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新たな学園生活!

またちょくちょく忙しくなりそうなので、投稿できない日があるかもしれません。その時は次の投稿をお待ちいただければ幸いです。

 エレオノーレの実家で交際と同時に、結婚の承認ももらえた僕は彼女の実家で二日ほど過ごし、その後は実家に戻った。

 これでしばらくの間、エレオノーレともお別れだ……なんて思っていたらびっくり仰天。エレオノーレもついていくと言い出すではないか。

 どういうことかと聞くと、


『父上が君はもう法律上はエレオノーレ・ベッケラートだ。式を挙げていないだけで、両家の当主が結婚を承認した時点で籍は変更されるようになっている。これから私は役所にその旨を伝えてくるし、ベッケラート卿もそうすることだろう。つまり、君たちはもう”仮”ではあるが夫婦だ。ならばこそ、夫の家で過ごすのが妻の役目だろう。と言っていました』


 だそうだ。なので僕たちはすでに実家に二人で帰ってきたわけだが、そうなるとまたちびっこ二人が騒ぎ出すわけで……まあ、そりゃ大変な、そして怒涛の勢いで終わった長期休暇だったよ。

 まあ、それは楽しかったってことなんだろうね。いいことだ。

 ちなみに両家同士の挨拶に関してはまだ先だそうだ。僕が卒業資格を取得次第、式を上げ、両家同士の顔合わせになる予定らしい。



 というわけで僕たちはもう長期休暇が終わったので父上と一緒に馬車に乗って王都に戻っている途中なのだ。


「父上、とても楽しかったです!」

「わたくしも、皆様と時間を共に過ごせて本当に楽しかったです。ありがとうございました!」

「それは良かった。私もただ息子やその友人が家に帰ってきてくれるというだけでなく、こんなにも嬉しい知らせが聞けて本当に良かった。楽しい時間をありがとう」


 そういって父上がお礼を言ってきたので、


「こちらこそありがとうございました」

「ありがとうございました!」

「うむ」



 そうしてまた、途中の村に戻ると、だいぶ復興作業が進んでいた。人員も派遣したことだし、順調そうだ。本当に良かった。

 そこで僕らはまた同じ宿をとって休み、翌朝出発した。



「つきましたね。王都」

「そうですわね」

「ああ、すごく長い間留守にしていた気分だよ」


 これからまた半学期頑張らないとな! 学園には中盤くらいの時期からいろいろイベントも盛りだくさんだ。

 直近のもので言うと、学級対抗戦だ! これは実にシンプル、自分たちの学年で模擬戦を行って序列を決めるのだ。

 初めは予選で大人数でのバトルロワイヤルのようなもの。次に個人での二次予選、そして最後が準決勝や決勝といった感じで三位決定戦も当然ある。

 ここで数百人単位いる学年の強さの序列が決まる。ただ、これは別に催し物なので成績に加えられることはない。それでも上位成績を残せば、学費が完全免除になったり、将来の就職者を求める企業も身に来ることができるので、スカウトの可能性もある。なかなかに手を抜けないイベントだ。

 まあ、僕の場合すでにこの学園の特待生的な扱いなので学費に関しては関係ない。入学時点で上位10名の者は学費免除が確定なのだ。

 スカウトに関しても僕自身がすでにお家を経営する立場だからあまり関係ない。自分の職場がすでにあるからね。

 それと対抗戦が終わってから自分より上位の序列のものに決闘を申し込むのもありだ。訓練場で行われ、勝つことができれば晴れてそのものよりも上位の序列になる。成績には関係ないかもしれないが、その努力や活躍は確実に周りが見ている。やって損はないというわけだ。

 


「では私はこの辺で失礼する」

「はい。父上お気をつけて」

「行ってらっしゃいませ、お義父さま」


 そうやって挨拶して別れたのだが、僕も父上もびっくりした。エレオノーレの父上に対する呼び方だ。

 そうだ、そうなのだ。形式上僕らはすでに夫婦なのだ。なのでこういう呼び方になる。父上もはじめは驚いていたが、すぐに持ち直し、


「うむ。行ってくるよ」


 とカッコよく答えた。なんかいいな、こういうの。本当に家族になったんだということを実感させられる。嬉しい、幸せだ。絶対この平和を守り抜くぞ!


