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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第四章 人類守護奮闘編
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苛烈な死闘

やっと投稿できた! ごめんなさい。普段忙しくて、ようやく時間が取れました!

 僕らはお互いが共闘の意志を共有したところで、目の前の大悪魔に意識を向けた。


 そして感じた……


(この悪魔、明らかに色欲のアリシアよりも戦闘特化だ…。何せ纏っている覇気が明らかにレベルが違う。相当な修羅場の数々をくぐり抜けてきたであろうことがヒシヒシと伝わってくる)


 僕は早速ルシファーたちに力の供給を頼んだ。


 そしてみんなの意思を代表して述べたルシファーから返ってきた返事が、


(任せておけ)


 の一言だけである。実に頼もしい。これなら今回も行けるはず。


「一つだけいいかな? 魔将帝さん」

「あ? なんだ?」

「ここで何人殺したの?」


 僕は質問とともに自身の魔力だけでなく、ルシファーたちの魔力も開放していく。今はまだ顕現まではしない。

 とりあえず今はこの質問に答えてもらう。僕の魔力に反応したのか、エデュアルトさんも相手の魔将帝にも緊張が走った。


「あ? ああ。数百人くらいか? 部下のも合わせればもっとだろうな」

「へえ〜。ならこちらも心置きなく仕返しができるね?」

「!!ッ」


 僕は魔力を全開で解放した。英竜闘気だ。


「ははっ。いいねえ! そこの爺さんといい、お前といい、今回は結構粒揃いじゃねえか! この代に魔将帝になれててマジで良かったぜ!」

「そうだね。君は幸運だと思うよ。ここで成仏してこれ以上の悪行を重ねなくて済むから」

「ははは。面白えこと言うじゃねえか。まあ確かにお前はヤベェ。隣の爺さんも相当だったが、あんたが並ぶと霞んじまうな〜」


 僕はそう言われて、隣を見ると悔しそうな顔で俯いてるエデュアルトさんがいた。

 僕からすれば、超位竜2体で魔将帝を足止めしてたことの方がすごいと思うけど、今そう言うことを言うのはただの気休めか。余計不愉快にさせるだろう。

 ここは……


「エデュアルトさんまだいけますか?」

「ん? わしですか?」

「貴方以外に超位竜を従えたエデュアルトさんは居ませんよ」

「そんな、さん付けや敬語などおやめくだされ。ただでさえわしは貴方様より弱い。その上平民です。謙っていただく必要はございません」

「ははは。なら敬語は遠慮させてもらうけど、どのみち今大事なのは身分階級じゃなくて"確かな実力"だよ。その点、あなたならむしろ大助かり。というわけで、そこまで堅苦しくならなくていいよ」

「は、はぁ。承知しました」

「それじゃあ、よろしくお願いしますね。エデュアルトさん!」

「お? お話は終わったか?」

「そうだね、君が案外律義に待ってくれていたからね」


 僕がそういうと、魔将帝はその凶悪な顔に笑みを浮かべた。


「はッ! それはお前とは正々堂々と決着をつけてやりたかっただけよ! 仲間を()ったムカつく野郎だけどよ、お前が確かな実力者だってのは分かるからな」

「お褒めに与り、光栄だよ」

「へッ! 思ってもねえこと口にすんじゃねえよ! ほら行くぜ!」

「こっちも準備万端だよ。そうだよね? エデュアルトさん?」

「もちろんですじゃ」


 そして僕と魔将帝はお互い真剣なまなざしで、相手の出方を伺い、そして……


「うぉぉぉッ! 『閻魔(えんま)咆哮(ほうこう)』!」

「『永久氷獄』!」

「『氷軍(ひょうぐん)大戦歌(だいせんか)』!」


 瞬間的に戦いは始まった。まずは敵魔将帝の炎魔法。どうやら強烈な熱波を指向性を持たせてこちらに放つ魔法のようだ。

 僕はすぐに伝説級の氷防御魔法を発動させる準備に入り、そして発動した。それに合わせたようにエデュアルトさんが氷系の支援魔法を発動させてくれた。流石だ。僕が選択した魔法に合わせて即座に適した支援魔法を発動してくれた。魔力量、魔力強度、身体能力が飛躍的に向上したような気がする。

