パーティ名を決めよう
「あなたがソーマ?冴えない顔ね」
開口一番の言葉がこれだった。
彼女の名前はエルザと言う。海を思わせる透き通った腰まで届く青い髪。笑顔を浮かべているが口調が若干棒読み。ソードダンサーという職業上級職らしい。上級職がなんで俺なんかの初心者パーティに参加したがるのか甚だ疑問だった。
「顔は関係ないだろうが!とりあえずよろしくエルザ」
「スライム1匹も倒せない奴とよろしくするつもりはないわ」
「じゃあなんでパーティ参加しようとしてるんだよ!」
てかなんで知ってるの?そんなに目立つ行為なの?
「冗談よ。前に入ってたパーティが解散になったから適当に募集してるところに来ただけよ。」
口悪いじゃないてすかねぇ!まぁ上級職が入ったんだからそろそろスライムぐらい倒しに行こうかな?
「ウォーミングアップしてたんだよ。採取クエで。そろそろ夢と希望のモンスター狩りに行こうと思っていたんだよ」
「あらそう?それなら良かったわ。腰抜けと一緒だったらどうしよかと思ったわ」
悔しい!絶対見返してやる!
「早速クエストを付けたいのだけれど、このパーティ名前がまだないようね?決めなきゃ受理されないわよ?」
そういえばパーティって名前がいるのか。すっかり忘れてた。ここはそう、かっこいい名前が…
うーん
「ネームレス、そうだ『ネームレス』が良い!」
「却下よ。意味がわからないわ」
即答しなくても良くないですかね!確かに地球にある言葉じゃ意味は伝わらないかな?
「名無しのパーティなんて意味がわからないわ」
「伝わってるのかよ!じゃあいいじゃんいいパーティ名なんか思いつかないしさぁ。代案あるの?」
するとエルザは顎に手を当てて考えだした。数十秒後に首を傾げて
「『エルザ様とその一味』?」
「嫌だよ!なにそのエルザがメインのパーティ!?」
俺主人公したいのに下っ端になってるじゃん!
「少なくとも『ネームレス』よりかは好感が持てるし意味も分かるわ」
「却下だよ!何考えてんだあんた!?」
このあと反論してたらボコボコにされました。流石は上級職、かてる気がしねぇ…
パーティ名を受付嬢に告げる際は「ネームレス」と言っておきました。
いくらなんでもあんなパーティ名酷すぎる