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双華のディヴィーナ  作者: 賀田 希道
氷華誕生編――Birth of Flores
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ファースト・チャレンジ

 周囲から歓声が聞こえてくる。それはまるでローマ帝国時代における剣闘士(グラディウス)たちの決闘のときのようだ。互いに互いの血を求めて争うという実に愚かな行為に、狂乱の声をあげる。

 どっちにしろ、ロクなもんじゃない。


 イタリアはミラノに空中闘技場という巨大建造物がある。文字通りの空中に浮かぶ巨大な闘技場だ。魔導師とかいうインテリ連中のおもちゃの一つである。そんでもってその連中がつくった怪物だったり、開発した新しい魔法なんかを発表する。

 それともう一つ、この闘技場を使う時がある。主に十二月オンリーに。



 バチリと電気が空気を伝う。その雷が俺の頬をかすめた。

 使ったのは俺の眼の前にいるマスクを付けた魔導師。十字の仮面を付けた変な野郎だ。黒いスーツにベージュ色のコートを着ている。

 魔導師ならよくある格好だな、マスク以外は。


 魔導師とは端的に言えば自力で神の奇跡の一端を手に入れた人間のことだ。大気中に含まれている特殊な粒子──瘴素を使い、魔法という神の奇跡を再現する。

 十四世紀にダンテ・アリギエーリとかいう人間がもたらしたもので、彼はこれを地獄(Inferos)から持ち込んだとかなんとか。地獄から持ち込んだものが神の奇跡とは笑える話だ。


 ただ意識をして『言葉(Language)』を口にすりゃ神の奇跡が起こせるなんて、神の奇跡の安っぽいことこの上ない。炎出ろ、とか口にすりゃ灯火程度の炎が出るならライター並だよ。

 

 さて、気を取り直して集中しよう。

 向こうさんはただの雷をパコパコ撃ってくる二流魔導師。負ける要素は俺にはない。



 それが2023年冬のことだ。結局その魔導師つぶした次の次くらいに色々あって負けた。


 そして2026年春、私立遠海(とおうみ)魔導師学園より、この物語が始まる。

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