お隣さんからの告白
CDドラマ用のシナリオです。
ほんわか系の好きな声優さんの声を当てはめて、お楽しみください。
もうすぐで、晩ご飯ができますよ~
あ、ちょっと手があかないから、テーブルの上、拭いておいてもらえます?
あと、お箸もお願いしまーす。
はい! 今日は肉じゃがですっ。
我ながら、美味しそうにご飯も炊けました!
見てください、ごはんの一つぶ一つぶが立ってるでしょ?
これが美味しい、ごはんの証拠です。
はい、じゃあ、冷めないうちに。
いただきます!
うん、やっぱり美味しい!
肉じゃがのじゃがいもは、ほくほくだし
お味噌汁も、完璧!
なめこと、お豆腐のお味噌汁。
お隣さん、たしかお好きでしたよね?
え、美味しい?
えへ、嬉しいな~
本当、お隣さんは、いつも美味しそうに食べてくださいますね!
作り甲斐があります。
……こうやって、二人でご飯を食べるの、何度目になりますかね~?
はじめは、私がマンションの鍵をなくしてしまって困っていたら、隣の部屋のあなたが、助けてくださって。
そのお礼に、晩ご飯にお誘いしたんでしたっけ?
ああ……もう半年もたちますか。
覚えてます? あのときも、肉じゃがだったんですよ?
でも、今日みたいに美味しくできてなかった。
田舎から上京して、一人暮らしをはじめたばかりだったから、私の料理スキルがまだまだで。
でも、お隣さんが、とっても美味しそうに、私のご飯を食べてくださるから、本当に嬉しかった。
あの頃ね? なんとなく、都会の人って冷たいなぁっと思ってて
私は大学でもなかなか馴染めなくて、さびしかったんだ~
……ほらー、またほっぺたに、ごはんがついてるっ。
あ、そこじゃなくて。
動かないで? 取りますね。
……あれ、なんの話でしたっけ?
そうそう、はじめてお会いしたときの話をしていたんでしたっ。
懐かしいなぁ。
……でも、何度か聞きましたけど、本当にいいんですか?
私とこんなふうに、ご飯を食べてくださって。
その、彼女さんに叱られません?
……うーん、付き合ってる人がいないって言いますけど……モテますよね?
優しいですし。
私は、一人でご飯を食べるの味気ないし、私の作ったものを食べてくれる人が目の前にいると嬉しいから、ぜんぜん、構わないんですけどっ。
……というかですね。
最近、よく思うの
こういうのが、世間が言う、幸せなのかなぁって。
幸せって言葉、恥ずかしいですねっ。
でもこれはそういう気持ちなんです。
そのことに気づいたら、ちょっと恐くなっちゃいました。
こんなふうに、いっしょにご飯を食べれるの、いつまで続くんだろうなぁって。
当たり前になってきましたけど、当たり前じゃないんだよなぁって。
だから、お隣さん。
お伝えしたいことがあります。
私、あなたのことが好きです。
これからも、ずーっとずーっと、いっしょにご飯が食べたいです。
その……
……不束ものですが、私を恋人にしてくれませんか?