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陽炎  作者: 音音
一章 バーレンウォート
2/24

1.夜闇

「殿下、こちらへ!」


揺らめく炎の中、一組の男女が走り続けていた。

男の方は軽鎧を纏い、両手に二本の短剣を持っていた。

そして、女の方は上等な白のドレスを着ていた。美しい顔を持ち、肌艶の良さからも高貴な身分と伺える。


その男女は、轟々と燃える屋敷の中、出口を目指してひた走る。


しかし、その行く手を二人の男が遮る。


「逃がしはせん」


屋敷の衛兵であろう、鎧をまとった男二人だった。

すぐさま、軽鎧を着た男が肉迫する。


軽鎧を着た男の名は、エドワード・ギルダー。

王国の騎士であり、後ろの女の専属護衛でもある。

黒髪、黒い目をした、少し小柄な18歳で、その若さでありながら、卓越した技術を持つアサシンであった。


「陽炎」


エドはスキルを放つ。

衛兵と打ち合う瞬間、エドの姿は消え去る。

そして一人の衛兵の首を背後から切り裂いた。


【陽炎】エドが最も得意とするスキルで、周囲の空気を瞬時に高温にすることで幻影を作るスキルである。


「さすがは王国屈指のアサシンというところか!」


生き残った衛兵が鋭い目つきで吠え距離を取る。


「くっ、隙がない。殿下お近くに。」


エドは油断なく相手を見ながら呟いた。

殿下と呼ばれた女はエドのすぐ背後に立つ。


女の名はミランダ・アイネ・オブ・イングリス

イングリス王国の第二王女である。

金髪に碧眼、抜群のスタイルと、なんともテンプレートな容姿をしているが、性格は非常に優しく歴代の王女の中でも指折りの人気を博している。


さて話を戻そう、


明らかに相手は手練だった。先に倒した衛兵とは明確に差があった。

また、扱う武器も衛兵は槍に対しこちらは短剣である。明らかにリーチに差がある。

目の前の人物はエドの技量で勝てるのか分からない、しかも人一人を守りながらとなればなおさらであった。


「しかし、逃げるが勝ちだ!」


エドはそう叫ぶと、近くの火によって脆くなった柱を脚で蹴り折った。


崩れ落ちる焼けた天井が衛兵に襲いかかる。


しばらくして、衛兵の視界が晴れた頃には、倒壊によって壁に空いた穴から外の闇が見えるだけだった。


お読み頂き誠にありがとうございます。

初作品で完全に初心者ですが、伏線ちゃんと回収できるようにがんばります!

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