「じゃあ、行こうか、エレオノーレ!」

「はい、アレン様!」


 そうして僕たちは学園に向かった。道中僕たちは手をつないでいたのでかなり興味深そうに周りの生徒たちに見られた。

 別にそんな不思議な光景でもないだろうに。ほかにもこんな感じの恋人は大勢いる。何がそんなに興味深いのか疑問に思っていると、突然泣き出したり、うなだれたりする女の子が続出し始めた……

 え? 何々怖いんですけど……そんなことを考えていると、


「マジかよ、あの学年成績最上位で容姿端麗、武に関しても、魔法も剣術もすべてが一番でうわさになってたアレン・ベッケラートを射止めた女がいるってのか? しんじらんねぇ……」

「しかもあれだろ? アレン・ベッケラートっていや最近話題になってた、たった6歳で爵位を授かったっていう逸材だろ?」

「そうですのよ! あの年齢ですでに爵位をお持ちだなんて、すごすぎますわ!」


 そんな会話が聞こえてきた……え、僕ってそんなに噂になってたの?


「な、なんかすごい注目されてるね? それにさっきからうなだれたりしてる女の子たちはなんなんだろう?」

「え? アレン様ご存じなかったんですか? ご自分のうわさ」

「そんなの気にしてる余裕なかったからね。学生でも頑張らないといけない上に、寮に戻れば課題に貴族としての執務にと結構大変だったんだから」

「そ、そうですわね……今聞いただけでもほんとにアレン様はすごい方だというのを実感いたしました」


 そんな感じで、話しながら歩いていると、エレオノーレが


「アレン様は以前から令嬢方から絶大な人気がありましたのよ? ツェーザル様と並んで」

「はい?」

「ですから、端的に言えば女の子にモテモテだったのです」

「へ?……えぇーーー!?」

「逆にあれほど注目されて何人かはあなたに接触までされてたのにどうして気づいておられなかったのですか!? そっちの方が驚きですわ!」

「い、いやだって、社交辞令的なお付き合い? みたいに受け取ってたし……」


 そう話していると、僕の話声が聞こえたのか、何人かの女の子がまたバタバタと地面に膝を付きだした。


「アレン様って……鈍感を通り越して天然さんだったのですね……」


 そうエレオノーレに言われ、周囲では男子連中がおなかを抱えて笑っていた。


「なんか納得できないけど、学園内ではツェーザルと一緒に一番近くにいたエレオノーレがそう感じたんならそうなのかもね……」

「あの、アレン様? もしかして……拗ねてます?」

「拗ねてない……」

「拗ねてますね」

「……なんか今日のエレオノーレ、いじわるだね」

「そうですか?」

「うん」

「うふふ、少しうれしくて、舞い上がってたのかもしれません。ほかの貴族令嬢ではなく私をアレン様が選んでくださったことが。だから、普段はしっかり者で大人っぽいアレン様がなんだか今日は少し子供みたいで見ていて可愛いなと、ごめんなさい」


 なんだかなぁ、この笑顔、反則だと思うんですよ。何でも許してあげたくなっちゃうし。まあ、いいや、別に悪い事されたわけじゃないしこんな事いちいち気にしてたら器が小さいと思われちゃうな!

 クールにいこう!


「別にいいよ。それよりもここは注目も集まるし、そろそろ教室に向かおっか」

「はい!」

「今学期始まって早々随分と見せつけてくれるね。ついにくっついちゃったのか~。うんうん」

「出た……」

「出ましたわね……」

「ん? なんだい? そのジト目は。それにそんな霊が出たみたいに言うのやめてくれるかな?」


 ツェーザルご登場です。はい。またからかわれるな~。まあもうディルクたちので慣れたけど。


「全く、学期始まっていきなりからかいながら登場するからだよ。でもま、君の言う通りだよ。実はこの長期休暇中にいろいろと急展開でことが進んで、晴れて婚約まで確定しました」

「ほう、そこまでいくとは……すごいな」

「うん。僕だって今でも信じられないときがあるよ」

「そりゃいきなり急激にそこまで事が運べば信じられないと思う時もあるだろうね」

「正直、ずっと心臓バクバクの毎日でしたわ」

「ははは……それはまた、大変そうだ」


 そんな感じで久しぶりの幼馴染との再会も済ませ、教室に向かった。




 教室に着いた僕たちはさっそく適当に座って教授を待っていた。すると10分くらいでクリスティーナ教授が来た。


「みんな、おはよう。久しぶりにみんなの元気な顔を見れてうれしく思います。それじゃあさっそく今後の予定を話していきましょう」


 そういってクリスティーナ教授は今後の予定を話し始めた。




 こうして新たな学期が始まり、また忙しい日々が始まる。ただそれは何も悪い事ばかりではない。学級対抗戦のような催し物も存在する。

 なので楽しいこともあるだろう。長期休暇が終わったばかりだ。これからまたいろんな出来事がアレンたちを待ち受けているだろう……

 学園の物語はまだまだ続く!



 


ようやく長期休暇が終わった……自分で書いといてなんですが、長かった(笑)。

次も頑張って書いていくのでお楽しみいただければ嬉しいです!


それと、前話のエレオノーレのお母さんの名前、修正しました。すみません

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