流れ星
今日の夜景は綺麗だ。空には雲ひとつなくて、星もしっかりと見えている。2月の夜はとても冷え込むけど、この景色が帳消しにしてくれる。
「ああ、最高だ。良かった....最後にこんなのが見れるとか...俺は運がいいな」
俺はそう言いながら手すりの向こう側へと足を運んだ。下を向くと、直ぐに吸い込まれそうな程街を近くに感じた。手すりを越えるだけでこんなにも違うなんて。
「やっば...震え止まんねぇ。」
この光一つ一つが、夜景を作っている。震える身体を何とか抑えながら光へ飛び込もうとするが、身体は言うことを聞かない。何度も、何度も飛び込もうとしたその時だった。
「あ、流れ星」
俺の上の空を、流れ星が通ったのだ。
「あ....あれ?」
流れ星に気を取られた俺は、足を踏み外し、見事に落ちて行った。
「ああ、これでいい。やっと終われるんだ...俺は、やっと死ねるんだ......」
高層マンションの屋上から飛び降りた俺は、光の中へと吸い込まれて行った。
「ぁぁ...でも...最後に願うとしたら..........金髪の美少女と結婚してみたかったなぁ............