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まさかの貴族に転生、そして最強竜魔導王となる!  作者:
第四章 人類守護奮闘編
102/168

王都の隣領にて……

やっと更新出来た……。次も頑張ります!

 ここは王都の隣の領地。距離にして徒歩で4日程度離れたところにある。

 そこでは目をそむけたくなるような光景が広がっている。理由は考えるまでもない。悪魔が人間領に攻めてきたのだ。

 理由は……


「オラオラだせや! 俺らの仲間の一人をやりやがった竜魔導師をよーッ!」

「あのお方がこんな所にいらっしゃるわけないだろ!」

「じゃあ、どこにいるっつーんだよ!」

「ラント領に決まってるだろ! 貴族様はそれぞれ領地を持っておられる! 正確な場所までは俺らは平民なんで分からないが、とにかくここではない!」


 たまたま運の悪い事にこの大悪魔、魔将帝であり、またの名を七つの大罪・傲慢のヴェルノートに見つかった男がそういった風に答える。


「そもそもあんたらは何なんだ! 伝承によるとあんたらの敵は天使だろ! 俺たちにわざわざ牙をむける理由はないはずだ!」

「だーかーらー、さっきも言ったがある竜魔導師を探してんだよ! お前らがあのお方とか呼んでるその竜魔導師をよ~。でも俺らは顔を知らないんだよ。だからこうやって情報”提供者”を探して回ってんのさ」

「何が提供者だ! 尋問や拷問を通り越して殺戮じゃないか!」

「うーん、まあそうかもな。取り敢えずお前はもういいや。死ね」


 そう言ってヴェルノートは炎の下級魔法で話していた男を始末しようとした。

 その時、


 ドーンッ!


 激しく舞い上がる土煙が止むと、そこには一人の魔法師がいた。


「外道めが! 図に乗りおって! わしが相手だ!」

「あ、あんたは!?」

「この街を拠点に活動している魔法教師じゃよ。個人的に若い世代の者たちに指導しておるのだ。それよりもお兄さんや、早よ逃げなされ」

「た、助かる!」


 短いやり取りを経て、男は踵を返し逃げていく。


「おいおい、なんだ爺さん? 邪魔すんのか?」

「無論、そのつもりだ。余所者風情が調子に乗りおって!」

「おお、言うね~。嫌いじゃないぜ? そういう熱い奴は。だが爺さん俺に勝てんのか? まあ、もうあの男には興味なかったから、逃げるなら逃げるで別にいいけどよ~。俺らの行動まで邪魔されるのはちと困るわけよ?」

「ふん、知ったことではないわ! 冥界でおとなしく過ごしておればいいものを、数千年おきとはいえ毎度毎度この世界を汚しおって!」

「ん? アンタらの都合とかどうでもいいけど、それよりも気になるのがアンタ今なんて言った? 毎度毎度? それってつまり……」

「おおそうじゃ。そのつまりじゃ。前回の戦争を経験しておる」


 そう、この男、竜魔導師なのだ。それも……


「わしは炎と氷の超位竜に認められし竜魔導師だ! 元金剛級冒険者としての矜持をもって、貴様を葬ってやる!」

「へえ~なかなかすげえじゃん。でもよ、超位竜じゃ俺様には勝てないぜ?」

「そんなことは百も承知。貴様、おそらく魔将帝と呼ばれる位階の悪魔じゃろ?」

「分かんのかい?」

「分かるとも。何故ならわしは準魔将までなら相手してやったことがあるからのう!」

「なるほどねえ……」


 ヴェルノートはようやくこの老練な竜魔導師を危険人物として認めた。自分たち魔将帝の直属の配下となれる実力を持つ準魔将。その者たちと対峙したと言っているのだ、この老人は。

 しかも口ぶり的に……


(コイツその準魔将に勝ってやがるな……なめてかかってっと俺の部下もまとめてボコされちまうかもな。しかも前回の対戦の生き残りっつうことは少なくとも1000年以上生きてやがるなコイツ。経験でも若い準魔将なら足元にも及ばねえか……)


 ヴェルノートは人間を超えるはるかに高度な脳機能を使って今の思考を瞬時に行った。


(おもしれえ……久しぶりに骨のあるやつに出会ったかもしれねえな! 俺たちの目的はうざったい羽虫どもとの決着でこの世界には何の興味もねえが、それでもこういうのを見ると割とシャバも悪くねえのかな? 俺たちの世界は閉ざされていてつまんねえからな)


