わたくしのせいだと⁉︎
「だからって最終的に、大学生協でタピオカってんじゃねえ」
「……はい」
「なあ、おまえ、本当に反省してる?」
「はい、もちろん反省しています。ごめんなさい」
サークル室の真ん中で、ぴんっと背筋を伸ばし正座した私の前で、腕を組んで立ちはだかっている今井部長の、目が怖い。
しかも、上半身、裸ときた。
「なあ楓。高速回転している大縄がだよ? もし制御の効かないウミヘビになったとしたとしたら? いったい、どうなると思う?」
「……喰われます」
「だよな」
「すみません」
「おまえがな、大縄を急に放り投げるからさ」
「はい、部長の逃げようとする背中に、ウミヘビが喰らいつきました」
「だろ? ……いったい誰が悪い?」
「すみませんでしたあぁぁ」
よし。そのままこうべを垂れて、深く反省しろ。
そう言って、部長は手を伸ばして、上半身裸の背中にサロンパスを貼った。
私は畳の上に置いた両手に力込めて、握りこぶしを作る。
「くそう、これもあれもすべてマッフーのせい……」
言いかけると、サロンパスをもう一枚めくりながら、部長が振り返る。
「楓。誰が悪いって?」
「……わたくしでありますっっ」
「うむ。そうだ。わかっているならよし」
そして、部長は手を背中に大きく回して、サロンパスをすううっっと音もなく貼った。




