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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第三章 貴族社会奮闘編
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いろいろな組織に所属、そして偉大な功績!?

 僕が屋敷に住みながら仕事を始めてから三日ほどたった頃。屋敷に一通の手紙が届いた。


 コンコンッ


「はーい。どうぞ~」

「失礼いたします。アレン様、王宮から第一級召喚令状が届いております」

「なんでまたそんな大仰な書類が届くのさ」

「わたくしには分かりかねますが、まずご覧になった方がよろしいかと。王族印まで押印(おういん)されていますので、相当アレン様に配慮されている書類かと。ただ呼びつけるだけならこうやってお手紙を届けるだけでもいいと思われますので」

「そっか、陛下や王族の方にそこまで丁重にもてなしていただいている以上、特級令状じゃないからと言って無視はできないね。そもそもその令状でお手紙をいただいている時点で登城は確定だよ」

「おっしゃる通りかと」


 第一級召喚令状、それは王族自身が優秀だと認めた者にだけ送る種類の令状だ。種類は段階ごとに複数あって、第三級召喚令状、第二級召喚令状、第一級召喚令状、特級召喚令状。この四つだ。三級から二級までは、まだ無視しても問題ないレベル。

 だけど一級から上はそう簡単には無視できない。まあ、二級もぎりぎりなラインだけど、しょっちゅう無視していなければ問題ないという感じだ。

 ただ、この令状はそもそも送られてくること自体が王族から認められてる証だ。つまり送ってこられることそのものが王族の方々から格別のご配慮をいただいているということに他ならない。

 なのでよほどの用事がない限り基本暗黙の了解で登城は確定なんだ。ただほかのお手紙で送ってこられる場合はそこまで重要でもないので、仕事で忙しい、程度の理由でも辞退はできる。

 

「とりあえず見せてもらおうかな。ちょうど書類仕事もひと段落ついてきたところだし。休憩がてら読もうかな」

「しょ、承知いたしました。で、ですがあの量をもう片付けてしまわれたのですか!?」

「うん。そうだけど? だって読んで、問題なければ署名するだけじゃん。簡単だよ」

「さ、左様でございますか。で、では失礼させていただきます」

「うん。ありがとね」


 そういって下がってもらった。正直言うと、書類仕事といっても大げさなものは一切ない。ほんとに読んで署名するだけだ。もちろん、はい? だめに決まってるでしょ、こんな申請通るわけないじゃん。みたいな申請書類とかも来てたりするけどね。

 僕が今してる仕事というのは自身の魔法理論の提供やほかの理論の改善案の提供またはその申請を受けるか受けないかの判断。

 なぜか魔法理論改良や新しい魔法理論開発を頼まれるのはいつも僕なんだよね。本業の人がやればいいのにとは思うけど、僕に申請が来るのには理由がある。

 僕は在学中に、しかも一年生で、魔法研究の国家試験に合格してるからだ。僕としてはただの記念受験のつもりだったんだけど、なんか受かっちゃった。もちろん試験自体は真剣にやったよ? ただ受けた理由は普通に興味があったからってだけだったんだけど、それで受かってしまったからすごい期待されて、改良案や新理論開発の申請がすごく来るんだよ。

 


 ほかにもいろいろ仕事はあるけど、とりあえず仕事の紹介はこの辺にしておこう。王宮からの書類を読まないとね。


「えーなになに……」


 読むこと数分。


「つまり、僕はまだ貴族になったばかりで、爵位もそんなに高くしてあげられないけど、王宮側としてはもっとたくさん仕事をしてほしい。だからいくつかの組織に入ってもらって役職を与えたい。っとそういうことかな? さらには僕にかかわりのある仕事で最近の活躍を吟味した結果、僕に報酬をいくつかくれる、と。なるほど、確かに特級まではいかないけど、一級は余裕でいく内容だねこれは。よし、なら準備しないとね。まずはこちらとしてはすぐにでも召喚に応じることができるという旨を手紙で出して、それの返事が届き次第、すぐに登城するって感じでいいかな」


 僕は手紙の内容を儀礼的挨拶から始め、すぐに内容に入り、6、7分ほどで書き終えた。内容を見直し、無礼にあたる部分などがないか確認し、封筒に詰めた。

 そして呼び鈴を鳴らした。するとすぐにこの屋敷で働き始めてくれた数人のメイドのうちの一人が入ってきた。


「失礼いたします。ご主人様、お呼びでしょうか?」

「うん。このお手紙をデニスに渡してくれる?」

「かしこまりました」


 よし、これですぐにデニスに手渡されるだろう。そしてその後デニスに渡った手紙はすぐさま王城に届けられた。




 翌日、もっと時間がかかると思っていたらまさかの次の日には返事が届いた。いや急いできてほしいのは一級の令状を送ってくるくらいだから分かるけど……わかりやすいな! 王宮!

