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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第四章 人類守護奮闘編
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殺戮の権化VS光の象徴VS背水の陣の人類 その2

ちょい短いかもしれません。

 全てを凍てつかせる冷気が漂いあらゆるものを凍らせる。それを壊し、溶かそうとする圧倒的熱量の雷。

 それらがぶつかり合い、また一つの戦場が死地と化していた。


「あー焦れったいな~その氷」

「砕けないあなたが悪い。実力不足」

「あーそうかい。なら、これはどう?」


 ビュッ! バッリーン!


「ッ!?」

「ようやくいい感じの攻撃が決まったね!」

「決まったと言ってもそれは氷に対して。私にではないわ。調子に乗らないでほしいわ」

「調子になんか乗らないさ。君たちは僕らと渡り合える存在。油断とかもしないよ」

「ふん」


 そう、今起こった出来事は強欲のアルマーダの『獄雷(ごくらい)』と呼ばれる技による現象だ。

 調子に乗っていた冥冰のスエラに自分だってやればできるんだよ? っていうのをアルマーダが伝えたという状況だ。

 これによってスエラも本格的に気を引き締める。


「闇魔法と雷魔法を合わせたのね」

「そゆこと! 言っとくけど、この雷喰らうと地獄を見るよ?」

「さわやかな笑顔で言うことじゃなわね。ほんと不快だわ~。貴方みたいな下種」

「そう褒めないでよ~」

「褒めてないし。取り敢えず……『爆氷球(ばくひょうきゅう)』!」


 とんでもない速度でアルマーダに迫っていくそれは、


「うぉッ!?」


 あまりの速さにアルマーダは一瞬対応が遅れたそして見事に喰らってしまう。そして魔法が直撃した瞬間に大爆発が起こる。


「はぁ、はぁ、久しぶりだねこんなエゲツないの貰ったのは……」

「油断しないんじゃなかったの?」

「そうだね、だからこそもう出し惜しみせず全開で行くよ!」

「……」


 スエラが警戒して自分を見てくる中、アルマーダは魔力を高めていく。そして、


「喰らえ! 『獄雷円鎖消滅陣(ごくらいえんさしょうめつじん)』!」


 スエラを囲むように獄雷が蠢き、そしてひとしきり囲んだ直後、待ってましたとばかりに連鎖爆発を起こす。黒き雷がバシバシと音を立てながら熱を放出し、そのまま爆発していく。

 アルマーダの出せる現時点での最高技だ。


 そして爆発が止んだ後に見えたのは、無傷とまではいかないが、ボロボロになりながらも耐え抜いているスエラの姿だ。


「馬鹿なッ!? この魔法は初めて決闘を行った時、ヴォルドールですら半身を失った魔法だぞ!? まあ、あいつが油断していなかったかと聞かれれば疑問だが、それでも五体満足はあり得ない!」

「いや、私だって余裕で防いだわけじゃないのくらい見ればわかるでしょ。さあ、次はこっちの番ね」

「くッ!」

「『回転氷輪刃(かいてんひょうりんじん)』」


 スエラの眼前に氷の輪が生まれ、それが残像が見えるほどの速さで回転する。そして、


「喰らいなさい」

「ぬォおおお!!」


 アルマーダは結界魔法で必死に防御を試みるが、失敗に終わり、


 ザシュッ!


 体を両断され、その時に心臓も破壊された上に立て続けに切り刻まれ再生不能な状態に陥った。


「なかなかに強かったわね。強欲のアルマーダ。伝え聞く話よりも余裕で戦闘力が上じゃない。所詮伝聞による話は信用ならないということね」



 そう呟いてからスエラは他の仲間を援護すべく移動を開始する。






 灼熱の風が吹き荒れ、それを相殺せんと涼しげな水蒸気があたり一帯を包み込む。


「属性の相性が悪いというのは面倒なものだな。全く」

「そういう割にずいぶんと粘るじゃない」

「それはお前の火力不足と言ったところじゃないのか?」

「そうかしら? 単純にあなたが優秀なだけって可能性は?」

「俺が優秀なことなど分かりきっているというもの。今更だ」


 一通り会話を終えたところで、


「お喋りはここまでだ。覚悟は良いな?」

「元からできてるわよそんなの。馬鹿にしないでくれる?」

「それは悪かったな。なら遠慮なくいかせてもらうぞ! 『熾火(しか)乱舞(らんぶ)』!」

「『闇水獣(やみすいじゅう)咆哮(ほうこう)』!」


 ただ単純に業火をまき散らす魔法と闇の魔獣を魔法で召喚してその魔物に相手の魔力制御力を低下させるという効果が上乗せされるという咆哮を撃たせる。

 お互いの魔法がぶつかり合い、そして一気に蒸発した。


「クソ、これでも相殺してくるか……しつこい奴め」

「そっくりそのままお返しするわ」

「ならばこれはどうだ!」


 そういうと熾天のアリエルは天高く飛び上がった。


「悪しき闇を滅する断罪の槍! 『(かみ)(やり)』!」

「うそでしょッ! なんて魔力量よ! 馬鹿じゃないの! クソ、なら! 『水霊(すいれい)抱擁(ほうよう)』!」


 アリエルが放った槍、これはシンプルだ。だがシンプルだからこそ強いともいえる。炎の熱を極限まで圧縮し、さらに光の強化魔法も纏うことで強度を上げる。

 こうすることにより、圧倒的熱エネルギーの塊と化す。まさに地球の北欧神話に登場する最高神オーディン(しん)の槍、グングニルだ。それを嫉妬のセレジアに向かって投擲したのだ。それに対してセレジアは防御魔法で防ぐ選択をした。これがいけなかった。

 結果は、


 ドスッ!


「うッ、グフッ! 申し、訳ござい、ませ……ゼデルゲート、様」

「何とか乗り切ったか……。嫉妬のセレジア、恐るべき相手だったな……」




 そう言葉を残し、アリエルは他の場所へと向かっていったのであった。






 魔将帝と聖天将同士の戦いにそれぞれ決着がついたころ、ここでも死闘を演じている者がいた。


「『(かみ)(いかずち)』!」

「『魔帝(まてい)淵炎(えんえん)』!」


 最高神アヴェリーナと大魔帝ゼデルゲートの戦いが続いていた。

 アヴェリーナの大規模な雷範囲攻撃に対して、ゼデルゲートはどこからともなく表れた闇をまとった炎で相殺する。


「全く私の可愛い配下たちが二人も一気にいなくなっちゃうなんて」

「余の方でも二人ほど失った。お互い痛み分けといったところか」

「そうね……」


 お互いにそういっている二人だが、それと同時に気づいている。この戦い天使側が圧倒的に不利になったと。確かに魔将帝と聖天将はお互い一緒ぐらいの実力だ。

 だが、その中にもやはり序列は存在する。そして悪魔側で残ったのはヴォルドールとゼローグ。魔将帝の中でも特に危険度が高いとされている二人。

 それに対して天使側で残っていてより戦闘に特化しているのはアリエルのみ。スエラは本来後方支援が得意なタイプ。

 勿論聖天将である限り戦闘が苦手という訳ではないが、それでもルドエルやセレーヌほどではない。



「これは……早く決着をつけないとヤバそうね」

「早く決着を、という部分には賛成する」



 そこまで話した後、二人は再び激突した。





 

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