 ものすごい魔法だ。氷属性の魔法は無双状態だぞこれ。


 と、そんなことを考えているとまたもや……


「『炎将(えんしょう)鼓舞(こぶ)』!」


 今度は炎系の支援魔法だ。ははは、ホント愉快な人だ。凄すぎだよ全く。

 これは負けられないな。これほどにまで素晴らしい支援をしてくれる味方がいるんだ、負けたら一生の汚点になるな。

 まあ、負けた時点でこの世に肉体が残ってるかどうかが怪しいんだけど……だって相手悪魔だし。


 まあ、今はとにかく勝つことだけを考えよう。本当に負けたら後がないよな〜とか、そもそもこの超凄腕のお爺ちゃん何者? とか色々考えたいことはあるけれども、今は目の前に迫ってくる敵をどうにかしなくては。そう思い、僕の防御魔法の効果が切れたと同時に再度迫ってくる魔将帝に対して、新たな魔法を発動させる。


 それは単純であり、だが同時にとてつもなく強力な魔法。


(こおり)尖槍(せんそう)!』


 そう、ただ単に氷の鋭い槍を放った。確かに威力は強いし、発動も楽。とても優秀な魔法だ。でもそれだけなら普通に防げる。

 だがそれならなぜ目の前の魔将帝は少し焦ったような顔になっているのだろうか? 答えは簡単。


 数だ。


「ちょ、おい!! 何だこのバカみてえな数の魔法はよぉ!」


 裕に百本は超えているであろう槍の雨が魔将帝に降り注ぐ。確か、ヴェルノートだっけ? 彼は必死になって避けたり、結界で防いだりした。普通なら結界魔法で一発で対処できただろう。だが目の前でいきなり百本以上の氷の槍をお見舞いされたのだ。

 対処に一瞬遅れが出るのも仕方がない。


 でもそういうボロが出るってことは……


「ねえ、魔将帝さん。まだ僕のこと少し舐めてる?」

「ははは、バレちまったか! 少し試してやろうかと思ったんだが、体の数か所を見事に持ってかれたぜ! まあ、治るからいいんだけどよ。なるほどなるほど、こりゃ本物だわ。いいぜ、こっちもマジでやってやる!」

「最初からそうしてもらいたかったんだけどね。まあ、いいや。『熱収束砲(ねつしゅうそくほう)』!」

「わしも援護しますぞ! 『聖炎(せいえん)(とどろ)き』!」

「おうおう、元気いいね! 『()らめく獄炎(ごくえん)』!」


 僕が熱を極限まで収束して放つ上級魔法を、エデュアルトさんは揺らめく猛火を前方に惜しみなく放出する伝説級魔法を放った。勿論この程度の魔法でどうにかなる相手じゃないってのは分かってる。故に陽動だ。