 とまあ、一人で突っ込みを入れながら今は外出の準備をしている。


「よし、準備できたから行こうか」

「かしこまりました」

「アレン様、わたくしはお家でお待ちしていればいいのですよね?」

「うん。家のことをしっかり見ていてほしい」

「わかりましたわ!」

「ありがとう」


 そういって、元気にお見送りしてくれる可愛いお嫁さんに手を振りながら、僕は馬車に乗り、王城に向かった。




 15分ほどして、王城に着いた。本当にこの辺についても配慮してくれてたんだな、陛下は。貴族街の中でも騎士爵の僕にここまで王宮に近い家を用意してくれてたなんて。

 そんなことを考えながら、馬車から降りると、すごい勢いでクリストフさんがお出迎えに来てくれた。いや、何事? そんなに大慌てでお出迎えしないといけないほど陛下は急いでおられるのかな? ならあまり待たせるのは良くないか。


「お待ちしておりました、アレン様! ささ、どうぞこちらへ。ご案内いたします」

「ありがとう、クリストフさん。ところでどうしてそんなに急いでるの?」

「は! 実はどうしてもアレン様にお会いしたいというような方が複数名いらっしゃいまして、その方々がほかの方たちと変わりない方であればお話は違ったのかもしれませんが、そういうわけにはいかないほど、陛下もご配慮をなさるほどの方で……」

「なるほど、あまり待たせるのも良くないからということか」

「左様でございます」

「わかった。少し急ごう!」

「感謝いたします」


 そういって僕たちは謁見の間に急いだ。ちなみに僕がクリストフさんに敬語じゃないのは、僕が本格的に貴族として行動をし始めたからだ。

 自分の考えはどうあれ、貴族がいち使用人にへりくだるのは体裁がかなり悪い。なのでそういう話し方にした方がいいのだ。僕もそれは理解していたので、騎士爵の貴族として動く際は身分が下の者にはなるべくへりくだらないようにしている。


「到着いたしました」

「ありがとう。それじゃあ、デニスも待機しておいてくれる?」

「承知いたしました」


 そういって、準備を整えると、クリストフさんが謁見の間の扉を開けてくれる。そして目に入ってきたのは何人かの貴族の方と、研究者と思しき人だ。

 そして僕は足早に陛下のもとにまで歩いていき、膝まづいた。


「面を上げよ、よくぞ参った。余の呼びかけにすぐさま応じてくれた協力に感謝する」

「お久しぶりにございます、陛下。感謝などと仰らないでください。わたくしめは陛下のそしてお国の臣下です。もしお呼びとあらば、できうる限りすぐに参上いたします」

「うむ。それで、本題だが、おぬしに聞きたいことがある。役職をおぬしに与えると余が申したら受け取ってくれるか?」

「もちろんでございます。お手紙でも拝見しましたが、どのような役職でございましょう?」

「うむ。その説明を今からしよう」


 そういって、これから与えられる役職の説明を受けた。内容は、王家直属近衛師団に所属して、副隊長補佐、および大隊長として任務をこなしてほしいというもの、そして、国家魔法研究所に所属、そしてその中の研究班の班長を任せたいとのこと。所長や副所長の座はまだ身分的に与えられないが、班長ぐらいなら問題ないとのこと。

 なるほど……っていきなりすごそうな役職多すぎません!?


「へ、陛下、お話は理解しましたが、いきなりそのような重要な役割にわたくしが就いてしまってもよろしいのでしょうか?」

「よろしいも何も、おぬしだからこそ頼んでおるのだ」

「は、はい! 謹んで承りました」

「よろしい。で、次の話題だが、おぬし、ついにやりおったそうだな?」

「え?」

「”じゅう”? とやらの魔法具のことだ」

「あ、はい! なんとか、研究と改良を重ね。完成品を作ることができました」

「うむ」


 そうなのだ。銃の魔法具がついに改良に成功し、正式に国家戦力の一部として数えられるようになったのだ。

 何とかしてあのふざけた威力を訓練を積めば、一般兵でも魔力消費を抑えながら撃てるような威力に改良できないかと考えた末。前世での拳銃を発砲した時程度の威力のイメージを魔法で再現して、研究員の人たちに見せたのだ。するとそこからは破竹の勢いで研究、改良が進み、完成したのだ。

 だけど、それが今回でいうところの功績なのかな?


「これは歴史上、誰もなしえなかったほどの大発明である! 少ない魔力で人間を殺傷できる。悪魔や天使などには威力の強めの銃の方を使わないと勝てんだろうが、一般の人間兵相手なら絶大な効果を得るだろう! 誠に大義であった!」


 確かに今説明されるとなかなかの発明に思えるな。


「そういうわけなので、おぬしには急遽決めたことではあるが、昇爵を考えておる」


 うーん、なるほど……って、え!?


「というわけで、アレン・ベッケラート!」

「は、はい!」

「おぬしに準男爵位を授けることとする!」


 なんか、魔法具開発の功績でいきなり昇爵されちゃったよ。


「謹んで、拝命いたします」

「うむ。これからも一層の活躍、期待しておるぞ」

「必ずや、ご期待にお応えして見せます」

「うむ」


 後の説明で、手紙通り、一気に爵位を上げるのは無理だが、少しずつなら反発も起きないので可能だということらしい。実際それほどの功績をあげているというのも理由らしいが。

 そして、やはり研究所や師団の重要な役どころに付くのだからある程度の爵位がないとだめというのも昇爵の理由らしい。





 その後は、その場に来ていた研究所の所長さんやら、近衛師団隊長のアーベル・ベッカー侯爵閣下と話をして、解散の運びとなった。

 なんかどっと疲れた……家に帰って今日はゆっくり休もう。それに、なんかちょっとエレオノーレにも甘えたくなっちゃったな。

 ああ、なんか仕事とかで疲れた若い会社員の人とかがたまに彼女に会いたい! とかいうの分かる気がする。

 というわけで、今日はゆっくり休むぞ!



なんか、あっさりと爵位が上がっちゃいましたね(笑)。

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