幕間 休暇のあとで・・・
取りあえずオマケ。すごく短いです。
「あ、『精神束縛解放』の副作用で寝れねえや」
頭を掻きながらばつの悪そうに出てくるジンさん。
その足でキッチンの方に行き、何やら白い箱をガチャガチャやっている。あとで聞いた話だが、物を冷やして保管する物らしい。動力はもちろん魔力。
「お、あったあった」
満足気に缶飲料をぶら下げて俺の前に座るジンさん。プシュッと音を立てて開けると、一気に呷った。
「ぷはー、うめえ! あ、そうそう。折角だし今日の事について何か聞きたい事はある?」
俺は『ハンディ魔物大全』から顔を上げた。うーん、そうだな...
「何個かあるんですが、まず『スキル』と『魔法』の違いってなんですか?」
「そうだな、後者は誰でも使えるし、種類はいくらでもあるし自分で新しい物を作る事ができる。
だが前者はその人それぞれの物で、誰もが使えるというものではない。正直違いはそれくらいしか無い。
あ、あとスキルにはパッシブとアクティブの2種類があって、パッシブは常時発動、アクティブは発動をコントロール出来る。例えばロゼの『読心』はパッシブ、俺の『情報』はアクティブだ」
なるほど。あ、あとは...
「『人型闘気』とは?」
「あれは今はスキルの強化版だと思っていて良い」
今は? まあいいか。
「なんで精神束縛なんてしてるんですか?」
「格好いいから」
「 は ? 」
「いや、『今までは本気の半分程度しか出していないのさ』とかやりたいじゃん」
「...」
「つ、次の質問は?」
想像以上に理由くだらなかった。
「じゃあ最後に一つお聞きしますね」
「なんだ?言ってみろ」
「俺魔力0だから魔法使えないんですよ」
「なんで『魔法大全』なんですか!!!!使いたくなるでしょ!!!!」
「あぁー...なんか眠いなぁ、おやすみー」
ぐんにょりとした顔になるジンさん。逃げる気か!?
「逃げましたね!?何も考えていなかったんでしょう!?」
「ごめん眠くて聞こえないおやすみ」
バンッ!と音を立ててドアを閉じるジンさん。
まあ、『魔法大全』は面白そうだから読むんだけどね。魔力0でも使える魔法あるかもしれないし!
さて、俺も今日は寝るとしよう。おやすみ〜。