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息も絶え絶えに帰還です。


「ちょっとマジでウケる。マジウケ、マジで……ウケる」

「部長っうるさいっっ」

「だだだって、だってだって」

「伊達政宗」

「滝先輩もうるさい。ってか。ってか? 滝先輩がデートはビアガーデンなんて言うからっっ? 私はっ? あんな目に? あったんだっつーのっっ‼︎」


あの日。ビアガーデンでマッフーが寝てしまったその後、談。


ビールの酔いもあったからか完全にグッスリと眠って起きないマッフーを、もともと兼ね備えていた根性と、フラワーショップ『リンカ』で培われた火事場のクソぢから・・・・・・でおぶって抱きかかえ、タクシーに押し込んで乗せたものの、そのまま家に帰ることもできず、このサークル室まで命からがら帰ってきたのだ。


サークル室前の地面には、人を引きずった殺人現場のような跡がくっきりと残っているであろう。


そのままマッフーをサークル室に放り込もうとしたところを、サークル室のいつもの麻雀メンバー、今井部長と滝先輩、松下、タメちゃん先輩に見られた、ということだ。


散々な目に遭った‼︎ 散々な目にっっっ‼︎


「楓の顔、めちゃくちゃ真っ赤だったな」

「マッフーが重くて吐きそうだった……」

「デートがなあ。まさかのまさか……」


続けて、


「ぶはあっっ」

「ぐはあっっ」


腹を抱えて笑う二人に、目くじらを立てながら、私は叫んだ。


「滝先輩のせいだよっ、お金、返してよっっ‼︎」


往復のタクシー代と二人分のビアガーデンの料金。二ヶ月分のお小遣いを排出してしまったのだっ⁉

もう泣きそう。︎


はあはあひいひい、だてまさむねえええと、のたうち回っている部長と滝先輩を、このまま足で蹴り飛ばして、宇宙の彼方へ飛ばしたい。燃え出ずる殺意を内に秘めながら、私はサークル室の扉をバシンっと力任せに閉めた。


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