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一生、一緒。

「カエデ、緊張しているか?」

「もちろんだよー。明日だもんね、結婚式。もう吐きそうだよ」

「大丈夫だ。ちゃんとカエデには付添人が十人と、通訳が五人、世話係が二十人つくからな。心配するな」

「……それ、ちゃんと私の姿、見えてんのかな……」


次元が違いすぎて、なにを話しても、不安に陥るわっ‼︎


ごそっと動くと、マッフーが手を伸ばしてくる。

ヤバイヤバイヤバイ、出川哲◯並みにヤバイ。


それはなぜかと言いますと。今ですねえ、就寝中なのですよ。マッフーと二人っきりでベッドの中なんですよ。


明日が結婚式だというのにですよ。


こういうことは結婚式終わってからだと思うんですけどねっ。


「カエデ」


布団が波を打って、私の方へと寄せてくる。マッフーの顔がすぐそこまで近づいてきて、私はその濃いグレーの瞳を見つめた。けれど恥ずかしいなんて気持ちはどうやらとっくに日本へと置いてこれたようだ。これほどまでに、マッフーをガン見することができる。


しかも。しかもだよ。幸せだなあって、じんわりくるんだよ。


これが恋。

両想いって、ハンパない。


近づいた鼻に、自分の鼻をすりっと寄せると、マッフーが幸せそうに微笑んだ。


心が、あっという間に満たされていく。

好きという気持ちは伝染し、相手にこうも伝わるものなんだ。


「カエデ、かわいいな」


ふふ、

胸が、心がこそぐったい。マッフーの胸に頭を潜り込ませて耳をひっつけると、心臓の鼓動が伝わってきて、マッフーの温かい体温とともに、私を熱くした。


腕が背中へと回される。すうっと、背中をさすってから下へとおりていき、そのまま腰へと滑り落ちた。


「マッフー」


大好き。色んなことがあったけれど、少しずつ少しずつ、私の中では恋心が育まれていったんだ。


明日の結婚式で、私たちは夫婦になる。


「マッフー、幸せ?」


私が聞くと、耳元に唇を寄せてきて、囁いた。


「ああ、幸せだよ、カエデ」


腰を撫でていた手が、私の頬を包む。甘いキスをしてから、マッフーは私をしっかりと抱きしめた。


「一生、一緒だ」


こんなに幸せなことってある?

まさか自分がアラブの王子さまに求婚されて、それで結婚するだなんて。そんなおとぎ話のような話。夢みたいな話。


神さま。

ありがと。

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