 案の定、悪魔は闇と炎の魔法を組み合わせた混合魔法で僕らの魔法を防いできた。だがその魔法同士の衝突で発生した爆炎はしのぐことはできない。


 その隙を見逃さず、僕は自分がよく使う魔法の中でも特に強い魔法を選んだ。


「『火炎爆裂熱波(かえんばくれつねっぱ)』!」

「ぬォッ!! く! させるかよ! 『閻魔(えんま)咆哮(ほうこう)』!」


 僕と彼の魔法がぶつかり合った。そしてふと気づく。彼の魔法、強度も持続時間も長くないか? そしてその理由を理解すると同時に関心もした。

 やはり極悪人たちとは言え、魔法師としては悪魔は超一流なのだと。

 おそらく魔力量を増やしてそれを制御しているんだろう。僕にもできるのだから彼にもできるのだろう。

 そんなことを思いながら、撃ち負けないように制御していると、隣でエデュアルトさんが、


「あ奴め、本当に本気を出しよったか。わしの魔法に打ち負けたのが、よほどこたえたか」


 そんな独り言が聞こえてきた。え? マジで? あれって相当な精神力と魔法制御能力が必要なんだけど。見たところ、このおじいさんの竜は二体でどちらも超位竜。

 普通に考えるとめちゃくちゃ凄いんだけど。悪魔の魔法を打ち負かすほどの、それも最上級の悪魔の魔法を打ち負かすほどの魔力って言ったらそれ、このおじいさんの能力から考えて制御可能範囲超えてるよね? 凄くない?

 まあ、今はいいや。あとで時間があればどうやったのかとか聞けばいいし。


 とにかくこのまま押し切る!


「自分たちのことしか考えられないような迷惑な連中に僕は負けられない! 僕は今や自分の身だけ守ればいい立場じゃないんだ! 君たちのような存在から人々を守らないといけない!」

「はッ! そいつぁご立派な心掛けだな! だがな……ん? おい、おいおいおい!」


 僕は今使っている魔法によりたくさんの魔力込めた。すると、


「なんつう、強度だよ!? グオぉッ!」


 僕が放った爆炎の中に魔将帝・傲慢のヴェルノートは引きずり込まれた。


 数十秒が経ち、あたりから煙も消えてきたころ。そこに揺らめく人影が一つ。

 はあ、まさかあれで生きてるなんてね……


「やってくれたな、小僧。まあ、でも悪くなかってぜ? 久しぶりに本気で焦ったからよ。いやぁいいね。これほどまでに俺を追い詰めてくる奴は久しくいなかったからよ? そこの爺さんもなかなかだったが、決定打にはならなかったしよ。おもしれえよお前」

「ほんと今ので生きてるとか、どんな防御力してるんだか」

「ははは、それはおめえ悪魔を舐めすぎッてやつだよ。アリシアはどっちかって言うとからめ手に関して右に出る者はいないって感じだったからよ。正面衝突はあまり得意な方ではなかったんだよ。でも俺は違う。完全な戦闘特化だ。この程度の傷もすぐ治るしよぉ」


 普通にこの生命力は厄介だ。腕を飛ばしたり、足を消し飛ばしたりしても秒速で再生してくる。一気に体ごと消滅させるような魔法を放たないと勝負はつかなそうだ。

 これは前の魔将帝戦よりも苦戦しそうだ。覚悟を決めないと。


「なら、体ごと吹き飛ばすような魔法を叩き込むまでだ!」

「出来るものならやってみな? 俺はどっちかって言うと追い詰められねえと本気出せねえ質だからよ。本気だすっつってもなかなか出来ねえのが現実なんだよ。でもお前なら出来そうだな。楽しませてくれよ?」


 そういうと、彼からとてつもない程に巨大な魔力圧が僕とエデュアルトさんに対してのしかかってきた。これは気を抜くと膝を付いてしまいそうだ。気をしっかり持たないと!


 それにしてもヤバいなあ、これ。悪魔が放つ魔闘覇、だっけ? 一般人ならこれ恐怖で発狂してそのまま人によっては戦闘不能になるだろうな……



 だけど、こっちだって負けられない。なので僕もこの威圧に応えるように魔力波動を放った。


「ッ! ほう、なかなか」


 彼もかなり驚いているようだ。


「それじゃあ、始めよっか」


 そういって僕はルシファーたちを一気に召喚した。


「ははは、これは良い! マジですげえよお前。神位竜が一人の竜魔導師に5体も力を貸すかよ!」

「こ、これほどとは……」


 魔将帝は楽しそうに、エデュアルトさんは絶句しながら感想を述べる。


「いいぜ! じゃあ、最終決戦と行こうじゃねえか!」


 そして僕とヴェルノートは再び激突した。



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