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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第四章 人類守護奮闘編
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新兵器開発! その名は魔装砲

 王公社交界に出席した日の翌日、僕は早速魔法具開発のためにラントの学園に訪れていた。

 事前に連絡はしてあったのである程度の段取りは向こうがしてくれていた。ただ、せっかくくるのなら授業も見学してほしいと頼まれ、全学年の授業風景を一通り見学することとなった。

 それ自体はいいのだが……


「キャーッ、ラント公爵様よ! 見学に来てくださったのかしら!」

「ホントだわ! ああ、今日も相変わらず輝いてらっしゃるわ!」

「マジか……ただでさえ、俺たち平民は貴族には簡単には会えるもんじゃないってのに……」


 とまあ、そんな感じで結構騒がれた。ただまあ授業を見に来ているんだということにはみんなも気付いていたみたいで、すぐに姿勢を正してちゃんと授業を受け直していたけどね。



 そんなわけで、子供たちからキャーキャー言われながら巡った学園見学も終わり、いよいよ研究所へと向かう。

 そしてそこには既に先客がいたようで、


「待っていましたよ! ラント公爵! 学園の卒業資格取得試験を私が取り仕切っていた時に、あなた方特1の生徒たちが挨拶に来てくれた時以来ですね。これからは教授と生徒ではなく、いち子爵令嬢と公爵閣下の関係ですので、一般的な接し方にさせていただきます」

「お久しぶりです、アッヘンバッハ嬢。わかりました。では僕の方もこれからは今言ったように“嬢”と呼ばせていただきますね」

「ははッ! 以後よろしくお願い申し上げます」


 なんか今までは教授と生徒の関係だったから、凄く変な感じだな。

 そんなことを考えていると、


「お久しぶりでございます、ラント閣下。先日はご挨拶の訪問をご了承くださり誠にありがとうございました」

「いや、いいんだよエデゥアルトさん」

「さん付けだなんて、おやめ下さい」

「ああ、もうこれ癖みたいなものでさ、どうしても自分よりも年上の人、しかも優秀で尊敬できる人とかだと自然と敬称を付けちゃうんだ。貴族としてはダメなのかもだけど、個人で会う場合は慣れてくれると嬉しいな。僕も公の場面なら流石に敬称つけないようにするからさ」

「そういうことでしたら、承知いたしました」

「よし、じゃあ挨拶も済んだし、早速作業に取り掛かろうか!」



 2人とも了承を示してくれたので早速研究に入る。

 まずこの世界には大砲という概念が浸透していない。なので陛下もあの魔法具が大砲のようなものだという意識は無いのだろう。

 そんなわけで多分あれが大砲だと思っているのはおそらく僕だけだ。

 まあそんなことはどうでもいいんだけどね。



 取り敢えず、今目の前にはいろんな素材が並んでいる。そして多い。

 まあ、当然だよね。だって大砲作るんだもん。人より大きいもの作るのに、素材が少なきゃできるわけないもんね。


 というわけで手早く素材を選んで形を形成したり、魔法言語を刻み込んだりしていく。

 こういった素材がいい! っていうのは既に学園側に伝えてあったので用意してくれていた。


 クリスティーナとエデゥアルトも僕が指示していく通りに素材を錬成し、形を整えていく。

 今回は初めて作る魔法具でイメージは僕の頭の中にしかないから魔法言語の刻み込みや、魔法の刻み込みはさせない。

 多分彼らにはこれが具体的にどういった感じで作動するものなのかという予想すらできていないだろうから、下手にいじらせると取り返しのつかないことになる可能性がある。

 なので、1人で作業だ。




 そうして1時間ほど経った頃。


「できた! 完成だ」

「おお、なんと荘厳な雰囲気を発する魔法具であることか……」

「本当ですね。私もこのように巨大で見ているだけで迫力を感じる魔法具は産まれて初めて目にしました」



 2人ともすごく驚いているようだ。それと同時に感じている畏怖はおそらく砲口が僕たちの方を向いているからだろう。

 人間誰でも攻撃性のある凶器を自分に突きつけられると無性に恐怖を覚えるからね。

 ビビらない人間とかあまりいないと思う。


「あとは砲弾を作って終わりだね」

「砲弾? ああ、銃弾と似たようなものですね?」


 僕の砲弾という言葉に最初は疑問を示していたクリスティーナだったけど、すぐに何を作るか思い至ったようだ。

 そしてここでよりこの魔法具の恐ろしさを実感したようだ。実は魔法具を作りながらこの兵器の概要を詳細に説明していたんだ。

 具体的にはこれが銃と同じように物体を飛ばし、相手を葬る兵器だということを。


 その説明をあらかじめ聞いていたからだろう。この砲が放つであろう、銃弾の何十倍もの大きさの弾を実際に飛ぶところを想像し、恐怖で言葉を失っているのだろう。

 そりゃそうだよね。普通に考えてこんなでかさの物体を時速何百キロかそれ以上の早さで飛ばしてくるんだ。考えただけでも恐ろしいだろう。

 エデゥアルトも同じ感じだ。


「このようなものが実際に戦場で使用されると考えると末恐ろしいですな。ですが幸いなことにこれを実際に作っているのはラント閣下で、それを使用されるのはあの忌々しい下種どもですからな。今のところは心配ありますまい」

「ですがこの戦いが終わってひと段落着いたら、また人類だけでこの世界を担っていくことになります。そうなれば意見の対立などで戦争を起こす国などもあるかもしれません。そうなった時この兵器が戦場で暴れでもしたらと考えると怖いですね」

「二人とも、しっかりと評価をしてくれるのは良いけど、まだ試射すらもしてないんだよ? 気が早いよ」



 そういって僕たちは訓練場に行った。僕が王都の学園でリボルバーの試射をしたとき、魔法で強化された的を吹っ飛ばしていたのを教訓に、このラントの学園は全ての設備を頑強な結界魔法で補強している。なので大丈夫とは思うけど、なんか今回の試射はものすごく怖いので一応念のためにさらにもう1枚上級の結界を訓練場に張った。


「それじゃあ、二人とも耳当てを付けてしっかりとふさいでいてね」

「承知しました」

「分かりましたぞ」


 二人がスタンバイできたのを見計らって、僕は撃ちまーすという合図をして返答の合図が来たのでさっそく大砲の起動装置にあたる部分に魔力を込めた。

 するとものすごい魔力圧で大砲が起動し始めた。そして発射の突起を前方に押すと、、


 ドガーーーーーーンッッッ!!!!!


 ものすごい轟音とともに砲弾が発射され、結果は的が設置されているエリアは更地状態。結界にもひびが入っている状態だ。

 勿論これは僕の張った結界じゃない。元から張られていた分だ。つまり内側に張った僕の結界は吹き飛ばされて、さらに奥の元から建物に張ってあった結界にまで大ダメージを与えたということ。


 新人教授二人は絶句している。まあ、そりゃそうだろう。僕だって今ずっと開いた口がふさがっていないのだから。


「こ、これは……」

「戦争に革命が起こりますね。しかも使いどころさえ考えれば悪魔や天使にも通用する威力でしょう。凄まじい……」

「は、はははは……」



 僕たち3人は共通して同じことを思っただろう。


 (((ヤバいもの作っちゃったよ……)))


 この後、陛下にもお披露目し、他の貴族にも見てもらったが全員エデゥアルトたちと同じ顔をしていた。

 そして陛下よりこれを至急、量産するようにと王命が下ったのだった。




 そして新たに開発されたこの魔法具の名は、“魔装砲”だ。

 



本日もありがとうございました。

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