そういうわけで僕と同じ世代の王族はいないので今回初めて公式な場で出会うこととなった。なんか話してるわけじゃないのに緊張するな。

 そんなことを考えていると、陛下達がそれぞれの貴族にあいさつ回りに動き始めた。まずは上位貴族だ。そしてそのあとに下位貴族となる。

 下位貴族に関しては上位貴族のように爵位通りとはいかない。有能な者から挨拶される。

 だからか、みんなあいさつ回りが始まった瞬間、緊張の面持ちだ。まあ、僕はいくら功績が認められることが多かったとは言え、一番下っ端みたいなもんだから最後尾だろう。

 気にするだけ無駄だ。他にも有能な貴族はたくさんいるんだから。


 そう思っていたけど、今の目の前の惨状をどう説明しろと?


「よく来てくれたな、ベッケラート卿。歓迎するぞ」

「お招きいただき感謝いたします、陛下。父上にも招待状をいただいたようですが、参加できなかったようで申し訳ありません」

「いや、それは仕方あるまい。我らが仕事を頼んだのだ。それで忙しくさせてしまったのだから文句などあるまいよ」

「お気遣い感謝いたします」

「うむ」


 うわぁ、何で? いや、何で? 上位貴族への挨拶は通例通り行われたからいいけど、何で?

 なんで下位貴族に移った途端、僕の所へ? いや嬉しいよ? 嬉しんですよ? でもほかの貴族の方々に申し訳なさすぎる。


「そうそう、余にはおぬしと年の近い子たちがおってな、我が妻とともにずっと紹介したいと思って居った。だが学年も違うし、おぬしも仕事で忙しいであろうからなかなか紹介する機会に恵まれなかったのだ。すまんな」

「い、いえ! お構いなく。ご紹介いただけるだけで光栄でございます」

「そう言ってくれるとありがたい。では紹介しよう、彼らが私の妻と子供たちだ」


 陛下がそういってから前に出てきた人たち、彼らが王妃、王女、王子だな。知っているけど、紹介されるのがこの場合は礼儀だ。


「ごきげんよう、ベッケラート卿。わたくしは王妃、ツェツィーリエ・アンドレアスですわ。よろしくお願いしますね」

「初めまして、私はエルヴィン・アンドレアス。王位継承権第一位の長男だ。よろしく頼むよ」

「お初にお目にかかりますわ、アレン・ベッケラート卿。わたくしはアメリア・アンドレアス、王位継承権第二位の長女ですわ。お噂は伺っております、よろしくお願いしますね」

「あ、あの。私はビアンカ・アンドレアスです! 王位継承権第三位の次女です。お会いできてうれしいですわ!」

「こ、こちらこそ、皆さんとお会いできて大変光栄でございます。私はアレン・ベッケラートと申します。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます」


 えっと、何で次女さんだけそんなテンパった感じで挨拶してるんだろう? 相手はたかが子爵だよ? まあ、僕の方が年上ではあるけど、それも身分社会では関係ないし。

 

「ははは、ビアンカは相変わらずだね。それはともかくベッケラート卿、今度ゆっくりと話したい。また後で会える日を聞いても?」

「も、もちろんでございます! ぜひ!」

「それは良かった。ではまた後で」

「はい」


 そういって王子と陛下達は去っていった。


 それよりも本当にさっきの第二王女のはいったい何だったんだ? 

 まあ、いいか。今考えてもしょうがない、今後のことも色々考えていかないとな。僕がいきなり王族の方と親しくしてもらっているのをよく思わない連中もいるだろうし。

 特に最初の方にあいさつされていたベーレンドルフ公爵とかね? 今回は絡んでこなかったけど、また絡んできたりするかもしれない。

 僕とは思想が全くと言っていいほど正反対なんだ。可能性としてはあり得るだろう。なので警戒はするべきだ。



 さてと、また考えることが増えたな~。やれやれ……


 

 


 

 続々と知り合いが増えていきますね! さすが子爵位! 下位といってもそれなりに力があるのでいろいろと注目されてますね。どちらかというと子爵なら中堅貴族と言った方がしっくりくるかも?

 本日もありがとうございました。

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