 とにかくヴェルノートは話を進めようと、


「まあ、いいや。とにかく久しぶりに良さげな相手に出会ったんだしよ。楽しもうじゃねえか」

「何が楽しむじゃ。おぬしらに別に何もしとらん人間を好き勝手いたぶりおって!」

「まあ、そうだなあ。確かに任務遂行の為って言っても弱い奴らいたぶっても何も楽しくねえしな」

「そういう気持ちがあるならなぜこんなことをしでかしたんだ!」

「だから任務の為って言ってんじゃん。それよりあんたの名前はなんていうのさ」

「ふん。わしの名はエドゥアルト・アイブリンガーだ」

「ほおん。覚えとくよ、エドゥアルト」

「悪魔に名前を憶えられてもうれしくなどないわ!」



 その後二人は魔力全開で激突した……。






 エドゥアルトとヴェルノートが衝突したタイミングとまさに同時刻、とある人物が王都前に転移してきた。


「着いた。特級が届いたということはかなり急ぎってことだよね? 早く王城に行かないと」


 王城に直接転移できれば一番早いのだが、さすがにそれは貴族たちが承認しなかった。王族全員が全会一致で許可しているというのに、貴族の多くが反対するという謎の状況が出来上がっていたらしい。

 とまあ、話が脱線したけどとにかく今は徒歩で王城に急がないといけない。

 そうなるとだ、バレてしまうのだ。僕は今王都の往来を馬車無しで移動しているわけで、当然衆目にさらされている。

 なので、


「あ! アレン様だ!」

「嘘!? ほんとだわ! 今日も相変わらず男前でいらっしゃるわねえ」

「でもどうしたんだろう? いつもは普通の執務服なのに今日はガチガチの礼服だぞ?」

「確かにそうねえ」

「それにしてもものすごい勲章と肩章の数だな。あれだけでどれほど偉大なお方なのかがわかるってもんだ」


 と、そんな感じでたくさんの人たちが騒ぎ出す。幸い、僕の急いでるような雰囲気と貴族への礼儀でいきなり突撃インタビュー的なことにはならなかったが、目立ってしまう。

 なのでここは適度に国民に応えつつ早く王城に向かうのがいいだろう。




 そして馬車がないので早歩きで王城に向かうこと30分ほど。やはり王都は広いもので貴族街の中心のさらに内側の中心街の門の外に転移してきたのにそれでも歩くのに30分かかった。

 とにかく急がないとまずいので僕は遅れた分を取り戻そうと急いで王城の衛兵に声をかけた。


「あの、そこの師団員さん。ちょっといいかな?」

「はい。え!? こ、これはッ! 失礼いたしました、ラント閣下!」


 驚きながらもすぐにこちらに対応しようと近づいてきてくれた。


「お話は伺っております。今回は検問は不要ですのですぐに案内の者をお呼びしますね」

「あ、うん。ありがとう」


 まさか、入城検査の検問まで不要って……まあそれもそうか。隣領が侵略されてるんだもんな。


 そして待つことしばし。


「おお、お着きになりましたか! ラント閣下。お久しぶりにございます」

「うん、久しぶり。クリストフさん」

「ご挨拶もそこそこですが、さっそく陛下もお待ちですのでご案内いたします」

「うん、よろしく頼むよ」

「では、こちらへ」


 僕はいつものようにクリストフさんに付いて歩いていく。そして5、6分ほど歩いたころ、いつもの会議室が見えてきた。


 そしてクリストフさんがノックをして中にいる人たちに僕の登城を知らせる。


「皆さま、お待たせいたしました。ラント閣下がお見えになりました」

「うむ、通せ」


 中から陛下の声が聞こえてきたのでクリストフさんが扉を開ける。


「ではラント閣下。お入りください」

「うん、案内ご苦労」

「失礼いたします」


 そういってクリストフさんは陛下の後ろに控えていった。


 僕はまずこの場に集まっている人たちにあいさつをした。


「アレン・ベッケラート・ラント辺境伯、ただいま参上いたしました。時間がないという状況で大変お待たせしてしまいました、誠に申し訳ありません」

「よいよい、国家の英雄が簡単に頭を下げるでない。余ですらおぬしの国への貢献には感謝しておる。ここにおぬしに対して頭の上がるものなどおりはせぬ。多少待たせたぐらい気にするな」

「お心遣い感謝申し上げます」

「うむ。とりあえず座りたまえ」

「失礼します」


 今この場には、陛下、バルツァー公爵、グスタフ、アーベントロート伯爵、ベッカー侯爵、アードラー大公、ボーゼ大公にバーデン大公。そしてその他の公爵何名かだ。


「それでは会議の続きを始めるとしよう。議題は……今後の悪魔および天使討伐を出来る者の隣の領地への派遣と、その討伐員たちへの支援方法についてだ、そして国内での対策についてだ」




 かくして国家存亡の危機に立ち向かうための会議が今開始した。


(ここからは時間との勝負だ。早く対策を決めて、現地に向かわなきゃ)





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