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さすらい猫の涙。


(さすらい猫は、魔女の魔法で

(可憐で冷たい、少女の姿で

(死ねないからだを引きずって、

(街から街へと、さすらう運命さだめ



さすらい猫の涙には、

ほんとはなんの意味もない。

さすらい猫が涙するのは、

眠くてあくびをしたあとか、

悲しいアニメの最終回か、

真夜中詩を書くときくらい。


さすらい猫の涙には、

ほんとになんの意味もない。

さすらい猫は寂しさを、

誰にも告げやしないもの。

さすらい猫は悲しさを、

噛み締め飲み込み、笑うから。

さすらい猫の笑顔には、

ただ一筋のかげりもない。


さすらい猫の喜びは、

大事な人と過ごすこと。

さすらい猫の満足は、

大事な人との関係で、

さすらい猫の苦しみは、

大事なひとに嫌われること。

さすらい猫は寂しくて、

さすらい猫は惚れっぽいけど、

さすらい猫の心には、

たった1人の人がいる。

無論誰にも言わないが、

消して消えない人がいる。


それは何年立とうとも、

何十年を経ようとも、

何百年に疲れ果てても、

彼女のアレを思い続ける。

もし世の中に永遠の

愛というのがあるのなら

さすらい猫の、彼女への愛、

その愛こそが、永遠の愛。


さすらい猫の涙には、

ほんとはなんの意味もない。

さすらい猫は愛を知り、

その永遠を知ったけど、

さすらい猫を、見ていると、

なぜだか、哀しく、なってくる。

真夜中の詩を、書きたくて、

真夜中の詩を、書きつづる。

なになすことなく、夜を生き、

『生きて、花実を、絶対、咲かす』

自分じゃなくて、彼女のために、

誓った孤独が、ここにある。


逃げない孤独と、戦う寂しさ。


さすらい猫の涙には、

ほんとになんの罪もない。

さすらい猫の涙には、

ほんとになんの意味もない。






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