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第7話 防衛部の優雅な休暇①

またギリギリ...!!

帰宅。軽くご飯を済ませ、ジンさんの話を聞く。ちなみにロゼさんは疲れきって寝ているそうだ。


「で、だな...」


「では、まず1種目目の説明を致しましょう!プログラムナンバー1!短距離徒競走です!」

リィがマイクを持って煽るように宣言。

『イェーーーーーイ!!』

ノリのいい防衛部各員。


「徒競走か...どれくらいの距離かにもよるな」

「そうね...さすがに4桁越えると少しキツイね」


「ではスタート位置に立ってください!距離は秘密ですが、一応3桁と伝えておきましょう!」

リィのチームからは7人出すようだ。


「3桁?なら余裕だな。俺が初めに行く」

「うん、頑張って」


「それでは皆さんスタート位置に着きましたね!ここでは1位から順番にポイントが割り振られます!」


おい待て。人数が多いそちらの方が圧倒的優位じゃないか。

(怖気付きましたか?ジン様)

(無駄な事に『念話』を使うんじゃない)


「よーい、ドン!」

リィの号令で一斉にスタート。


「!?」

他の人間が驚くべきスピードで飛び出していった。そんなスピードで3桁も走れるはずがないだろ!?


と、思ったら。

「ゴール!一位は防衛部メイン盾と名高い6班隊長!」


もうゴールだと!?まだ1秒も経ってないぞ!?


「ジンさんは8位でゴール!ビリです!先ほどの威勢はどこに行ったのでしょうか!」


煽ってくるリィ。種明かしをしよう。


「私は確かに3桁と言いましたが、単位は言っておりません!今回は防衛部恒例の200km徒競走ではなく、200m徒競走でした!」

「ぐ、嵌められた...」


通りでみんな時速1000km近いスピードで突っ込んでいく訳だ。任せきりなのは心苦しいが、ロゼに任せておこう。


「さあ続いて第2走!防衛部隊長のロゼさんが走る注目の一戦となります!!なお、距離は変更となっています」


俺とロゼしかいないけどな。あと距離変わるのか...

「じゃあ頑張れ」

「行ってくる。仇を取ってくるわ」

仇ってほどじゃ無いけどな。


「では行きます!位置について、よーいドン!」


ロゼが消えた。

ヴォン。

遅れて空気が震える音がした。

「は!?」

アナウンスのリィも素っ頓狂な声を上げる。


「お前ら伏せろ!!」

俺が全力で叫ぶと、周囲の見物者は咄嗟に伏せる事ができたが、ランナーは勢いを殺しきれずに...


『ギャアアアアアアアアア!!!』


体がズタズタになって吹っ飛ばされた。


「え、えーっと、ただいまロゼ様が25km走を35秒7で走破しました...2位以下は搬送されたため棄権となります...」

リィもいつものテンションが失われる程度には驚いているらしい。正直ロゼならおかしくないとも思うが


「やり過ぎな」

「私も思うわ」

一応注意しておいた。



「ハプニングもありましたが概ねOKという事で第2種目!ドッジボールです!」


「ドッジボールとはまた怪我しそうな競技を選んだわね」

「危機管理能力の低下だな。嘆かわしい」


「あんたらの方が危機管理能力低下してるわ!!誰が徒競走で怪我人出ると思うんだよ!!」


リィが堪らず叫ぶ。口調まで変わっている。


「うおっほん。取り乱しました。では第2種目に移る前に、現在の得点を見てみましょう!」

ロゼ様チーム、21ポイント。防衛部オールスター、47ポイント。こちらが優勢です!

私の生活の為にも、どうか防衛部の皆様には勝っていただきたい!」


「俺も大口をたたいた以上負けるわけにはいかないな」

「そうね。でも大丈夫、正直ドッジボールなら負ける気がしない」


リィが指を鳴らすと、地面が均されステージが出来上がった。割と高度な魔法を使っているな。

ステージの大きさは大体縦40m,横28m位だろうか。そして内野と外野の境にもかなり高度な結界が張られている。俺らが2人しかいないからか元から外野の人間を出さずに済むみたいだ。


「ルール説明を!このボールには「物理結界」「能力結界」「魔法結界」を掛けているためほとんど破壊不能ですが、破壊したら失格となります。また、先ほどの試合から秒速340m以上でボールを投げたり、移動することを禁止します!ボールを当てるか、ボールに付随する結界や魔法などが当たると失格となり、外野に移動となります。」


こちらを恨めし気に見ながら言うリィ。俺じゃなくてロゼを恨んでくれ。

「あんた後でぶっ飛ばす」

そうだった。こいつは心が読めるんだった。…そういえば、ボールに付随するものも失格判定になるんだったよな。


「どちらかのチームで内野が全員いなくなった場合、そのチームに50ポイントを加算、一人あてるごとに1ポイント加算します!負けているチームは逆転のチャァンス!!!」


煽ってくるリィ。どうせ敵チームは18人(先ほど負傷した7人を除いた)で掛かってくるのだろうし、ここで一気にポイントを稼いでおこう。


「先行はロゼ様チーム、ボールを持ってから5秒後にスタートとなります!」

さあ始まる。緊張の瞬間だ。



ロゼが上方向にちょっとボールを投げる。ボールは約3メートルほど浮き上る。ロゼはその高さに合わせてジャンプし、腕に魔力を込めてボールを横なぎに投げた。

「うぉらぁ!死になさい!」

女性にあるまじき声をあげるロゼ。反応しきれなかった2人が討ち取られ、チームに2ポイントが加算される。


リィは自身のスキルである『情報』を利用し、ロゼの球の速度を測定する。

(秒速318m...なんてうまい調整だ...!?)

「ふん、私にかかればこんなものよ」


そして結界に跳ね返ったボールはジンの手へと移る。

「『魔法結界』が張ってあるなら魔法を使っても大丈夫だよな」

というなり何やらぶつぶつと唱え始める。

「『崩壊』と『付与:範囲拡大』と『炎上』の魔法をかけた。あとはこれを敵陣に!」

大きく振りかぶって相手の陣地に叩き付ける。速度こそロゼの3分の1程度だったが、大きな爆発と地面の崩壊によって、


「防衛部オールスター...全滅...勝者、ロゼ様チーム...」

また力なくつぶやくリィであった。


(なんだよ!なんで一つの物体に複数の魔法をかけられるんだ!?普通は一個が常識だろう!あの二人に勝負を吹っ掛けたのは間違いだったか!?)

半分泣きかけていたリィであった。



「え?これで終わりじゃないですよね?流石に時間が早過ぎます」

「ああ、ここは俺もやりすぎたと思ってるんだ、でも次は...話したくない...」

「ジンさんのベッドの下の、ロゼさんに見せますよ」

「ああごめん!話す!話すからそれだけはやめて!」

次でこの編は終わります。

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